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みんなで作ろうバリアフリーマップ「タウンミーティング~府中のバリアフリーを考えよう~」(2019.5.25)開催記録

府中市行政提案型市民協働事業「みんなで作ろうバリアフリーマップ」のキックオフイベントとして、25日の午後、プラッツ第2会議室にて開催しました。
当日はプログラム①のキーノートスピーチに29人、プログラム②の障害平等研修体験ワークショップにも29人が参加しました。

★オープニング

act634府中の坪井さんの司会進行でスタート。


開催挨拶 府中市地域保健部地域福祉推進課 中澤さん

市役所からは、バリアフリーマップの作成を協働事業として提案した背景などの説明がありました。



★キーノートスピーチ
引き続いて、「肢体不自由者の子どもとの暮らし」と題して、府中市肢体不自由児者父母の会会長の河井さんから、お話をいただきました。河井さんは重症心身障害者の息子さん(32歳)とご家族と暮らしていらっしゃいます。その中での経験を踏まえてお話をいただきました。当日は息子さんも一緒に会場に来てくださいました。


以下、お話を聞いたスタッフSさんの感想です。

~「肢体不自由者の子どもとの暮らし」を聴講して~
講演の最後に「出会いのキッカケになるマップを。」と、河井さんはおっしゃった。
そう、そこにいけば何か“コト”が起こるマップでなければならない。それはもちろん“良いコト”。すべての人が当てはまるとは言えないが、出かけることで経験値が増し、共に生きるヒントを得られるそんなマップを求められている気がした。
確かに私個人の話になるが、息子を外に連れ出すのも、小さなことでもいいから記憶に留めて欲しい、何らかの感動を得て欲しいからだ。しかし、障害があるということで、外出先でトイレにも行けない、食事もままならない、買い物もできない、アミューズメント施設に入場することもできないならどうだろうか。当然出かけることはためらうだろう。自分の子供を殻に閉じ込めざるをえない、障害を持つ子ども持つ親御さんたちの今まで聞こえなかった声を初めて聴いたようなショックを受けた。
とある行事に参加できたのも関わらず、誰からも関心を持たれないエピソードも衝撃的だった。社会に出たとしても誰かとつながりがなければ、生きていく意味は半減してしまう。そこにいない存在とほぼ同義である。施設が物理的に充実しても、そこに関わる人々、思想に心がなければ障害を持つ人、家族にとって何ら意味を持たない。
さて、我々に課せられたバリアフリーマップ作成への課題は重い。どんな答えを出せば正解なのか。当然できることとできないこともある。ただわかってきたことは、障害者に役立つマップは「こう」ではないかという予測から、障害者本人もしくはそれに関わる人の声を聴くことで、前進させること。
障害者に関わることとは何か、ふとした言葉や行動で障害が減少していくことを、障害(者)をまだよく理解していない我々は知るべきだろう。バリアフリーマップの最終形態はどうであれ、適切な情報を提供することで心のバリアが無くなり、人と人がつながり合えるマップを作成していきたい。
本当に私個人単位ができるのかは、正直未知数だ。ただ、知らないこと知ったのだから、これから無関心ではいられない。目の前につながり欲している人の前を通り過ぎることはできないかもしれない。そんな気づきを得られる講演であった。


★DET(障害平等研修)体験ワークショップ

その後、休憩をはさんで、障害平等研修体験ワークショップが始まりました。

休憩時間中には、お茶とお菓子が振る舞われ、お茶を出す場所にテーブルクロスとして使わせていただいた府中市在住のアーティスト柴田将人さんの紹介もさせていただきました。(当日はお母様が参加者としてご出席)






障害平等研修(DET)はファシリテーターとの対話、視覚教材とグループワークを活用したワークショップで、障害当事者がファシリテーターを担い、「意識改革ではなく」「解決のための行動をする」が目的となっています。今回は前半のみの実施のため「視点の獲得(意識)」を目的に行いました。

各班の構成は4〜5人ほどで、6グループに分かれていただきました。

ファシリテーターは障害平等研修のファシリテーターの3名の方に来ていただきました。メインファシリテーターの吉田さん、サブファシリテーターの中村さん、池田さん、ありがとうございました。

まず「障害とは何であるか?」各自で思っていることをグループ内で発表

続いて、街中で障害者が問題に直面した、3つのケースのイラストとスライドを見て、気づいた問題・問題が発生した原因・問題の解決方法について、各グループで意見を出し合っいました。

研修を終えて改めて「障害とは何であるか?」各自で思っていることをグループ内で発表。研修前と比べ、参加者の皆さんの意識が変わった様子が伺えました。

~参加したスタッフKさんの感想~
参加された障害者の方から生の声を聞けたのは非常に有益でした。また、参加者の方々の意見には、自分では気づかなかった問題の気づきや解決方法のアイデアがあり、勉強になりました。
研修を通して、障害者および障害に対しての理解や知識がないことが、障害者に対してバリアになるということを痛感させられました。物理的な「ハード」面でのバリアを取り除くことも大事であるが、それ以前に「ハート」の面でもバリアを取り除くことが大事で、障害者に対しての理解や知識がなければ、物理的なバリアを取り除く配慮も生まれてこないのだと感じました。研修で得た知見を今後のバリアフリーマップ作成に生かせればと思います。

また、当日は皆さんの議論の様子を「グラフィックレコーディング」という手法で可視化するということを行いました。グラフィックレコーディングを担当した「あるがゆう」さんからのメッセージもご紹介します。

★あるがゆうさんからのメッセージ【感謝とシェア】
みなさま、お疲れさまでした┏○ペコッ
本日グラフィックレコーディングをさせていただいたあるがゆうです!
初めて見た方も、知っていた方も、温かく見守ってくださりありがとうございました。

今回私がグラフィックレコーディングをした目的は
◇色や表情のビジュアルを通して、発想や考えの発信や吸収を促すため(右脳への作用)
◇ワークショップで気づいたこと、学んだことを、そのまま持ち帰ってもらうためでした。

綺麗にまとめる、というよりはそこで起こっているものをありのままに書き起こそうと意識をしましたが、いかがでしょうか、、?ドキドキ

すべての意見を吸い上げられなかったのは悔いですが、発表されている人の声に耳を傾け、相手を理解しようとすることは、障害と向き合うことと同じだなと気づかされた時間でした。


★最後に★
act634府中の林から、今後の予定について、説明をさせていただきました。
今後act634府中ではバリアフリーマップの作成について、市内を6エリアに分けて、まち歩きを行いながら、市民を巻き込んで2年かけて取り組んでいきます。
まち歩きは今年度3回行います。
次回は6月23日(日)午後、その後9月と11月に実施します、ぜひ障害をお持ちの方もそうでない方も積極的にご参加いただければと思います。ということで締めくくらせていただきました。

長時間にわたり、ご参加くださいました皆様、お話をしてくださった河井さん、ファシリテーターを担ってくださった吉田さん、中村さん、池田さん、グラフィックレコーディングをしていただいたあるがさん、本当にありがとうございました。

「心のバリアフリーのまち府中」を目指して!今後ともよろしくお願いいたします♪


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