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吸収しながら自分をさらけ出せる場所

アクションポート横浜の卒業生を主人公として、大学生がインタビューする企画。第一弾は鈴木沙周(さっちゃん)。彼女が活動に関わったきっかけや活動への思いをインタビューしました。はじめての方は先ずコチラから。

鈴木沙周(さっちゃん)
フェリス女学院大学 文学部コミュニケーション学科 2017年度卒
大学1年生の時に、インターン生として活動に参加。その後、学生スタッフとなる。大学卒業後、知的障害者の生活支援・就労支援の施設で働きながら、現在も学生の活動を支えてくれている。

インタビュー|岡﨑祐哉 齋藤健太

お菓子も仕事も選べる方がいいよね

岡齋:さっちゃんさん、本日はお時間ありがとうございます。差し入れもいただいて、聞いていた通りの優しい穏やかな先輩って印象で安心しました。

鈴木:ありがとう。私もお腹すいてたから、食べながらのんびり話そう。笑

岡齋:さっちゃんさんは、現在のお仕事は何をされていますか。

鈴木:私は社会人2年目で、知的障害をお持ちの方の生活支援や就労支援の施設で働いています。この施設では、利用者さんの障害の程度やご本人の希望によって、さまざまな仕事をお願いしています。
私はカフェ・ベーカリー班所属で、利用者さんとパンをつくっています。つくったパンは営業・販売班が販売や納品をしてくれていて、平日だと併設のカフェや区役所など公共施設で。休日は地域のお祭りなどで販売をしています。あと保育園への納品もしていますね。

岡齋:パンの販売は前に見たことがありました!食べてみてとても美味しかったのを覚えています。

鈴木:わ、ありがとうございます!そういった話を聞けるのは、利用者のみなさんも喜ぶはずです。

岡齋:他には、どのようなお仕事があるのですか。

鈴木:クリーニング班では洗濯・乾燥やボールペンの組み立て作業。創作班では“さをり織り”の製品作りなどのお仕事をされていますよ〜。
シンプルな作業ですが、集中して作業してくれているのがありがたいです。

岡齋:働いている人にあわせて仕事にも選択肢があるのはいいですね!

きっかけは理屈ではなくて

岡齋:そもそもですが、さっちゃんさんがアクションポートに関わるようになったきっかけは何でしたか。

鈴木:私は大学1年生の時、NPO法人のボランティアについて興味を持っていましたが、それを行動に移すことができていませんでした。
そんな時、NPOインターンシップの説明会があると聞いて参加したんです。そこで話を聞いて、子育て・海外支援の活動に興味を持っていたら、代表理事の高城さんに「うちのインターンなら色んな団体と関係があるから来てみたら?」と声をかけられて。
それで、アクションポートの短期インターン生として活動を始めようと決めました。

岡齋:短期インターンってどんなものなのですか。

鈴木:短期インターンは10日間前後を目安に、約80時間の活動体験を行います。3月に発表報告を終え、終了証を受け取るとインターン終了です。短い期間なので参加しやすかったですね!

岡齋:それなら、スケジュールも決めやすいですね!

ここがわたしのターニングポイント

岡齋:さっちゃんさんはNPOインターンの活動をしていて、大きな転機になったことなどありましたか。

鈴木:私にとって大きな転機になったのは、エコツアーの活動とそこでのリーダーの経験、この2つは私にとって大きいものでした。

岡齋:エコツアーとは、どんな活動ですか。

鈴木:エコツアーは、横浜で環境活動に関心のある学生が、(公財)横浜市資源循環公社と協力して、環境問題に取り組む現場を見に行くツアーです。毎年学生を中心に企画している活動で、私のときは、紙とリサイクル編と題して、紙の一生を追うツアーを行いました。

岡齋:学生さんと企業さんとの協力というのが面白いですね!学生さんのときから環境問題に関心が高いのは見習いたいです!さっちゃんさんも環境問題に関心が高かったんですね。

鈴木:いや、私はそれほど環境問題について関心は高くなかったですね。笑

岡齋:そうだったんですか!?

鈴木:笑。当時、学生は私を含めて5人いて、1年生は私だけでした。それで、ツアーを開催する直前に高城さんから「さっちゃん、リーダーやってみようよ!」と言われたんです。初めは自分には無理だと思ったのですが、自分が断れない性格なのを高城さんは知っていて。外堀から埋められて、やりますと返事をしました。笑
その後、リーダーをやるようになってからは、短期インターンの期間が終わってからも活動に関わり続けるようになりました。

岡齋:それは当時大変でしたよね..。リーダーをやっていく中で苦労したことはどんなことがあったんですか。

鈴木:さっきも言ったように、私は環境問題やエコにそれほど関心は高くなかったのですが、参加者の中には関心が高い人が多くて。それで、スタッフ内でも目指しているものが違っていました。
なので、全体目標を決めるのはとても苦労しました。それでも、全体目標に加えて、それぞれの目標を持って活動に取り組みました。

岡齋:そうだったんですね。メンバー間で目的や熱量に違いがあると活動しづらくなるから、それぞれの目標を立ててモチベーションを上げる工夫をしていたんですね。
ところで、リーダーという立場に関わらずエコツアーの活動の中で大変だったことは何でしたか。

鈴木:エコツアーを開催するにあたって2か所の企業に見学をお願いしました。でも、見学をさせていただくには、どうして自分たちが企業の見学をしたいのか伝える必要があって。
それに、自分たちの意図だけでなく企業の要望にも応える必要がありました。意図を伝えると同時に、要望に応えることが大変でしたね。

岡齋:それは、大変そうですね。企業の要望にも応えるというのは、本当に仕事として関わっているようで難しく思えます。今の話だと、大変なことばかりに聞こえるのですが、やってよかったなと思うことは当時ありましたか。

鈴木:そうですね..。このエコツアーでの経験を通して、1つの企画を進めていくには、自分たちの企画の意図と企業からの要望をすり合わせる必要があること。お互いにとってよりよい関係を目指すことが必要だということを知りました。
また、1人1人の得意なことや求めているものが違うからこそ、その時その人に適した仕事を配置していく適材適所の人事ということを知りました。これは今の仕事にも繋がっています。

岡齋:大変だったからこそ、得た経験は大きいものだったのですね。

頼り上手になったかも

岡齋:これだけの活動をやってきたわけですが、アクションポートの活動を経て、自分は特にここが変わったなと思うことは何でしょうか。

鈴木:私はそれまで人に頼るのが苦手でした。エコツアーのリーダーをした時、メンバーが多くて上手くまとめることができませんでした。その時は先輩に相談しながら活動を進めていきましたが、そうしていく中で、企画が良いものになっていくことが実感できました。
その時に、自分1人だけだと見えなかったものが見えるようになり、みんなと協力すればより良いものを作ることができると知りました。

岡齋:その気持ち分かります!1人で何とかしようとして、前が見えないくらいに頭の中がパンクしてしまうのですよね!でも、1人で頑張り過ぎるよりもみんなで協力してできたら、達成した時にやり遂げた気持ちも大きくなるのですね!

鈴木:そうですね。また、リーダーの在り方も1つではないと気づきました。

岡齋:というと?

鈴木:今まで私は、リーダーとは1番前でみんなを引っ張っていかなければならないと思っていました。でも、リーダーというのは必ずしも前に出て引っ張るだけでじゃない。わたしはこの時、土台となってみんなを支えていくリーダーの形を見つけることができたんです。

岡齋:前に出てみんなを引っ張るのでなく、土台となってみんなを支えるさっちゃんさんは、縁の下の力持ちなんですね。

鈴木:そう言われると少し照れます。笑

岡齋:そんなさっちゃんさんから、さいごに学生へのメッセージをお願いします。

鈴木:学生の間はたくさんのことにチャレンジすることができます。なので、色々なことに興味を持って挑戦して、たくさんのことを吸収してください。しなければならないこと、やらなければならないことに縛られず、色々なことを吸収しながらも自分の個性をさらけ出してもらえたらうれしいです。

岡齋:自分をさらけ出す。凄く心に響きます!自分のやりたいに蓋をしないでどんどん挑戦していきたいと思いました!本日は本当にありがとうございました。インタビューの時間があっという間でした。また、ぜひお話したいです!


ACTION DATA 鈴木沙周(さっちゃん)
2013年 フェリス女学院大学 入学
2013年 フェリスボラセン スタッフ
2013年 APY横浜 インターン生
2014年 APY横浜 学生スタッフ


編集後記

高城:いやー、よかった。こうやって先輩の体験談を聞ける会って、いま活動している大学生にとっては、じぶんの活動を振り返るいい機会になるからね。ぜひ続けていきたいー。

野永:もう少し、高城さんならではの経験を踏まえたコメントをみんなは期待してると思いますよ!スキもらうためにも!

高城:えー、次回からがんばるー!


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聞き手 岡﨑祐哉 齋藤健太
テキスト 岡﨑祐哉 齋藤健太
編集 野永雄司
写真 高城芳之
監修 高城芳之

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