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【アクティビスト保有銘柄分析】ストラテジックキャピタルは、何故ダイドーリミテッドを保有したのか①

皆さん
お久しぶりです。忙しくて中々時間を取れていないActivist Timesです。

久々に趣味(アクティビスト関連の情報配信)の時間を確保出来たので、今回はその趣味を謳歌したいと思います。

さてさてつい先日の11月25日にとある大量保有報告書ととある変動報告書の2点が開示されておりました。それはストラテジックキャピタルによるダイドーリミテッドの保有が5%以上ある旨のものでした!
現状発行済み株式数の8.09%を保有しているようで、もう既に約1割近く保有しているのですね。何故ストラテジックキャピタルはダイドーリミテッドを保有したのでしょうか。ダイドーリミテッドについて分析しながら考えていきたいと思います。

それではスタート!

★ダイドーリミテッド(3205)ってどんな会社?

①概要

 衣料事業で事業者向けの衣料用繊維素材および消費者向けの紳士・婦人衣料製品などの製造販売を行うアパレルメーカー。主力ブランドは、「NEWYORKER」。ショッピングセンター店舗などを賃貸する不動産賃貸事業も手掛ける。
衣料事業と不動産賃貸事業の収益割合は以下の通り。

(出典)ダイドーリミテッド第99期報告書より引用

殆ど衣料事業ですね。

ちなみにバフェットコードさんがまとめてくださっている企業概要は以下の通りです。

(出典)バフェットコード

ダイドーリミテッドの企業情報 - 3205 / スタンダード / 繊維製品 | バフェット・コード (buffett-code.com)

配当現在出してないんですね。
また時価総額80億円ということで、通常市場で買うにしても売るにしてもストラテジックキャピタルの影響力が諸に出そうなので実際のエグジットは、何かしら市場外での売却(会社や第3社のホワイトナイト的な立ち位置の保有株を買いとらせる等)を狙っているのかもしれませんん。

②財務状況(業績等)

ダイドーの財務状況は以下の通り。

(出典)ダイドーHPより引用

ここ直近5年間営業利益・経常利益は赤字が続いてますね。
赤字幅も大きくなってきてますね。
この状態では配当金を出すのは中々難しいと言わざるを得ないですね。

このような状況の継続は良い状況とは言えないですね。
何かしらの改革が必要だと思われますね。

③株価

株価は以下の通りです。

(出典)ヤフーファイナンスより引用

ずっと右肩下がりだったようですね。
2022年7月に一気に株価が上昇していますが、これは同社が7月7日に子会社ダイドーフォワードが本社売却で100億円の特別利益を計上したことを発表したことが要因ですね。

そして直近の大幅な上昇はストラテジックキャピタルの大量保有の影響ですね。こう見るとストラテジックキャピタルの影響力の高さが垣間見えますね。同社への期待の表れを感じます。

④株主構成

大株主の一覧と、所有者区分別の株主構成は以下の通り。

(出典)ダイドーリミテッド第99期報告書より引用

個人が過半を占めているので、市場で買い集めやすい構成とはなっていますね。
自己名義株式9.54%って中々多いですね。
その他法人が25.18%と多い気がしますが、これは大株主1位のオンワードHDの影響ですね。

ダイドーはオンワードHDと資本業務提携しているんですね。
ストラテジックの提案では、オンワードHDの保有につき何かしらあるかもしれませんね。

④取締役会等の構成

形態は「監査役会設置会社」。取締役6名中2名が社外取締役となっている。
表面的にガバナンスは問題なさそう。
以下はCG報告書より抜粋。

(出典)CG報告書より抜粋
(出典)同社のCG報告書より引用

⑤賃貸不動産の保有状況

同社は不動産事業を行っているため、賃貸不動産を豊富に持っています。
有価証券報告書に開示の保有状況は以下の通りです。

(出典)同社の有価証券報告書

含み益がかなりありますね。
最大の不動産は小田原のようです。

(出典)同社の有価証券報告書

ダイナシティに関しては、コロナの影響もあり、テナントの撤退、営業時間の短縮等もあり、あまり芳しくないようですね。詳しく計算していないですが、あまり資本効率も良くない気がします(間違っていたらすみません)
事業の選択と集中のための不動産事業の撤退や、ダイナシティ売却から、収益性向上のための事業改革や、成長投資への振り分け等の施策に出る可能性が考えられます。

不動産事業の撤退をし、衣料事業の一本化や、一旦MBO等による非上場化を求める動きもありそうですね。
大株主のオンワードHDに買ってもらうとかいう展開ももしかしたらあるかもしれませんね(その場合オンワードにもアプローチしてそうですが)



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