オアシス vs フジテック 真の正義はどちらにあるのか②〜2022年6月総会編〜

もう暑さで溶けそうな毎日を送っている社会人5年目です。クーラー嫌いの私でしたが、最近はクーラーを使いまくっており、クーラーなしでは生きられない体となりました。これを機にクーラーを生涯の伴侶としたいと思います笑
という冗談はさておき、、
前回のnoteでは【オアシス vs フジテック 真の正義はどちらにあるのか①〜2020年6月総会編〜】と題して、2020年総会の攻防をまとめました。まだご覧になられていない方は下記をクリックいただきご覧いただけると幸いです‼︎

今回は第二弾という事で、2022年6月総会におけるフジテックとオアシスの攻防を見ていきたいと思います。2020年と比較すると段違いに違います。

⭐️2022年6月総会におけるフジテックとオアシスの攻防

①2022年5月19日、オアシスが「フジテックを守るために」というキャンペーンサイト開設

オアシスはフジテックのガバナンス上の重大な問題点として、フジテックと内山家が保有する法人間での多数の疑わしい関連当事者取引に焦点をあてて、この一連の取引がコーポレートガバナンスに反するとして、内山社長の取締役役選任議案を反対するよう、株主への呼びかけを開始。

主な指摘事項は以下の通り(詳細は添付のファイルを参照)
● フジテックが内山家の私的利用のために超高級マンションを取得した疑惑
●フジテックは内山社長が保有する法人に莫大な額の現金を貸付
●フジテックから内山社長が保有する法人に不明な賃料支払い
●フジテックが非公開会社の株式を内山社長が保有する法人に売却
●内山社長が保有する法人の行った投資の失敗を補填させるため、その物件をフジテックが買い取った疑惑
●内山家が保有する会社に密接な関係を持つ個人経営の税理士をフジテックが起用して、報酬を支払った疑惑
●内山社長が自宅の庭の手入れにフジテック社員を利用した疑惑

オアシスの作成したプレゼンテーションは、探偵を使ったとも思われるような綿密な調査と、それによって発覚したフジテックの疑惑について記載ありますので是非一度ご覧ください。

以下はビジネスワイヤーへ投稿されたキャンペーン開始についてのリリース。

フジテックのキャンペーンサイトは以下の通り。

詳細なフジテックのガバナンス不全のプレゼンテーションは以下の通り。

②5月20日、フジテックがオアシスの主張に対する意見を公表

以下のようにフジテックは調査した結果、オアシスの指摘する取引の内容についてはなんら問題はなく、事実誤認であるとコメント。

(出典)フジテックのホームページ開示の「当社株主による主張について」から引用

https://www.fujitec.co.jp/common/fjhp/doc/top/document/irnews/7898/プレスリリース_220520.pdf

③5月25日、オアシスは「フジテックが出した誤解を招くプレスリリースについて」という声明を公表

フジテックが5月20日の発表した内容にはは虚偽の説明があると主張。また真に独立した第三者による再調査の実施を求めた。

(出典)フジテックが出した誤解を招くプレスリリースについてから引用
(出典)フジテックが出した誤解を招くプレスリリースについてから引用

④5月30日、フジテックがオアシスの主張に対する調査報告書の開示とその調査の結果から内山社長が取締役候補となることは問題ないと主張

5月29日に本件に関する臨時総会を開き、結果として取引は問題ないとして取締役決議がなされたとのこと。それと合わせて調査報告書も提出。調査した結果今回の指摘する取引はなんら問題ないと主張。また内山社長を取締役候補とする議案もそのまま上程するということも併せて開示した。

(出典)フジテックホームページ開示の取締役候補者に対する取締役会決議に関するお知らせから引用

https://www.fujitec.co.jp/common/fjhp/doc/top/document/irnews/7902/220530_取締役候補者に対する取締役会決議に関するお知らせ.pdf

⑤6月7日、オアシスはフジテックの調査報告書に対する反論を公表

オアシスは、フジテックの提出した調査報告書では内山社長に責任がないと言える根拠は全くないと主張。
以下の2点が主な指摘事項(詳細は下記の調査報告書に対する反論をご覧ください)
● 調査の手続と手法そのものについて重大な欠陥があること。
●オアシスが行った調査報告書の詳細な分析によれば、オアシスが主張している疑義の事実関係の調査として極めて不十分であり、寧ろフジテックのガバナンスの問題が深刻であることを更に浮き彫りにしていること

⑥6月8日、フジテックが「当社のガバナンス体制強化に向けた取組みに関する取締役決議のお知らせ」を公表

詳細は下記画像の通り。社外取締役の議長就任や、取締役会における社外取締役構成比率の向上等によるガバナンス向上を主張。また今後は原則として関連当事者取引は行わないとのこと。

(出典)フジテックのホームページ開示の当社のガバナンス体制強化に向けた取組みに関する取締役決議のお知らせから引用。

https://www.fujitec.co.jp/common/fjhp/doc/top/document/irnews/7917/220608_当社のガバナンス体制強化に向けた取組みに関する取締役会決議のお知らせ.pdf

⑦6月9日、オアシスが、議決権行使助言会社ISSとグラス・ルイスが内山高一代表取締役社長の再任に反対推奨することを決定したことを公表

オアシスが議決権行使助言会社のISSとグラス・ルイスが内山社長の選任議案に反対推奨した旨を発表。オアシスが特に注目した指摘事項は以下の通りです(いずれもオアシスが日本語訳したものを当方が若干簡潔化しています)。

【ISS】
●フジテックのこれまで出した回答は株主の期待に全く及んでいない。
●通常、会社で不祥事が疑われる場合、独立した外部の人間からなる第三者委員会を設立し、詳細な調査を行うべきだがフジテックは行っていない(西村あさひによる調査は独立した第三者による調査ではない)
●関連当事者取引が単に法律違反していないかだけではなく、内山氏の関与なしに取締役会が適切にしっかりと吟味をした上で、その結果会社及び株主に対して公平であると保証できるようにすることを株主は求めているとのこと

【グラス・ルイス】
● 関連当事者取引の多くが完全にそうではなかったとしても、主として内山家関連の利益となっている。フジテックの発表した調査結果は一連の取引がフジテックとその株主のために行われたのか、内山家のために行われたのかについて、説得力のある調査をしていないように見える。

⑧6月12日、オアシスがフジテックの発表した”うわべだけのガバナンス体制強化策”についての見解を公表

6月8日にフジテックが開示した「当社のガバナンス体制強化に向けた取組みに関する取締役決議のお知らせ」について、オアシスはフジテックがオアシスからの多くの質問への回答を未だ拒絶したままであり、且つ、コーポレート・ガバナンスが機能していないことを示す明確な証拠があるにもかかわらず、一連の関連当事者取引にコーポレート・ガバナンス上の問題はなかったという従来の主張を繰り返していると主張。懸念点は以下の4点です(画像参照)。またフジテックが誤解を招く対処策を作り上げてそれでガバナンスが改善されるなどという不誠実な発表を株主に向けて行ったことは、同社がいかにコーポレート・ガバナンスを軽視しており、他のすべてのステークホルダーよりも内山社長の利益を今後も優先させようとしているかを如実に示しているとも主張している。

(出典)フジテックが発表した”うわべだけのガバナンス体制強化策”についてのオアシスの見解から引用
(出典)フジテックが発表した”うわべだけのガバナンス体制強化策”についてのオアシスの見解から引用

⑨6月17日、フジテックが第三者委員会による追加調査実施を公表

オアシスからの指摘は法的にも企業統治においても問題ないが、本取引に対する株主をはじめとするステークホルダーの方々の疑念払拭のために、本取引の再調査及び検証を実施すると発表。

(出典)フジテックのホームページ開示の第三者委員会による追加調査実施に関する取締役決議のお知らせから引用

https://www.fujitec.co.jp/common/fjhp/doc/top/document/irnews/7936/220617_第三者委員会による追加調査実施に関する取締役会決議のお知らせ.pdf

⑩オアシス、フジテックの第三者委員会による追加調査について、「株主を騙す新たな試み」として意見を公表

オアシスはフジテックの6月17日発表の第三者委員会による追加調査の実施について、株主を騙す露骨な試みであると主張。
フジテックの「株主をはじめとするステークホルダーの皆様の疑念を払拭し、更にご安心いただくべくため」という主張は間違っており、コーポレート・ガバナンス上の問題があった場合には、そのガバナンス上の問題を解決し、今後のガバナンスの改善策を明らかにするためであると主張。

⑪6月23日、フジテックが株主総会当日に内山社長の取締役候補とする議案を撤回

第三者委員会の再調査により問題ないと判断された場合、再度取締役就任の是非を株主の皆さまに考えていただきたいとのことで、現状は撤回したとのこと。

(出典)フジテックのホームページ開示の第75期定時株主総会付議議案の一部撤回のお知らせから引用

https://www.fujitec.co.jp/common/fjhp/doc/top/document/irnews/7993/220623第75期定時株主総会付議議案の一部撤回のお知らせ.pdf

⑫6月23日の株主総会後、フジテックが内山社長の役職を会長にすると公表

(出典)フジテックのホームページ開示の代表取締役の移動に関するお知らせから引用

https://www.fujitec.co.jp/common/fjhp/doc/top/document/irnews/7994/220623_代表取締役の異動に関するお知らせ.pdf

⑬フジテック、株主総会における議案の賛成率を公表

第75期定時株主総会の行使結果を開示。
指名・報酬諮問委員会関連の2名(杉田氏と山添氏の)の賛成率が低い。

(出典)フジテックの臨時報告書から引用
(出典)フジテック第75期定時株主総会の招集通知から引用

⑭7月1日、オアシスがフジテックの定時株主総会総会に関する声明を発表

以下がオアシスの主張のポイント。
●フジテックの株主は定時株主総会で意見を主張し、経営責任を追求する権利を取締役会より侵害された
● フジテックの取締役会は、利害関係者を犠牲にして行われた会社規模の内山氏の関連当事者取引について、同氏の責任を何が何でも回避させようとしており、この取締役会は極度の隠蔽体質で、誠実さの欠片もないことが、これまでの決議・行動を踏まえて明らかになった。取締役会は株主を裏切った。
●利害関係者、特に、株主の意見、投票は尊重されるべきであり、無視されるべきではない。全ての利害関係者、特に株主は、経営責任を追及するために立ち上がるべき。オアシスは、キャンペーン「フジテックを守るために」を継続し、より多くの利害関係者に届くよう一層展開していく。

⭐️補足〜Asset Valuue Investorsによるフジテックへの主張〜

6月29日、Asset Valuue Investorsがフジテックの社外取締役が株主の利益のために最善の行動をとっているかどうか疑問という声明を発表。
オアシスの指摘事項はごもっともであるとのことで内山社長の選任議案には反対したとのこと。
また内山社長を株主の支持を得ない状態で会長に就任させた行為について、過半数が社外取締役で構成される取締役会がこのように露骨に株主の権利を無視したことは、現社外取締役が株主の最善の利益を追求しているかどうか懸念をいだかせるとも述べている。

⭐️総括

以上がフジテックとオアシスの2022年6月総会の攻防でした。
結果オアシスの勝利ですね。総会で議案が提出されなかった時点でフジテックは勝負から逃げたようなものですもんね。個人的にフジテックの総会当日の内山社長の選任議案の撤回は、事前に否決されるのがわかり撤回したのではと思います。オアシスの述べたように、フジテックの掲げる理由での議案撤回なら、第三者委員会の追加調査発表の時点で撤回するべきだと思います。
また最後補足で述べましたが従来からのフジテック保有の投資家であり、過去株主提案をしているアクティビストのAsset Valuue Investorsもオアシスの考えに賛同ということで、意見を公表しましたね。オアシスからしたら非常に心強いと思います。

フジテックは今後オアシスとAsset Valuue Investorsによって良い方向へ変革していくことを願っています。
引き続き動向はウォッチしていきたいと思いますので、フォロー、コメント、すきをお待ちしております‼︎
Twitterもやっておりますのでフォローよろしくお願いいたします🤲

かなり長くなりましたがまた次回のnoteでお会いしましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?