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あくあゆの浄土真宗聞法体験記 (9)

聞法グループについて

 心境の変化まで書いたところで、現時点までの振り返りに一区切りがつきました。新たな心境の変化があればまた書きたいと思います。

さて、私は久保龍雲先生の聞法道場と、久保光雲先生の聞法グループで聞法させて頂いています。

先述しましたが、おふたりはご夫婦で共に僧侶です。ブラジルの本願寺で6年半もの間、開教使をつとめられ、今年の1月にご帰国されました。

ブラジルにいながら、ブラジルと日本の両方に正しい浄土真宗の教えを伝えて下さっていたんですね。現在は日本とブラジルに聞法をする仲間がいて、その輪がどんどん広がっています。

グループの特色として、ネットが中心になっていることが挙げられます。日本は遠く離れているからもちろんですが、ブラジルでも新型コロナウイルスの影響でなかなか直接お話が出来なかったそうです。そこでツイッター、ノート、フェイスブック、ライン、ズームなどを利用して発信されたのですが、多くの人から連絡が来て、グループが出来ていったそうです。回線が切れたり、画面が固まったりなどの試行錯誤を繰り返しながら改善を重ね、今ではネットで聞法するための最高の工夫が凝らされていると思います。

龍雲先生の聞法道場はフェイスブックのグループというサービスを利用しています。グループとは、ユーザーの特定の人たちと交流を持てる機能です。グループのメンバーが自分の思いを出しやすいように、メンバー以外には見ることが出来ない設定になっています。

まず共通のテーマを同じスレッドで話し合います。
【「聞く」ということについて」】
【最近の私、最近の聞法】
【阿弥陀さまに出逢うということ】
このようなテーマをまず共通のスレッドで話し合い、ある程度話が進んだら、今度は個別のスレッドで先生と話し合いをします。メンバー限定の掲示板で思うさま先生と話し合える…こうして書いてみると、改めてどれだけ贅沢で有難いことなのかが知らされます。

自分の意見や思い、疑問や質問を書き込むわけですが、とにかく思うところ、感じるところをなるべくたくさん素直に書き出していくのがコツになります。また、他のメンバーのスレッドに発言をすることもできるので、色々な気付きを頂けます。

そして光雲先生の聞法グループでは、ズームというネットミーティングを利用しています。コロナ禍でのリモートワークやリモート授業などでも使われていますね。
 
月に2回ほど、先生が帰国される前は主に土曜日の夜9時から10時半まで開かれていましたが、帰国されてからは日曜日の朝9時から10時半に開かれています。

最初の頃は前半でご法話をされて休憩をはさんだ後半で座談会というスケジュールでしたが、話を聞いてすぐに質問といってもなかなか出てこない、座談会の時間が短いという問題点がありました。

そこで法話会の1週間ほど前に動画や体験談などを頂いて、事前に掲示板に書き込むやり方になりました。書き込む内容は、ご法話ならば「先生は何を言いたいのか」「感想・質問」を、体験談ならば「〇〇さんと自分の同じところ、違うところ」「感想・質問」を書き込んでいきます。

また、掲示板に書かれたことについてメンバー同士でレス(投稿に対してコメントすること)をすることによって話し合いが深まっていきます。 

今までの記事で同じ集まりなのに法話会と座談会の表記が混在したのはこのような理由からです。現在はズームでは座談会をやっていることになりますね。これで話し合いがとても深まるようになりました。

座談会ではメンバーが交代で司会をします。司会を立てることのメリットは、先生がみんなの様子に集中することができること、司会をする時に発言者の発言を繰り返すのですが(〇〇さんは〜だと思われるんですね)これが「聞く」という力をつける練習になるということです。司会の立場になると、自分がいかに人の話を聞いていないのかよく分かります。

座談会終了後も1時間ほどアフターというフリートークが続けられます。まだ話をされたい方は残って話すことができます。さらに話をされたい方は二次会という形で残ります。軽く一杯やりながら語り合ったりもできるので、思わず本音が出たりします。

このグループでは、先生やメンバーの方に叱責されたり発言を否定されたということがありません。これは仏法を聞かせて頂く上でとてもありがたいことだと思いました。

というのも、S会はとにかく厳しく、意見を否定されることがしばしばあったからです。仲間内でさえ一杯飲みながら仏法についてざっくばらんに語り合うなどということは全くありませんでした。

何でもかんでも厳しくされるとどうなるかというと、怒られたり否定されないように相手の顔色をうかがい、相手が納得するような言動しかしなくなります。そして、相手の言いなりになったり、受動的になってしまうのです。

光雲先生のグループでは気持ちがあたたかくなる聞法を教えて頂いています。

相手の意見を尊重して否定的な言動をしないことが大前提です。

「〇〇さんは〜だと思われるんですね」
相手の発言を繰り返して確認をします。

「私は〜だと思います」
断定口調ではなく、自分がどう思うのかという言い方を心がけます。

相手の意見を尊重して否定しない話し方を心がけると、どうなるのか?自ずとやさしいやり取りになり、相手の発言を聞くようになります。自分の声に耳を傾けるのではなく、阿弥陀仏の声に耳を傾けるためのコツをつかむ役にもたつのではないでしょうか?

また先生はあえて「正解はこうですよ」と答えを簡単に仰るようなこともしません。それではひとりひとりの自主性が育たないからです。メンバーの人達は自分でも気付かないうちにどんどん自主性が高まっていると思います。回を重ねるごとにメンバーでの話し合いが活性化しているように感じます。

私たちひとりひとりに阿弥陀仏がついていらっしゃるから、先生はみなさんの阿弥陀仏におまかせしているのです。私に付いて下さっている阿弥陀仏の声に耳を傾けるのが聞法だということですね。

今の私には、先生の仰ることやメンバーの皆さんが仰ることが阿弥陀仏の声に聞こえます。

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