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自分とかけ離れた人物をどう演じるか

俳優として、自分とかけ離れた人物を演じることはありますよね。

その役のことを理解できないまま演じるべきではないのは当然です。

結局のところ芝居というものは、演じる人間の身体や感情を使ってしか表現しようがない。

俳優自身の中にあるもの、持っているもので演じるしかないんです。

理解できないまま演じてその人物の本当の感情が出てくることはありません。

その人物として動くことができません。

ではどうするか。

その方法の一つとして、

自分とその役の共通点を見つけてください。
 

いちばん簡単なところでいうと〈置き換え〉です。

例えば、私は開店前から行列に並んでまでパチンコやりたい人が理解できないのですが、

私が演じるとしたら、ディズニーランドに置き換えます。

私、並ぶのが嫌いで、コンビニでもレジ前に列ができていたら買う気なくなるし、

前の人がもたついてて「こりゃあと2分ぐらいかかるな」と思ったら買うのやめたりするんですが、

ディズニーは並べます。2時間くらいまでならいけます。

と、こんな風に簡単な置き換えで済めばいいんですが、

実際の役作りではもっと、その人物のコアの部分まで掘り下げて考えなければいけない場合もあります。

例えば、人生を崩壊させてしまうほどのアルコール依存症だとか、連続殺人犯だとか。

こういった場合、その人物の行動原理が一体どういうところから来ているのか深掘りしていくわけですが

掘っていくにつれ、シンプルな感情にたどり着くはずです。

そこに、自分が理解できる部分あるいは共通する部分を探してください。

「これならできる」と思えるものを探し当ててください。

あなたと役がグッと近くなり、うまくいけば重なるはずです。

完全に重なっちゃったら無敵ですよ。

次回の投稿で、私が実際に役作りで苦労した時の話をしようと思います。

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