見出し画像

コロナ渦で地球さまよった船員Twitterまとめ(中編)

こんにちは、ヒロクマです。

コロナ渦で地球さまよった船員Twitterまとめ(中編)をお読みいただき、ありがとうございます。

コロナ渦で地球さまよった船員Twitterまとめ(上編)は、こちらからご覧ください。


今回は、ハワイ〜アメリカ西海岸まで、5,997文字、12分で読むことができます。

Twitterがあるので、もう少しかかるかも知れません。


上編に「スキ」や「サポート」して下さった方、どうもありがとうございます🙏 

ちょ〜嬉しかったです🙌  感謝、感謝!🙏


「スキ」や「サポート」をしていただけると、嬉しいです!

よろしくお願いします。


上編のまとめ

鍼灸師として乗船していたクルーズ船が、2月1日香港から出発し、コロナ渦で行き先を失いました。

行き先を探してアジアをさまよい、ついに乗客はカンボジアにて下船し帰国の途へつきました。

カンボジアからクルーだけをのせて、行き先不明の旅へ出港します。

フィリピンで必要物資を補給し、ハワイにて寄港をし、つかの間の陸を楽しみます。

クルーだけ乗せて、船は更に西へと進みます。


ハワイを出港し、西へ西へ

3月17日にハワイを出港しました。

3月18日は、スパの在庫を数えました。

鍼灸師は漢方の在庫を担当します。

漢方は、約10種類合計600本以上あったはず。

スパはクルー向けに営業していました。

他には、研修したり、お掃除したり、消毒したりしていました。


あんまりやることがないので、日没は一日の大きなイベントになっていました。

毎日夕焼けを眺める。

空がキレイになるまで、一時間くらい眺める。

暇だなぁ。笑

「100日後に死ぬワニ」が、後2日で死ぬ予定でした。


ベネツィアは、2015年に乗船していたホームポートで週に1度寄港していました。

水はお世辞にも綺麗とは言えなくて、気温が上がるとドブ臭かったのですが、観光客が減少したおかげで水は綺麗になったとのこと。

イルカが出たというのは、フェイクという話も聞きましたが💦

「ウイルスが増殖するにはウイルスの都合がある」と、ウイルス学者さん。

地球にとって人間とは…と考えます。


朝も写真撮影のチャンス♪

10階のオープンデッキを通り、船の後方にあるレストランへ行きます。

毎朝、デッキに水を撒いていたので、雨じゃなかったのかも…

サンディエゴやLAに行くのではないか?という予測が船で噂になっていました。

しかし…

外出禁止令が出るということは、船の下船も許可されなさそうってこと…


カーニバルコーポレーションの船を病院船として使用するというお知らせ。

結局、病院船にはなったのだろうか…?

わたしの船も候補に上がっていたらしいです。


わたしたちが、ハワイで上陸できたのは3月17日でした。

Ms Maasdamは、3月1日にニュージーランドを出発して、3月20日にハワイで上陸許可が降りず…

港に寄港するも、逃亡する人がいないか、ハワイの警察に厳重に見張られていたと聞きました😭

まるで映画の世界です。


太平洋では、トビウオが沢山飛んでいました。

美味しいお刺身が食べたかったです。


学会で、COVID-19に効果のある鍼灸治療が発表されました。


食材が段々乏しくなり、辛いスパイスを欲していました。

タバスコ、インドネシアのスパイス、中国の唐辛子ソース、西洋わさびなどを食事にかけていました。

徐々に品数が減り…

ある日の朝ごはんに、白ごはん・チャーハン・おかず1品しかなくて…😭

食事は出してもらっているので、贅沢は言えませんが…

食欲も沸かず、ついつい「食べるものがない」と思ってしまいます。


3月24日、先の予定がわかりました!

スパのアメリカ・マイアミ本社の上層部は、自宅勤務をしているそうです。

わたしのスパの会社では、船に残されている2,200名のスタッフを帰国させる必要があると情報が入りました。


いよいよアメリカ西海岸のサンディエゴに近づいています。

このころは、10階エクスプローラーカフェが使えていました。

(のちに、ここでコーヒーを飲むのは禁止されます。寂しい😭)

原稿は、「あはきワールド」という鍼灸師の専門サイトに船上の鍼灸師の話を月に一度寄稿しています。

2月にゲストが下船してから、仕事はほぼなく暇でしたが、月に一度の仕事。

やることがあるは、素晴らしいことです👏


鍼灸師がプロディースする写真集が発売されました。

アンニュイで、美しい写真集です。


3月1日に乗員乗客が全員下船しているダイヤモンド・プリンセスです。

イルミネーションで、「ありがと、ジャパン」


東京がロックダウンするとか、しないとか言われ始めました。


しばらく踏んでいない陸で、

土と戯れたくて仕方がありませんでした。

帰国したら農業をしようと求人を探してました。笑


いよいよ西海岸に到着です!

いよいよサンディエゴに近づきました!


サンディエゴ到着前夜、ハトがデッキに迷い込んでいました。

だいたい、陸に到着する2〜3日前から、船の側をトリが飛び始めます。


サンディエゴに到着しました!

サンディエゴで給油中です。

画像1

港の横には空港があり、JALのジャンボジェットが着陸しています。

JALに乗れば帰国できるのに…😭


ロックダウンしたカリフォルニア州では、上陸も許可されません。

数日前にディズニー・クルーズのクルーがサンディエゴからフィリピンに飛行機で帰国したと聞きました。数日の違いは大きいです。


Ms Maasdamが到着するので、後方のデッキに集合するように放送がありました。

クルーが歌っているのは、お祝いの歌と聞きました。

クルーの誕生日など、歌っているのをよく聞きました。

ゲストでも誕生日に歌ってもらった方がいるとのことです。

どなたか曲名がわかったら、教えて下さい🙏


スパの営業停止

ゲストがいなくなってから37日目、

クルー向けに営業していたスパは、やっと営業停止の指示が出ました。

37日間で鍼治療したのは1回だけでした😭

お給料が歩合制のスパのスタッフには、死活問題です。

「ハイドロプール」という有料VIPエリアにある温かいセラミックの寝椅子は、試運転で毎日温めていましたが、この日で終了しました。

画像2

色もスキ💕で、お気に入りの場所だったので、寂しいです。


アメリカでも、メキシコでも下船はできないという情報が入りました。

でも、「刻々と状況が変わるから、まだわからない」と言われ…

一体何が本当なのかわかりません…

アメリカから、メキシコに南下します。


カミュの『ペスト』をKindleで購入する。

本をたくさん読みました。(暇だから)


4月中旬までだったホーランドアメリカラインの営業停止は、5月14日まで延長しました😭


メキシコ・プエルトバジャルタに錨を下ろす

プエルトバジャルタに錨を下ろすMs Eurodamです。

普通にクルーズしていると、他の船を見ることがないので、ちょっと嬉しいです。


「迷わず買いなよ!しばらく帰れないよ!」と、自分に言いたい。


契約終了!でも、下船はできず…

3月30日、契約終了のサインをしました。

クルーとして船にいるのに、契約終了するって異例の対応です。

未知の世界へようこそ〜🙌


メキシコ・プエルトバジャルタに行くと聞いていたけど、陸が見える場所で錨を下ろすのみでした。


いつ帰国するかわからないので、徐々に荷物整理をはじめました。

荷物を軽くしたくて、一般人が読まなそうな専門書を寄付しました。

(誰が読むんじゃ 笑)

Ms Westerdamは、アジア航路で日本に行く機会も多いので、日本人乗客もそこそこいたと聞きました。

わたしが乗っていたアジアクルーズのときは、乗客2,000名中、日本人乗客2名〜4名でした。


メキシコの自然は美しいです。


メキシコ内を移動(プエルトバジャルタ→ラパス)

ほぼ毎日ジムに行っていました。(暇だから)

時がすぎるのは早いです。


プエルトバジャルタからラパスに移動するときすれ違ったMs Oosterdam

プエルトバジャルタでは、プールに入りたくなるような気候でした。


オープンデッキの屋根は、開け締めする担当がいます。


船はゆーーーーっくり走行してました。

ゆっくり走っている船は、やる気を失っているようで、

行き先見つからなくて諦めてしまった感じもします。

エンジン音もせず、静寂で、「天国はあるんだな」って思いました。


船の周りを飛ぶトリは、トビウオを狙っているらしい。


メキシコ・ラパス沖に錨を下ろす

バハカリフォルニア半島の星空は、美しいと有名と聞きました。

刻々と変わる空の色。

メキシコすごい!🙌


3月24日にスパの会社から、「帰国させるスタッフは2,200人」と聞いていたのが、4月5日に「あと1,100人」と聞きました。

半分は帰った人がいるらしいです。

見えないけれど、帰国は進んでいるはずと信じたいところです。


『ペスト』を読みました。

本を読む時間はいくらでもあります。


朝日を浴びて、背が高く見えるわたし😆

そして、夕陽です。

中国語のレッスンをはじめました。

中国語の先生は、中国に留学をしたことのある南アフリカ人です。


船内でも、「ソーシャルディスタンス」が実施され始めました。

場所を確保するために、リクエイニングチェアが撤去されました。

お気に入りの場所が段々なくなります😭


「ソーシャルディスタンス」で、作られた「お一人様用テーブル」


メキシコは今日も美しいです。

空とトリを眺める日々です。

カタカナに弱いのです、わたし。えへ😆


満月の夜は美しいです。

月を撮るときは、いいカメラが欲しくなります。

満月のたびに「もう一ヶ月経ったのか」と思います。


陸を眺めるだけの毎日です。

空の色が違う4枚です。


日本語担当で、動画に出演しました。

わたしの日本語聞こえますか?


急に激しい筋トレをするのはおススメしません。


読み応えのある報告でした。

本を読む日々です。


物資のやりとりを姉妹船で行います。

こんにちは、Maasdam!


クルー帰国大作戦(Ms Eurodam)

いよいよクルーズライン上げての帰国大作戦がはじまりました!

「アジア人は移動」と言いながらも、日本人のわたしは残される謎のオペレーションでした。

スパからは、フィリピン、インドネシア、インドのクルー4名が、Ms Eurodamに移動しました。

4月12日ラパス沖でクルーの移動、LA経由、5月9日にフィリピン到着予定とのことです。

Ws Westerdamには、南アフリカ、ジンバブエ、ジャマイカ、モーリシャス、日本からの9人のスパスタッフが残りました。


Ms Maasdam → Ms Eurodam 300人

Ms Westerdam → Ms Eurodam 400人

Ms Eurodam → Ms Westerdam 38人(2週間、4階客屋で隔離される)


Ms Westerdamには、残り276人

船の中はガラーンとして、レストラン以外は人に会わなくまりました。

自然にソーシャルディスタンスが取れます。


4月13日、中国人と日本語・中国語のエクスチェンジを始めました🙌


4月16日、放送で「Quarantine(隔離)」という言葉をはじめて聞きました。

カンボジアに到着するまでも、ハワイに到着するまでの2週間も、サンディアゴに到着するまでの2週間も、事実上の隔離でした。


4月17日〜20日 10〜12時に検温

中国語クラスのメンバーで、麻雀をはじめました。

中国語、スペイン語、ヨガ、中国語・日本語エクスチェンジに、忙しく充実した時間を過ごしていました。


クルーなのに、クルーではなく、ゲストステータスになりました。

未知の世界です…


給油と物資の積み込み

ロサンゼルスには、たくさん船がいました。

他の船が見えると、嬉しいのです💕


ロサンゼルスで給油後は、サンディエゴに向かいます。

サンディエゴで、物資の補給をして、メキシコに戻ります。

ひとつの船が代表して物資を運ぶことで、コスト削減をしているそうです。


わたし、いろいろなアジア人に間違われていました😆


アメリカの領海に入るとのことで、コロナ対策が厳しくなります。

4月25日から、一日に2回(午前10時と午後4時)検温をはじめました。


そして、4月27日から、公共の場ではマスクが着用義務付けられました。

ウクライナ人の友人が、マスクを着用義務を聞いた時に、「もうこんなの我慢ができない!」と声を荒げました。

COVID-19の感染者がいないにもかかわらず、2ヶ月間船内に閉じ込められて、我慢の限界が来たようです。

彼女は、普段何が起こっても淡々と冷静でした。わたしは、彼女が感情を乱したことに驚きました。

アジア人は「マスクに感染予防効果がある」という認識があるので、「マスク着用が義務」と聞いても、「まあ、そうかな」と思っていました。

しかし、西洋では重病人がマスクを着用するイメージがあるそうです。

マスクに対してのイメージの違いを認識したできごとでした。


太平洋横断の準備を再び

そして、またロサンゼルスで給油します。

太平洋横断の準備です。

サンディエゴで、物資の積み込みします。

クルーの食事の予算は一日5ドル(550円)らしいです。安い!


クルー帰国大作戦(Ms Westerdam)

帰国できるようになるまでのホテルシップであるMs Koningsdamへの移動で、わたし以外のスパのスタッフと、中国語レッスン&麻雀仲間がいなくなりました。

わたしは、ひとり取り残された感じで寂しくて、「アジア行きの船」だけど、日本には行かないし、どこで下船可能な場所も不明で希望が全く見えない😭

Ms Westerdamには、Ms Koningsdam、Ms Maasdam、Ms Oosterdam、Ms Noordamのインドネシア、タイ、ベトナム、モンゴル、中国、韓国、日本などのクルーが移動してきました。


これから再び太平洋横断です。

また長い船の旅がはじまります。


まとめ

コロナ渦で、行き先を失った船は、乗客をカンボジアで下船させたあと、クルーだけを乗せてアメリカへと渡ります。

ハワイでしばしの上陸したあと、アメリカ西海岸に到着します。

サービス再開に希望を託してアジアを出発しましたが、アメリカ到着までにカナダ・アメリカ・メキシコの国境が閉鎖されていました。

サービス再開も、下船して帰国することも叶わなくなっていました。


約1ヶ月アメリカ西海岸沖を漂い、「クルー帰国大作戦」がはじまりました。

航空便でクルーを帰国させることができないクルーズラインは、船を「クルー帰国フェリー」として、国ごとにクルーを大移動させます。

わたしの乗船するMs Westerdamは、再び太平洋横断します。


最後に

ここまでお読みいただきありがとうございます!🙌

「スキ」や「サポート」をしていただけると、嬉しいです!

よろしくお願いします。

下篇も楽しみにお待ち下さいね!

この記事が参加している募集

カメラのたのしみ方

いただいたサポートは、帰国後2週間の自主隔離が終わったあと、鍼灸師としての活動再開の立て直しに使わせていただきます。