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冬にも沁みるトロピカルハウス:雑記 2022/11/24

前置き


日本で高い人気を誇るトロピカルEDMのDJ・DEAMNが22日に約1年ぶりの新曲「Love Attack」をリリースした。

安定のDEAMN節が効いていながらもこれまでとはやや異なる作風を感じる1曲であり、個人的には更なるペースでのリリースを待ちたいところでもある。
ではこの曲にもみられるDEAMNのスタイルは何なのか、それは「トロピカルハウス」である。

トロピカルハウスとは

名前の通り、重低音が響くいわゆる「EDM」に対し、独特のシンセと熱帯の楽器の軽やかな音が入り混じり、ゆったりとしたBPMでじっくり聴かせるハウスミュージックの一種が「トロピカルハウス」である。代表的なアーティストとしては、"トロピカル王子"とも形容されることの多いKygoが挙げられる。
トロピカルハウスの最盛期は2015~2016年に訪れ、世界的なブームとなったことは記憶にも新しいことかと思う。今ではトロピカルハウスでのヒットナンバーは少なくなってきたものの、依然として人気を確立しているジャンルであり、とりわけ日本人には刺さるジャンルであると思っている。
そんなトロピカルハウスの中から、新旧のメガヒットなども交えておすすめナンバーを紹介する。

おすすめトロピカルハウスナンバー5選

①「No Promises」(Cheat Codes feat. Demi Lovato)

Cheat Codesを知った原点にして頂点ともいえる1曲。Cheat Codesはアメリカの3人組DJユニットであり、バンドとしての活動も行っている。今作はボーカルにDemi Lovatoを迎えた1曲であり、エモーショナルなボーカルスキルが光る1曲ともなっている。
原曲も大変好みではあるが、個人的に推したいのはAshworthによるRemixである。

そんなAshworthは2021年7月から個人名義でのリリースがないが、そろそろほしいところではある(小声)。

②「Fast Car」(Jonas Blue feat. Dakota)

トロピカルハウスといえば忘れてはいけないのがJonas Blue。Tracy Chapmanの代表曲「Fast Car」を大胆にカバーしてデビューしたJonas Blueであるが、いきなり全英チャート最高2位を獲得し、ヒットメーカーとしての地位を確立したのは恐るべきことに感じる。

③「Where Are You Now」(Lost Frequencies feat. Calum Scott)

ベルギーのDJ・Lost Frequenciesもトロピカルハウスの代表的DJとして名が上がる存在であり、イギリスのシンガー・Calum Scottを迎えて2021年にリリースした「Where Are You Now」が全英チャート最高3位などのヒットとなった。トロピカルハウスの中でもLost Frequenciesの音色はよりディープな世界観が漂うと感じており、個人的に非常に好みである。

④「Woke Up in Love」(Kygo, Gryffin, Calum Scott)

"トロピカル王子"ことKygoが今年リリースしたGryffinとの共作である。フィーチャリング歌手として先程も紹介したCalum Scottを迎えている。
Kygoのトロピカルハウスナンバーは全体的にボーカルチョップを用いたミドルテンポの落ち着いた曲が多く、2017年のメガヒットナンバー「It Ain't Me」など枚挙に暇がない。

そんなスタイルが2022年になっても健在である点にトロピカルハウスのポテンシャルを感じるばかりである。なお、「Woke Up in Love」についてはAlokによるM1ピアノががっつり効いたRemixも好みであるので紹介する。

Alokといえば重低音も効いた若干重めのサウンドが特徴的であるが、Remixとなると軽やかなテイストまで表現してくるという二面性を感じたりも…。

⑤「Save Me」(DEAMN)

では日本人がやられたトロピカルハウスは何か、というとズバリこの曲。なのでおそらくDEAMNのファンの割合は日本人がかなりの割合を占めていると思われる。もしかすると世界的な知名度と比較にならないほど日本での知名度が高く、世にも珍しい逆転現象が起きている可能性も否めない。

仮説

ここでトロピカルハウスに対し、1つの仮説を提唱したい。それは、

トロピカルハウスは冬にもマッチする説

である。ダンスミュージックの中でも際立ってエモーショナルな雰囲気を纏っているだけに、冬の寒さと相まって「夏のサウンド」として作られたトロピカルハウスは一層エモーショナルな響きをもって聴こえるのではないか、少なくとも自分はそう考えている。

総括

トロピカルハウスは、名前からしてすでに「夏のサウンド」ではあるが、冬にも存在感を発揮する稀有なジャンルである。
もう一度トロピカルハウスのブームが来てほしいと切に願うこと早2年、まだその気配は見えないので何か1つデカいヒット曲でも生まれてくれればと思う次第である。

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