あだちあきこ

心と言葉の専門家:大阪在住。作家・執筆家・編集者/元・映画ライター・新聞整理編集/ チベット仏教 / チャネリングワーカー / 脳科学LOVER / 京都・母娘の西陣帯リメイクショップ「ゆうやけkaban」運営者。http://html.co.jp/adachiakiko33

宵待草の指先

久しぶりに実家に帰ったら、玄関先に見慣れない花が増えていた。

「初めて見た? これは宵待草(よいまちぐさ)だよ」

母の視線の先に、ピンクの愛らしい花が揺れていた。

これが宵待草・・・? あまりにも可愛らしくて、わたしは少しがっかりした。もっと色っぽい花だと思っていたからだ。

宵待草は夕方に咲き、夜の間中ひらいて明け方にしぼむ。一晩だけの花。

その咲き様を思うとき、真っ先に浮かぶのは彼のこ

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わたしは針。

星の流れる夜、淡いランプの光の下で。

 ときには明るい太陽の日差しのもとで。 

 それはゆっくりと紡がれてきた。



 いまは12歳のシンがわたしの主だ。



「シン、そうではない。もうひと色、ここに」


「……こう?」

 シンは黄色の糸を通し、麻の生地にそっと刺した。


「そう。それでいい」


 祖母のしわだらけの手が、そっと刺繍をなぞる。
 テントの中に、外を走り回

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【人生はチョコレートボックス。好きな味を好きなだけ】作家・執筆家モードを解除した、気楽な文章・あかるいこどもの部屋 https://note.mu/akaruikodomo をつくりました。編集者であり、西陣帯ショップ運営者であり、チャネリング通訳者の日々。合わせて楽しんでいただければ^^♡

愛なき世界を生きていく

人は何をもって愛というのだろう。

そんなの人それぞれだってことくらいわかってる。考えてはみたものの、雲をつかむようで何も浮かばない。
もう考えるのはよそう。わたしはさっくりと諦めた。
なのにそれ以来、やたら「愛」という言葉が目につくようになってしまった。

ふとつけたテレビの中で、韓国ドラマの王子と侍女が夜の宮殿に佇んでいる。
「わたしはそなたを愛している」
潤んだ瞳で王子が告げた。
美しい顔立

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裏切りに満ちた、よき人生

「これだけは一生しないだろう」と思っていることに限って、やってしまうのはなぜだろう。
正確には「ないだろう」と思っている時点で、すでに意識を向けているのかもしれない。
私の場合「やってはいけない」といった甘い禁忌感はなく、あるのは「そういうことを自分だけはしない」という根拠のないただの思い込みだ。

私にとってそれは「妻帯者とは付き合わない」「一度別れた男とは決してよりを戻さない」の2つだった。

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2018年12月26日の告白

わたしはありとあらゆる方法で、自分を傷めるのが得意でしょうがないという人生を歩んできた。
その一つに、嫌われたくない、愛されたいという強烈な欲望がある。
それは好きではない人にも愛されたいという、なんとも奇妙な矛盾と恐れ。
わたしは長い間、この気持ちを誰にも絶対に知られたくなかった。
この欲望をもっている自分を恥だと思ってきたし、正直に言うと、いまもほんの少しだけ思っていたりもする。そんな自分の見

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