見出し画像

本当に欲しいグルメサイトを妄想してみた

昨日、こんな記事(ぐるなび新社長、「口コミ機能を強化」メニューの評価も検討)をみました。長いこと業界に携わってきた人間として、正直、今更そこじゃないだろう感がありました。

(一方で、むしろこの先、あとあとに振り返ってみれば、この業界長い人ほど抵抗感ある戦略だからこそ、正しいのかもしれません‥それはそれで今後楽しみな部分です)

実は過去、自分はグルメサイトの会社に勤めていたときに、新しいグルメサイトを作れるチャンスをもらえました。

結局のところ、実現にはさまざまな障壁があり、道半ばで頓挫して、なんだかんだで私は今別の業界にいるのですが、我ながら、未だにあのときのコンセプトが悪くないんじゃなかったのではと思ってます。

そこで今回は、もうおそらく自分は携わることないので自由気ままに、また、もし誰かが実現してくれたらいいなという思いも含めて、ここに妄想を書いてみることにしました。

グルメサイトの変遷

グルメサイトが出来てきて、20年ちょっと。ホントにざっくり言うとこんな移りかわりがありました。

昔)ホームページ代わり →今)クチコミ、評価確認

詳しく知りたい方は、ちょっと前に頑張って振り返って書いたものがありますので、こちらを


グルメサイトビジネスの難しいところ 

ここがよく誤解されて結構皆カンタンに言うけど違うんだよという点です。それは

「ユーザーが多い=収益が上がる」ではないこと

食べログが上手いこと切り抜けてきたから、カンタンに「クチコミサイトにしたり、ユーザーファーストにした方が人気出るし収益上がるじゃん」と、よく誤解されるのですが違います。

*いくら人気サイトになっても、なかなかユーザーから収益あげにくい(有料会員化など)

*結局、飲食店からの集客目当ての宣伝料金が主な収益になる

*でも、人気店、繁盛店は宣伝必要ないから依頼しない

こういうメディアとしての立ち位置と広告との絶妙なバランスが必要なのです。また別の意味でクチコミサイトは難しいのです。

クチコミサイトの難しさ 

ぐるなびのような古参のグルメサイトは、店の広告だから店のいいことしか書いてないじゃんということへのアンチテーゼで出てきたのがクチコミサイトです。

事業としてもうまくいった「食べログ」前提にクチコミサイトいいじゃんと思うかもしれませんが、彼らは彼らで底知れぬ努力で、下記のようなさまざまな課題をクリアして成り立ってます。

*サクラが横行しやすい

*書き込みの指示や量でユーザーのパワーを調整すると、後発の人の意見は反映されにくく格差が出来る

*必要以上に力を得て、権力を悪用するユーザーが出てくることも

*批判的なクチコミは、事実と異なってたり、店とミスマッチ客が的外れな批判を書いてるケースが多数発生

*それらは飲食店にとっては、想像以上の営業妨害につながることも

*そして、書かれたクチコミに不満な店、クチコミの修正をサイトから指示されたユーザーとの不毛な戦いの調整が、それはそれはたいへん

*画一的な基準である点数という評価をつけると、どうしても、予算感、業態、ジャンルで不公平感が出る(点数アルゴリズム調整たいへん)

*一定の点数以上はいい、以下はダメなど、点数のみでユーザーは判断しがち

そして、いちばん大きいのは、クチコミサイトは、一方的な(そして、時には理不尽な)評価にさらされる飲食店から嫌われがちです。

少なくとも、自分はクチコミサイト大好きなんだよねという飲食店の方にはお会いしたことがありません。

一方でクチコミサイトが飲食店側に寄り添うほど、最初の成り立ちと相反し、今度はユーザーの離脱を生むジレンマがあります。

よほどチューニングうまくしないと、ただの悪口サイトと化すか、サクラコメントばかりになります。

参照


私が考える新しいグルメサイトのコンセプト「合う店探し」 

では、ここからが私が考える新しいグルメサイトについて書きます。

まず、先述の通り、ユーザーと飲食店、どうにかバランスを取り、どちらにも支持されるグルメサイトを作る必要があります。

そしてお店探しにおいて、結局、ユーザーが求めているのは「他人がいいと思う店」ではなく、「自分に合う店」であることに着目します。

ユーザーと店のマッチングを追求することで、飲食店も常連を獲得し、売上安定しやすいメリットがあります。

マッチング率が高いユーザーと飲食店の出会いを作ることで、ユーザーも店もハッピーにというのが考えたコンセプトです。

仕組み 

まず飲食店の掲載数を「全網羅型」か、ターゲットを絞った「選抜型」かにする判断が出てきます。私がいろいろ見てきた限り、グルメサイトとしてはやはり載っていないお店があるという時点で利便性が悪くなる点や、「合う店」人によってさまざまなので、50万店と言われる全国の飲食店が全て網羅されて掲載することにします。

そして、それらを自分に合う店にスクリーニングできる機能をつけたサイトを目指します。

ユーザー側の利用イメージ 

あらかじめ自分の好み(量、雰囲気(賑やかor静かな)、接客(元気orスマート)、味付け、好きなジャンル、苦手なジャンル、絶対行かない系の店など)を登録しておきます。

そして、検索する際に、今回の「シチュエーション」「場所」「予算」を設定すると、マッチング率が高い順に候補リストが表示されます。

とはいえ、最初のうちは合わない候補も出てきますので、それをスワイプでカンタンに候補から外せるようにします。外されたお店のデータから学習し、次回以降のマッチングの精度を高めていきます。

また食事後にレポートをかける機能をつけます。「写真」「料金」「雰囲気」「接客」などのお店のタイプと「混雑具合」や自分にマッチしたかを入力します。

これらのユーザーのレポートを多く集めることで、ユーザーと店のマッチングの精度アップ図ります。つまり評価軸は良い店どうかではなく、自分に合うかどうかのレポートになります。

ユーザーに食事レポートをたくさん書いてもらうためには、シンプルにボタン選択だけで店のタイプを投稿できるようにしたり、ログとして残るだけでく、行ったお店をコレクションしたり、自分の好きなお店の傾向を分析できたりします。

そして、マッチ、アンマッチのデータが蓄積され、さらなる自分のマッチングの精度に繋がることも動機付けになります。

さらにレポート数やレポートに対する他のユーザーからの支持に応じて、地域やその店への入店回数のランキングが出たり、地域や店に対してのメイヤーなどの称号が得られるようにします。

飲食店側の利用イメージ 

基本的には電話帳レベルで全店ページが作成されます。
お店は無料で自分の店はこういうタイプであると登録(量、雰囲気、味付け、接客など)でき、より自店とマッチするお客様を呼び込み、逆にアンマッチなお客様の来店防止が図れます。

有料メニュー としては、自分の店とマッチング率が高い人やお店の地域での飲食回数多い人、店の回数多い人のタイムラインに自店の特典や情報を流せる機能を提供します。この機能の利用料やここ経由での来店手数料をいただくイメージです。

また自店に来店回数多い人のファンを集めて交流できるグループページがつくれるようにします。

妄想終わり

いかがだったでしょうか?以上が自分の妄想するグルメサイトです。もし実現したら便利じゃないですか??(便利だと思うのは自分だけでしょうか・・・)

Googleがグルメサイトの機能をどんどん網羅してく中で、サイト独自の価値を提供してくのは難しくなって来ています。

とはいえ、できればユーザーだけでなく、飲食店にとってもプラスになるみんながハッピーになるグルメサイトを目指して頑張って欲しいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?