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保育士さんの大変さをサラリーマンで例えてみた

こんにちは、コドモンの足立です。私の勤める会社では子どもを取り巻く環境をテクノロジーでよくするというミッションを掲げ、幼稚園、保育園、こども園、学童、スクール、小学校の先生たちの毎日をサポートするICTソフト「CoDMON(コドモン)」を提供しています。

おかげさまで現在、約6万人の保育士・先生たちに日々コドモンを使っていただいてます。

今回は、なぜこどもを取り巻く環境を良くするために、まず私たちは先生たちの毎日のサポートをする必要があると思っているのか、理解をしていただくために、日々の保育士業務の大変さをサラリーマンであったら‥に例えてお伝えします

先日の #保育士さんありがとう ムーヴメントによって、保育士さん大変さ、凄さは改めて注目されましたが、一方で保育士さん自身がその業務の価値や凄さに気づいていないことも私には印象的でした。


私自身、日々の業務でたくさんの保育士さんと話させていただいたり、家族や職場に元保育士や保育士がいたり、ほんの少しだけですが保育士体験もしてみました。

こんな経緯から、一般の人より少しは保育現場のご苦労を理解をしているつもりなのですが、まだまだ本職の方に比べ、現場理解が足りない部分があるかと思いますので、その点はご了承ください。

では「保育士業務の大変さ」について1つずつご紹介していきます。

自分のペースで仕事できない

保育士さんは当然ながら業務のほとんどの時間を子どもたちと過ごします。それは元気な子どもがいる状態の家で仕事をする難しさを体験したことのある親ならば想像つくかもしれません。まったくもって、自分のペースで集中して業務することできません。

お子さんを持たない人でも、たくさんの部下や後輩たちから、業務中に引っ切り無しに不毛な質問され自分の仕事のペースを乱されることをイメージしていただければ、その大変さが想像つくかもしれません。

しかも、部下などであれば、「まず自分で考えて」と突き返すこともできるでしょうが、もちろん子どもたちに対してはそうはいきません。忍耐強く答え続け、子どもたちの理解を求めなくてはいけません。

まずは、この自分のペースでは仕事できないということがスタートラインです。(これだけでも大分しんどいですが‥)

常にリスクと隣り合わせという緊張感

お子さんをお持ちの方ならば「子どもの想像力の豊かさ」に良くも悪くも唸らせられたことがあるかと思います。子どもたちは予測不能です。こちらの想像力を超えた行動をとります。

自分の小さな頃のやんちゃな友だちも、鼻の前でハサミをチョキチョキさせていたら鼻を‥なんてことがありました。また私の娘はほんのすこし目を離した隙に虫除けスプレーを顔にかけてました。

幸いにして、どちらも大したことありませんでしたが、本人たちは、悪気なく、大人は決してしない「想像を超えてくる行動」をしてくるものです。

保育士さんは、大切な子どもをお預かりしているわけですから、子どもの安全を常にキープしなければなりません。園内はもちろん、散歩中や公園にも危険は潜んでいます。でも危険だからと何もさせないでは、保育になりません。

つまり、先ほどの自分のペースで仕事できない状態でかつ、不測の事態に備え、常に危険を先回りできるよう気を張り続けながら、業務をしなくてはならないのです。

あちこち勝手に触ってしまうような自由なお客様の集団に、細心の注意を払いながら、危険が潜んでる工場案内を毎日するイメージでしょうか。考えただけでも怖いですね。。。(笑)

常に最大限のカスタマイズが求められる

通常、業務といえば、型やルーティンにはめることで効率化を図り、生産性を高めることができるかと思います。

一方、当然といえば当然なのですが、保育の正解は1つではありません。子ども一人一人に個性があり、適した接し方は皆ちがうはずです。

ということで、タダでさえ業務に追われている上に、答えのない状態でいわば効率とは真逆のカスタマイズを求められるのです。

保育指針という大きな方向性を鑑みつつ、すばやくPDCAを回しながら、その子にあった調整をしていく必要があります。

私が体験した園でも、保育士さん同士で、この子にはこんな接し方がいいのではと熱い議論が展開されていました。

業務がアナログ対応で作業に忙殺される

いまの職場の自分のデスクから自分専用のPCがなくなったらどうでしょうか?  膨大な作業が発生することがカンタンに想像できるかと思います。

いままでの大変さのトドメにくるのが、これらの業務の苦労をこなしつつ、事務処理をアナログで行うということです。

昨今ようやく改善はされつつありますが、まだまだ多くの保育士さんたちはアナログに近い状況で、書類業務を行っています。 アナログ・手書きゆえのキレイな字になるよう丁寧に書く、誤字の修正や書き直し、書類間の書き写しや、集計などの手間が発生します。

これまで保育現場がアナログであった理由は、主に2つです。

1つは長らく保育の現場にデジタルデバイスは不要とされ、今でもオフィスでは当たり前の業務用のデバイス(PC、タブレット、スマホ)が現場に提供されていないこと。

また、私もそうですが多くの人は、職場において日々デバイス操作、入力することでPC操作スキルを取得する機会を得たと思いますが、その機会がまったくない保育現場どっぷりの方は(個人的に取得しない限り)デジタルツールの操作スキルに慣れ、身につけられる機会がなかった状態だったからです。

書類業務の他にも、保育室の飾りやイベントにつかうものなど、制作物はたくさんあります。

保育士待遇の改善が叫ばれる理由

いかがだったでしょうか? 他にも子どもを相手とする保育士ならではの大変さまだまだあると思います。

子を持つ親である私でも、到底真似できないプロの接し方に脱帽することも少なくありません記事もあります。しかし、そのようなプロとして業務に取り組み、キャリアがある保育士さんですら、他の職種と比べて驚くような給与水準であることも少なくありません。

これはそもそも「保育」というものが、一般的な商業的なものとは異なり、福祉であるために、その働きによって事業者の収益を高め、それを従業員の待遇に繋げて行くことが難しいことがあります。

一方で、そんな状況においても保育士さんたちはこれらの業務を日々皆さん笑顔でされています。自分たちの大変さより、未来をになう子どもたちにもっともっと良い保育をしたいという思いを優先されてお仕事されています。それは、福祉の精神で働かれている方が多いからだと思います。

私たちは今まで、そんな子どもたちを思ってこその保育士さんたちの献身性に甘え過ぎてしまっていたかもしれません。日々お会いしていると、笑顔の裏に人手不足による疲れが見える保育士さんも少なくありません。

この問題も少し認識され改善される方向性になってはきていますが、ギリギリな状況を打破すべく改善スピードを上げるべく、国に対し保育士の声をあげて行く必要がありますし、徐々にですがその声はあがって来てはいます。

▼保育士の現場の声を国会に届けようという動きも


個人的には、小さい子を持つ親として幼児教育・保育無償化はありがたいと思いつつも、その前に保育士の待遇を改善する必要があるのではと思っています。

保育士さんにゆとりを

私が保育士の皆さんの待遇改善に直接貢献することは難しいですが、業務負担を減らし、保育士さんたちがゆとりのある保育ができるようにするために貢献することはできると思っています。

保育士はせっかく子どもたちの人気職種であるのに、若い人が諦められてしまう現状があります。そこは待遇の面ももちろん、今回ご紹介した業務の負荷の高さも一因にあると思います。

自分でやらなくとも機械でもできるような事務作業・集計は機械に任せられるようにして、そして保育士さんは保育士さんでしかできない保育に専念できるようなゆとりを提供する。

こういった改善を重ねることで、より多くの優秀な人材が集まり、保育士不足を解消し、そして、それがそのまま子どもの保育の質を高めることに直結すると信じてます。

保育士さんをはじめとするこども施設の先生たちに、1日も早く、1施設でも多くコドモンを使っていただけるよう、私には努力せねばならないことが、まだまだありますので、頑張って行きたいと思います。


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