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トレタnowから見る20年近くかかった飲食店当日予約機能のハードル

またもや私の古巣のトレタから革新的なサービス「トレタnow」がリリースされました。

トレタnowとは、トレタの中村代表(この言い方、未だにめっちゃ違和感ある)の記事から引用すると

トレタnowは、僕が飲食店向け予約/顧客台帳サービス「トレタ」を作った当初から、いつかは絶対に実現したいと思っていた、究極のオンライン予約をカタチにしたものです。その特長を一言で表すなら「超直前予約」。「今」、空席があるお店だけを探し出し、その席を簡単に確保できるオンラインの予約サービスです。

とのことです。

つまり一言でいうと、「今空いていて入れるお店検索とそのお店の席抑えが同時にできるサービス」です。

こんな利用シーンに大活躍

これにより、仕事終わりに急に「なんかさ飲みたくなったな。今夜、仕事終わって飲みに行かない?」的な感じのときや、

一次会終わりの「次も行く人? ひぃ、ふぅ、みぃ‥8人ね。8人で入れるとこ探してきて」的な幹事、若手の飛び込み、電話作戦を駆使してたときなどの店探しがかなりスマートになります。

空席探し機能は、実はすでに20年前にあった‥

これを聞いて、「そうそう、自分もこういうサービスあるって考えたことあるんだよね」と思った皆さま、実はそれ、飲食店サイト運営側の人間なら誰しも、一度は考えたことあるのです(^^)

そんなアイデアとしては、目新しいものではないのに、なんでそんなに騒がれるの?と多くの人は感じるかもしれないと思い、書くことにしました。

まさに「祝え!真の意味での当日予約機能の爆誕である!」とも言うべき、

「トレタnow」の凄さは、そんな誰もが一度は思いつくサービスを、はじめて真の意味で実稼働させられる可能性に満ちているからです。

実は先程お伝えしたように、当日の予約や来店をしやすいようにお店の空き具合を伝えようとするサービスは以前からありました。

実は私がグルメサイトの会社で働いてたときも、そのサイトの立ち上がり時の謳い文句のひとつが「世界初 満空情報掲載」だったものです。

2000年の頃の話ですから、今から20年近くも前に、すでに今空いているお店検索は、試みはなされていたわけです。

20年近くも実現出来ていないわけ

ではなぜ20年近くも前にあるのに、未だに新サービスと言われているのでしょうか?

それは多くの当日の空席類似サービスは有名無実なサービス、つまりほとんど機能しなかったからです。

当日の空席検索(ましてやその席抑え)が機能しなかったのは、飲食店のオペレーションを無視しユーザー目線に偏っていたからです。

仕組みとしてはいたってシンプル。そのほとんどが、その機能を持つグルメサイトの集客のためだけに管理画面にて満空情報を更新するというものでした。

それではなぜダメか。忙しい店や忙しい時間帯に更新なんかしてられないからです。そして、そのタイミングこそ、ユーザーにとっては更新してくれないと信憑性なくなるタイミングなのです。

結果、空席となっていても満席だったり、空席なのはいつも人気ない店だったりと、ユーザーの魅力がない機能に→店側はより更新する動機がなくなるというスパイラルに陥るのです。

もちろん、満席デフォルトから、空席デフォルトにしてみたり、モバイルからや、電話の自動音声つかってパソコンレスで更新できるようにしたり、物理的なスイッチ作ろうかといろいろ検討しましたがダメでした。

トレタnowが唯一ハードルを越えられる可能性がある理由

当日の空席在庫の開放とその席抑えの実現には超えるべきハードルが大きく2つあります。

1つは、在庫管理ツールにて、当日のテーブルの埋まり具合を完全再現できていること。それはウォークイン(予約なし来店客)も含めてです。

そして、もうひとつは、その空席在庫情報を常に飲食店側が更新し続けるメリットがあること。

あえて在庫管理ツールと表現しましたが、これは予約台帳ツールそのものです。

そしてそれを完全に紙レスでかつ、当日のテーブルオペレーションまでに利用する域まで活用出来ていなくてはいけません。

これは限られたレセプショ二ストだけでなく、キーになるスタッフが全員使えてないとできません。

予約台帳サービスは数あれど、そのレベルのカンタンさ、また運用の落とし込みが出来ている予約台帳はそうはありません。

そんなことしなくても、媒体の集客パワーで店側に満空情報を強制的に更新させられる?? それは今までと同じ轍を踏むいつでも席が空いている店探し機能になるだけでしょう。

メディア側でなく、予約台帳サービスであるトレタこそがこの機能の真の価値を発揮できるキモは、お店がわざわざそのために在庫管理するのでなく、あくまで普段のオペレーションをしていたら、それが当日集客にもつながるからというところなのです。

とはいえ、トレタnowはこれから

今回、我が古巣ながら好感を持ったのは地域やユーザー数を限定してリリースしたことです。安易に広げないあたりに、これは真の実装を志す本気度が伝わってきます。

これから予約のしやすさ、空席在庫の出し具合など、店側、ユーザー側のメリットを鑑みながら、細かなチューニングが必要でしょう。

ぜひ20年越しの機能の真の意味の実装を実現して欲しいところです。

前回、トレタについて書いた記事
飲食店が知っておきたい Google予約とトレタ直結の革命的な意義

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