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【OCG+MD】新規を得た「烙印ビーステッド」を紐解いてみる。

今回は、自分用の整理を兼ね、これから使っていこうと思っている【烙印ビーステッド】の基礎理解、回し方などを、まとめてみようと思います。

展開方法などは、Twitterでルート動画をアップされている皆様のお知恵を大いにお借りしております。
ルートを覚えるだけでは応用が利かないため、もう少し抽象化して、

  • どういった相互作用でこのデッキは成立しているか

  • どういった状態を目指すことで盤面形成の再現性が上がるか

  • 烙印融合への妨害を意識してどう立ち回るべきか

などを、ある程度言語化できればゴールです。
では、いってみましょう!!


・1/20 :気炎に関するヤバい勘違いのリペア完了
・2/2:内容のアップデートを実施
・2/4:なぜか新カード一覧にいなかった真炎アルビオンの補足を追記
・4/5:新制限に関する記事へのリンクを追記
・6/8:マスターデュエル実装に伴って追記
・12/9:MDにCYAC組実装に伴いアップデート
・12/19:内容を大幅アップデート

基礎基本のところは別記事を立てました↓



【新規のスペックとデッキ案について】

■CYACで獲得した新規カード

カードの効果をご存じの方は、このセクションは飛ばしていただいて問題ありません。
重要度の高いものに絞って説明します。

《導きの聖女クエム》

CYAC新規のなかでも注目度の高いカードです。
①②とも、アルバス関連モンスターを強くサポートする効果になります。

召喚権を要しますが、①の効果で様々なカードに触ることができ、これ1枚からできることが非常に多いです。

また、場に維持することで、墓地からリソースを生み出すことができます。
相手のEX展開に合わせてアルバスの落胤を蘇生することで妨害にすることもできますし、場に置いた状態で融合すると展開用のリソースが増えていきます。
相手ターンに融合する手段を構えておくことで、かなりのアドバンテージを稼ぐことができます。

覚えておくべき点として、効果外テキストで「ドラグマ」「デスピア」カードとして扱うため、
・烙印開幕でリクルートできる
・赫の烙印でサルベージできる
・烙印追放で蘇生できる
・バスタード墓地効果でリクルートできる
・天底の使徒でサーチできる
という風に、様々なカードのサポートを受けることができます。


《赫聖の妖騎士》

デスピアネームを持つシンクロモンスターです。
グランギニョルから呼べるEXデスピアネームに、強力な選択肢が増えました。

ややクセは強いものの、効果無効札はこのデッキでは貴重であり、クエリティス、プロスケニオンと比較しても、先出しして有効な場面は多くありそうです。
リソースを作れる展開の要であるグランギニョルから、ポッと出てくるモンスターとしては、破格の性能を持つと言えるでしょう。

また、このカード自身も墓地効果でリソースを作ることができ、除去されても戦力を絶やさず粘ることができます。
後続を呼ぶ効果では、ドラグマ、白、赫、導きの各聖女をリクルート可能なほか、妖眼の相剣師も対象です。
妖眼が呼べることから、フルルドリスが正気を取り戻すのではないかと考察されましたが、直後にクエムが発表され、やっぱり厄ネタじゃないか!と盛り上がりました。


《真炎竜アルビオン》

ついに登場したアルエクの絆の結晶。尊い。

烙印融合から出力される融合体です。
烙印融合から1発でこれまでたどり着ける点が優秀で、Gをもらった際の止まりどころとして及第点以上のパワーを持ちます。
②でアルバスを蘇生するカードデザインですが、蘇生するモンスターは何でもよく、次ターンに投げたGに対する墓穴を、これをチェーンして回避することも可能です。

対象効果耐性をもつ3000打点であり、場持ちも想像以上によいです。
長期間居座りつつ、アルバスを蘇生して融合除去を繰り返したり、単純にミラジェイドを筆頭とした融合モンスター蘇生するのも強力です。
自分または相手の墓地だけから2枚蘇生も可能です。
単体性能が高い相手のモンスターを奪うことでの戦線強化も可能です。




【カードごとの触る先、触る元】

「烙印」「アルバス」というタグで括られたカード群同士で、非常に強いシナジーを形成するこのデッキは、各カードができることを把握したうえで、適切な択を取っていく必要があります。
まずは、各カードにできることを整理し、そこから展開の話へ入っていきます。


■導きの聖女クエム

墓地送りのため直接手に入りませんが、①で触れる範囲が非常に広いカードです。
ただし、基本的に1枚落とすだけでは強いアクションは起こらず、コンボ性が強いため、自分の手札、盤面と相談して、何を落とすかを適切に判断する必要があります。
器用ですが、デッキ理解、およびアドリブ力が試されるカードです。

②は失烙印のように、融合成功でアドバンテージを拡大する効果です。相手のEX展開でもよい点は覚えておいてよいでしょう。
盤面に維持すればするほど、リソースが伸びます。盤面に維持したうえで融合を繰り返すことで、リソースレースで相手を引き離す役割を持ちます。


◆クエムの効果①でなにを落とすか:

メインフェイズ中に出力する場合は烙印融合へのアクセス補助、エンドフェイズ中に出力する場合は追加リソース獲得が、クエムの役割になります。

メイン中であれば、断罪+烙印融合を墓地へ揃えることで烙印融合にアクセスする動きの一端を担うことができます。
この際、中継点として黒衣竜を落とすことで、手札のカルテシアをアクティブにできます。そのままクエムとカルテシアでグランギニョルになることで、黒衣竜とサロニールから烙印融合を入手できます。
ただし、召喚権を使うアクションであり、ここに無効をもらうと多くの場合非常に厳しくなります。

エンドフェイズの場合は、使わなかった断罪を落として烙印融合を回収したり、アルバスを落とすことで赫やリンドブルム墓地効果の布石にすることができます。
展開上の手札が不足する場合は、気炎を落とすことでコストを調達できます。


・黒衣竜アルビオン:
烙印魔法罠を墓地へ
→墓地でアルバスとなるため、手札のカルテシアがアクティブに
→落とした魔法罠は烙印断罪でのサルベージが可能
→失烙印を落とせば烙印の獣で場に置くことが可能

・メルクーリエ:
ビーステッドなどで除外することでアルバス関連モンスターをサーチ
→手札にカルテシアがある場合、黒衣竜サーチからアルバス落としでアクティブに

・カルテシア:
墓地に置きつつ、別のカードで融合できるなら、そのまま②で蘇生が可能
→相手ターンにミラジェイド+闇でスタぺリアを出し、クエムでミラジェイドを蘇生、が強力

・アルバス:
蘇生対象として。相手展開に反応して②で蘇生し、融合での妨害が可能
→赫の烙印の対象として、墓地にアルバスが欲しい場合
→手札のカルテシアがアクティブになる

・断罪:
墓地の烙印魔法罠をサルベージ
→カルテシア展開用に、墓地にアルバスが欲しい場合は、黒衣アルビオン優先
→あとで、サロニールや黒衣アルビオンでサルベージ先を落とす
→ハンドコストで切った烙印魔法罠を回収する

・烙印融合:
→断罪からの回収プラン

・気炎:
エンドにサルベージしハンドコストの補充が可能

・失烙印:
→ルベリオンで獣を置ければ、エンドに墓地から場に置ける
→そのまま赫でエンド中に融合すれば、追加サーチが可能


◆クエムの効果②で何を蘇生するか:

先攻1ターン目ではカルテシアを盤面に並べることを狙い、2ターン目以降ではミラジェイドの蘇生を狙うのが基本方針です。
また信頼度は高くないですが、アルバスを墓地へ置いておくことで、相手の展開に合わせて吊り上げて妨害が可能です。

・アルバス融合体:
ミラジェイドが狙い目。ミラジェイドを素材にした融合でトリガーすると、除外効果を2回使うことができる

・カルテシア:
さらに融合をおこない、展開を伸ばす。融合成功で②をトリガーできる
自力で融合するカードであり、融合したらアドが稼げるクエムとのかみ合わせは当然よい

・キット:
追加で烙印カードのサーチ、サルベージ、回収が可能

・アルバス :
直接盤面を削る妨害として。コストと相談
アルバスを墓地へ置くことでクエムが妨害として機能する

・メルクーリエ:
場から墓地へ送っても無効効果が使えるため、蘇生することで1妨害増える。戦闘破壊されやすいので、状況を見て必要であれば


◆クエムへのアクセス:

バスタードかルルワリリスによってリクルートするのが基本です。

・バスタード、ルルワリリス:
エンドフェイズのリクルート。クエムの運用は基本これ
→カルテシアと置けるなら、ミラジェイド素材蘇生コンボが狙える
→ルルワリリス除去されたあと、エンドフェイズに次ターンのリソースを作れる

・烙印開幕:
アルベルを素引きしている場合、または追加で烙印魔法罠を落とせそうな場合
→相手としては泡影ヴェーラーで止めたいのはアルベルで、開幕からのクエムはアルベル素引きを匂わせられる
→烙印融合にアクセスできる算段が立つなら、アルベルよりリソースは伸びるため、優先できるなら優先したい

・気炎:
→その他多くのモンスターと競合する
→召喚権なしで烙印融合にアクセスできる場合は最有力候補

・グランギニョル:
→追加融合が可能な場合、ないしはルルワリリスが妨害として機能しない場合

・クエリティス:
→アルバスが返し手としてシンプルに強く、そこと競合
→盤面処理より返しのリソースが欲しい場合。選択肢にあることは認識しておく

・烙印追放:
→デスピアネームのため対応
→融合まで決まればさらにアド


◆クエムの価値:

一応初動を担うことはできなくはないですが、本質的にはそこではなく、盤面に添えられることで、リソースと妨害を増やすことが仕事になります。

カルテシアの吊り上げ、アルバスやミラジェイドの吊り上げによって、リソース差を広げたり戦線強化を狙います。
意識して維持してデッキを回すことで、妨害数、リソースへの寄与度が非常に高いです。
そのような役割を持たせて運用することを意識したいですね。



■深淵の獣ルベリオン

アルバスギミックと並べて布陣することで、盤面強度を底上げできる、ビーステッドギミックの要です。


◆深淵ルベリオンへのアクセス:

・烙印融合:
→強力なリリースコストまで融通でき、最も強い

・おろかな埋葬:
→シンプル。リリースコストは別途必要
→様々な選択肢がある中で、あえてこれを選ぶ場面があるか
→基本サロニールを経由したほうがよいが、サロニールを別で使う場合は直接

・グランギニョル:
→①で墓地へ送れる
→こちらもサロニールを経由するかしないかを都度判断

・マグナムート:
→遅め。相手先攻でマグナムート使った場合など。次のターンのリソース
→自ターンに発動するなら基本別のビーステッドが優先

・サロニール:
→烙印魔法罠を落としたいことが多く、競合しがち
→烙印融合に妨害をもらった際のセカンドプランとして、場合により
→気炎でサロニールを切って黒衣竜サーチ→SSで、そのままルベリオン出力まで到達可能
→復烙印を採用する場合、蘇生先を無理なく用意できる


◆深淵ルベリオンの効果②で触る先:

・復烙印:

→環境を見て判断すべきカード
→デッキ内のビーステッドの濃度次第で価値が大きく変わる
→獲得できるリソース量はピカイチで、相手に処理を迫るカード

・烙印の獣:
→ほかの永続魔法罠が墓地へ落ちるなら、②でエンドフェイズに場へ置ける
→バックの妨害の要

失烙印:
→融合でさらに展開を伸ばす場合の候補
→後ろの妨害は薄くなる


◆深淵ルベリオンの価値:

失烙印の供給と、烙印の獣のコスト、および場の烙印アルビオンやバスタードを墓地へ送るギミックというところがこのカードの役割です。

深淵ルベリオンから失烙印を供給することで、展開が伸び、妨害力、貫通力が上がります。
失烙印は、クエム同様リソースを伸ばしたり、チェーン不可で無理やり盤面をこじ開けられる非常に強力なカードで、それを安定的に供給できることが、ルベリオンの重要な役割のひとつです。

また、烙印カードは後ろを触る力がさほど強くなく、烙印の獣によって扱いやすいフリーチェーンの1破壊を持てているかいないか、は妨害の柔軟性に大きな差をもたらします。
単純に、妨害が後ろへ散る点も高評価です。

また、烙印融合から出力した烙印アルビオン、バスタードは、意外と自力で墓地へ送る手段が乏しく、カルテシアで融合素材にするくらいしかできないのですが、ルベリオンがこれらの素材になりながら、SS時コストでそのまま墓地へ送る役割を果たしてくれます。



■赫焉竜グランギニョル

①で触ることができるカードが非常に多く、展開におけるワイルドカード的な使い方ができます。エルシャドール・ネフィリムに近い立ち位置ですね。
②で妨害の手数を増やせるのもありがたいです。
リソースメイクの要であり、烙印融合が止まった際のリカバーも、烙印融合を別軸での盤面形成もこなすことができます。
後述しますが、実質、1枚から3枚分くらいの仕事をします。

素材にサロニール、黒衣竜アルビオンを含む場合、追加で烙印魔法罠が落ちることは考慮しておくべきです。
最終地点、融合時に担わせる役割を明確にして、必要なカードを落としましょう。


◆グランギニョルの①で触る先:

・烙印アルビオン:
→烙印融合が止まった際に、エンドの烙印サーチからリカバーの動きが可能
→セットできるため、次ターンで使いたい速攻魔法・罠も候補な点もスプリンドとの違い。
→アルベル未使用であれば、烙印開幕サーチしハンドコスト払いつつ別の烙印+場にアルベルを用意可能

・バスタード:
→クエムのリクルートが可能
→クエムでアルバスを落として不完全ながら1妨害となり、グランギニョル②からのルルワリリスとあわせてコンパクトに2妨害作れる
→アルバス自体のサーチも可能
→エンドに追加融合できれば、盤面にカルテシアを追加できる

・ルルワリリス:
→グランギニョルから出したい候補なので、ピンの場合は優先度低い
→エンドにデッキからカルテシアを追加できる唯一のカードだが、グランギニョル成立の時点でカルテシアが墓地へ落ちているので、あえて引っ張る優先度低いか

・サロニール、黒衣アルビオン:
→烙印融合を拾う手数の足しになる
→烙印の獣で拾う永続魔法罠の追加も
→復烙印の蘇生対象になるのでサロニールのほうが勝手がいいが、アルビオンであればカルテシアのSSのトリガーになる

・深淵ルベリオン:
→場に闇上級ドラゴンが用意でき、無理やりビーステッドの盤面を作りたい場合
→烙印融合以外のアルバス関連カードからビーステッドにさわる唯一の手段

・リンドブルム:
→墓地にアルバスがいれば、妨害数を増やせる

・金雲獣 馬龍:
→カテゴリ外だが、グランギニョルを直接の妨害手段として活用できる


◆グランギニョルの価値:

展開上の足りない要素を概ね補うことができるワイルドカードです。
多くの場合、アルバス融合体を落としてアドバンテージを獲得するか、サロニールや黒衣竜経由で烙印魔法罠にさわりにいきます。

融合効果使用後も、壁、融合素材、後続のリクルートと、相手からしてみると非常に厄介なモンスターです。
特にリクルート効果の存在から、直接の破壊による除去が躊躇われる点は、鬱陶しいことこの上ないでしょう。



【展開の考え方】

■ゲームプラン

こちらのnoteの「烙印の勝利条件について」の欄が非常に端的で分かりやすいです。
烙印は、自分が死なないようにしながら、リソース差で相手を「圧し潰す」デッキであり、相手にとって分の悪い交換を押し付けたり、こちらだけ一方的にリソースを獲得し続けることで、実質的に相手を詰ませることを狙います。

よって、基本指針は「とにかくカードを増やす、リソースを獲得する」「獲得したリソースを戦力に変換できる状態を保ち続ける」と考えるとよいでしょう。

展開次第で制圧力の高い盤面を形成することもできますが、多くの場合2~3妨害を構えつつ、後続のリソースが切れないような展開を目指していく形がベターです。
盤面出力は上がるが、返されると後が続かなくなる、という状況は避けていくほうが、総合勝率は高くなるイメージです。


◼️目指す盤面

かなりアドリブ性が高いのですが、下記のようなチェックポイントを満たせるような展開を、手札と相談して考えていきます。


グランギニョルを成立させる:

もっとも分かりやすくアドバンテージを拡大する手段です。
グランギニョル自身がルルワリリスないしクエリティスに変身するので、これ自体が1妨害カウントでき、
・墓地へ落とすカードで1アド
・カルテシアの回収で1アド

と3枚分くらいの役割をしつつ、さらに融合素材としてカードを墓地へ落とせるので、様々なギミックをアクティブにできます。
・サロニールや黒衣竜を落として烙印魔法罠を落とす
・メルクーリエを落としてビーステッドで除外する
・悲劇のデスピアンのサーチ効果を起動する

etc

融合成立に必要なカルテシアは、
・通常召喚
・融合派兵
・墓地にアルバスを置いて自己SS

という形で出力します。
NS権を節約すると、手数を増やせるため、うまくSSで盤面に置く方法がないかを検討しましょう。

グランギニョル、カルテシアは、一度成立させ、ループさせることで、アドをガンガン稼げるデッキのメインエンジンです。
可能な限り触れるように意識することで、返しの3ターン目のリソース量が目に見えて異なってきます。


墓地にアルバスを維持する:

いいことがたくさんあります。
・リンドブルムを落とすことで妨害数が増える
・手札のカルテシアがアクティブになる
・赫の烙印がアクティブになる

特にリンドブルムでの妨害は、盤面を更地にされても機能する妨害で、EXモンスターを巻き込めればミラジェイドとあわせて2妨害になります。

一方、デッキのアルバスが枯れると烙印融合が機能しなくなるため、アルバスの場所の管理は慎重におこなう必要があります。
2枚採用として、常に、デッキに1、墓地に1いる状態が理想です。


失烙印、クエムを盤面に維持する+カルテシアを盤面に置いてターンを返す:

融合するとアドを稼げるカード+融合するカードのセットです。
相手ターンも含めてサーチ、蘇生を繰り返すことで、リソースの差をつけていきます。

クエムは、隣でカルテシアが融合することで、そのまま素材として墓地にいったカルテシアを釣り上げることができ、自然とこの状態を満たすことができます。
カルテシアに限らず、素材にしたモンスターが吊り上げ可能なため、たとえば効果使用後のミラジェイドを素材にドラゴスタペリア→ミラジェイド蘇生とすることで、爆発的に妨害数を増やすことができます。

失烙印は、烙印融合を素引きした際にアルベルでサーチしたり、深淵ルベリオンの効果で場に置く形で用意します。
リソース獲得を加速させるほか、チェーン不可の追加効果が非常に強力です。
烙印アルビオン、神炎ルベリオンなどを活用し、連鎖的に融合を通しつつ、あいだにガーディアンキマイラやフュリアスなどを挟み込むことで、チェーンさせずに確実に盤面処理をしたり、場を離れたときの効果を不発にしたりすることができます。
マイフレンド、ストリートの効果を発動させずにX体を処理するようなことも、チェーンの組み方次第で可能です。
失烙印環境下では、融合をおこなう効果を必ずチェーン1で発動するよう癖付けることをおすすめします。


ビーステッドギミックを置く:

ミニマムでは深淵ルベリオン+烙印の獣での1破壊です。
復烙印は、ビーステッドの濃度によって有用性が変わるカードですが、
・マグナムートの連続蘇生でドラゴンを集める
・グランギニョルの変身効果のあとに追加で1ドロー
・赫や烙印アルビオンで除外してしまったアルバスをデッキに回収

など、噛み合ってこれば、放置するとゲームを終わらせる影響力を発揮することができます。
一方、コンボ性が強いギミックパーツであり、単独では何も起こらない点は注意が必要です。これで勝てるゲームは、これがなくても勝てるゲームである、とも言えます。
ここまで挙げたギミックと比較すると、優先度は一段下がります。

特筆すべき点として、ミラーにおいて非常にいやらしい効果を発揮します。
・ギミック上、光闇を除外することが多く、貼った側がアドを稼ぎやすい
・烙印アルビオンで除外した素材をデッキに戻すので、烙印アルビオン→神炎ルベリオン→ミラジェイドの流れを阻害できる
・相手の復烙印のドロー効果を相殺できる(ターンプレイヤーの効果発動にを非ターンプレイヤーが被せられるので、お互いに発動できなくなる)

ビーステッド自体もミラーに強いギミックであるため、ミラーが頻発する環境においては、厚めに採用、検討してよいギミックだと思います。


ミラジェイドを置く:

烙印と言えば、というモンスターですが、先攻で盤面に置く優先度はさほど高くないのでは、と考えています。

先に置くことで、
・泡影などで無力化させられるリスクが高まる
・全体破壊で処理されたり、三戦で奪われたりする
・フェンリルなどに撃たされる

というリスクがあります。墓地リンド+アルバスや赫から必要なタイミングで出せるか、クエムで再度アクティブにできる算段を立てたうえで出力するのが理想です。

なお、ミラジェイド2枚採用で、墓地にアルバスを置けるのであれば、1体目で墓地にリンドブルムを落とせるので、そこからアクティブな2体目が出てきます。
ハイスペックなモンスターですが、耐性はないので、クエムでの蘇生によるアクティブ化も含めて、処理された場合の2体目を用意できるように意識して立ち回るのが重要です。



■烙印融合へのアクセス

烙印融合にアクセスできると、上記のポイントのうち、満たせるものが多くなっていきます。

烙印融合へのルートは大きく2つに分かれます。

・アルベル、キットによる直接サーチ:
シンプルに直接サーチをおこないます。
サーチャーたちは基本的にサーチ以外で仕事をしないため、泡影、ヴェーラー等のケアはできるか(あるいは、どうやっても不可なので割り切る判断をするか)は常に考える必要があります。

・烙印断罪とともに墓地へ落とす:
サロニール、黒衣アルビオン、クエムのうち2つを通すことで、墓地に烙印融合と烙印断罪を揃え、サルベージによって回収します。
サロニール、黒衣アルビオンは墓地へ落とすことで烙印魔法罠を墓地へ送ることができます。
墓地へ送る手段として、アルバス融合体を落としてアドを稼げることも相まって、気炎との相性が良好です。
さらにその気炎からクエムないしカルテシアのサーチが可能なため、召喚権を食いますが、サロニールか黒衣アルビオン+気炎のセットで烙印融合へのアクセスができます。


烙印融合を入手する際、個人的な所感ですが、できるだけ遠回りしながら回収orサーチに向かうようにすると、烙印融合へのうららを重くもらいづらいです。
具体的には、烙印融合を撃つ前に、できるだけカテゴリカードを場や墓地に増やすことを意識します。

たとえば、以下のハンドであった場合、
・サロニール
・烙印開幕
・アルバス
・うらら
・失烙印

開幕からアルベルSS→烙印融合サーチとすると最も早いですが、そこからの烙印融合にうららをもらった場合、アルベル棒立ちエンドになります。
ここで、下記のように回していくことで、最初に述べたチェックポイントを多く満たすことができるようになります。

開幕ef:アルバス捨ててクエムss
クエムef:メルクーリエ墓地へ
サロニールef:メルクーリエ除外しss
メルクーリエef:カルテシアサーチ
カルテシアef:墓地にアルバスいるので自己ss
カルテシアef:サロニールと融合しグランギニョル
グランギニョルef:黒衣竜を落とす
サロニールef:断罪を落とす
クエムef:カルテシアを蘇生
黒衣竜ef:烙印融合を落とす
断罪ef:烙印融合をサルベージ

→クエム、カルテシア、グランギニョル
→墓地にアルバス

基本的に、烙印相手にうららは烙印融合まで待たれるため、その前の展開においてはサーチ、墓地肥やしは基本的に通ることが多いです。
また、召喚権を使わない展開も、ガメていたアルベルns→烙印融合のうら目を想定し、誘発の妨害が少ない場合は撃たれないことが多いです。
これをちらつかせつつ、烙印融合の発動前にできるだけリソースを稼ぐことで、烙印融合が通らずとも、手札によっては、返しのターンにリソースで相手を圧し潰せる盤面を築くことができます。



■烙印融合1枚からできること

結局のところ、このデッキ最強のパワーカードであり、「目指す盤面」の項で述べたような要素を1枚で多数成立できるのが、このデッキの烙印融合です。
それ以外の手札で整えることができた要素に追加して、烙印融合で何を実現するのか、をイメージして、融合先をチョイスしましょう。


深淵ルベリオン→烙印アルビオンorバスタード:

融合したアルビオンorバスタードをコストにルベリオンを蘇生でき、ルベリオンで置く烙印魔法罠+墓地のアルビオンorバスタードの誘発効果でさらにリソースを獲得できます。
この展開だと、失烙印を盤面に置けるため、その後追加で融合ができればさらにリソースが伸びていきます。
カルテシアが追加で出力できる場合に有用な展開です。

アルビオンを選択した場合、追加で融合することができますが、素材が除外される点と、墓地からアルバスが消える点は注意が必要です。
融合効果を破棄し、墓地にアルバスを残すと、手札のカルテシアがアクティブになります。


メルクーリエ→リンドブルム:

リンドブルムが単独で妨害になるほか、リンドブルムを墓地に送ることで、墓地のアルバスを妨害にできます。
この展開は、手札にビーステッドを抱えている場合に有用になります。
ビーステッドでメルクーリエを除外→カルテシアをサーチすることで、そのまま手札からSS→ビーステッドとリンドブルムでドラゴスタペリアを出しつつ、墓地起点の妨害の準備を整えることができます。


カルテシア→真炎アルビオン:

烙印融合にGをもらった場合の妥協点です。
アルビオンからアルバスを蘇生して除去しつつ、相手次第ではそのままミラジェイドを出力し2妨害とすることができます。
1ドローでの止まりどころとしては非常に質が高いです。


悲劇のデスピアン→神炎ルベリオン:

素引きなど、召喚権を残して烙印融合にアクセスできた場合の選択肢です。
手札を1枚コストにしながらミラジェイドを出し、アルベルかクエムをサーチします。
手札にカルテシアがあれば、クエムサーチ→NSとしてアルバスを落とすことでアクティブにでき、
・ミラジェイドによる1除去
・ミラジェイド+カルテシアでの融合に誘発してクエムでミラジェイド蘇生し+1除去
・ミラジェイドのコストのリンドブルムでアルバス蘇生で+1除去
・グランギニョル+ミラジェイド2のコストでリソース獲得

のような流れを作れます。
また、墓地に置いた悲劇は、次のターン烙印融合の回収もおこなうことができ、返しの手数も確保しやすいです。


ヴェルテアナコンダ→ミラジェイド:

マスターデュエルでのみ可能な裏ルートです。
融合縛りを付けずにモンスターが2体並んだ場合に、ヴェルテアナコンダ効果で、自身を素材としながらミラジェイドを着地させられます。
墓地にアルバスを置いたままの展開であることから、ミラジェイドの除去のコストをリンドブルムにすることで、さらに追加妨害をおこなえる、単純ながら質の高い盤面になります。
【ラクシャビス】や【烙印ラビュリンス】は、これを軸のひとつとしたデッキです。

【烙印ビーステッド】の場合はそこまで積極的に狙う展開ではない認識ですが、烙印融合までガメたうららの打ちどころを失わせたまま盤面形成ができたり、手札の質の低さを無理やり解消したりと、利便性は高いです。



■召喚権の切り方

主に競合するのはアルベル(キット)とクエム、カルテシアです。
アルベルとクエムは、いずれも通常召喚以外でメインフェイズ中に出力する手段に乏しく、手札に2枚抱えた場合はいずれかが死に札になる可能性が高いです。

このデッキで召喚権を切った際に、最も無駄になりにくいのは、カルテシアです。
返しのターンでもグランギニョルになることができ、ルルワリリスによる妨害と、アルバス融合体を落とすことによる次のリソースの確保が可能です。
また、カルテシアが直接止まるのは泡影くらいのもので、グランギニョルにうららをもらっても、グランギニョル自体が(制限付きではあるが)妨害として機能する点が優秀です。総じて、誘発受け性能が非常に高いです。
ハンドにアルバスか派兵を引けていれば、真炎アルビオンになることで、さらに確度高い妨害が可能です。

一方で、墓地にアルバスさえいればカルテシアはアクティブになるので、場か墓地にアルバスを用意できる場合は別のカードに召喚権を充てることができます。
これができるかどうかで、手札の出力が変わってくるため、できるだけ自己ssさせるように意識して立ち回りたいところです。

アルベル、クエムを通常召喚する場合、、
・融合派兵からカルテシアをリクルートし、泡影ヴェーラーをケアしつつグランギニョルへ
・ドラゴン(orメルクーリエ)+気炎でキットをサーチし、アルバス融合体を落としてそのままキットSS
が候補になり、特に派兵からのグランギニョルがやはり強力です。
派兵カルテシアは、NSの前に先置きしておくことで、泡影を避けることができます。
クエムの場合でも、できれば盤面に残したいですが、先に派兵を撃つことでクエムへの泡影をけん制できます。


【後攻捲りのアクション】

烙印融合を通せれば捲りに一気に近づくため、烙印融合を通すまでの露払いをどう進めるか、という計算ができるならベストです。

コンボ性が強いデッキであるため、通すとヤバイ、単独で強いカードが少なく、出力するだけで妨害を踏み抜けるカードに乏しいため、パーミッション系のカードが多い場合には厳しい戦いとなります。
一方で、烙印融合以外のマストカウンターがわかりづらく、うまく手を進めることで捲りを仕掛けることができます。


◆アルバスの落胤

相手の場にモンスターが存在するため、アルバスの落胤が捲り札になります。
素引きはもちろん、融合派兵からのリクルートにも対応しています。
ハンドコストが重い点は注意が必要ですが、妨害を踏む力は非常に強いです。
無効になったとしても、手札のカルテシアをアクティブにすることができ、手数が一つ増えます。


◆深淵ルベリオン、ドルイドヴルム

深淵ルベリオン1枚からプレッシャーをかけることができます。
相手の墓地に光闇がいなくても、深淵ルベリオンを除外して出力→自爆特攻などで盤面を削ることができ、相手墓地に光闇があれば、深淵ルベリオン蘇生からドルイドヴルムの除去、ルベリオンからの烙印の獣で除去、と1枚から2手を撃つことができます。
ドルイドヴルムを採用するか、は環境により絶妙なところですが、シンプルに深淵ルべリオンだけでも1除去を撃ちつつ、追加のリソースを獲得できます。


◆リンドブルム

烙印融合が通ったうえで、ですが、意識外からエクストラモンスター1体分+αに蓋をすることができます。
除去された場合でも、さらに返しのターンの開幕にアルバス墓地蘇生or自己蘇生が可能で、リンドブルム自体の手数は見た目より多いです。


◆失烙印

発動無効系の相手に対する最適解です。
通れば強引に捲りにいけますし、ここに発動無効を1つ使わせることができます。
融合着地時にチェーン不可になることを利用し、ミラジェイドの除去を着地時のチェーンブロックで撃つことで、そのまま相手の盤面を荒らすことができます。


◆ガーディアンキマイラ

融合デッキの捲りの特攻隊長です。
基本的な構築であれば、主に赫から出力することになります。
赫をアクティブにできるよう、デスピアかアルバスを墓地に置くことを意識しましょう。
派兵で1妨害踏んだアルバスで、という流れがきれいです。



【優位性と弱点】

■優位性

・妨害とリソースが前後および墓地に分かれる
アルバスギミックは前、深淵ギミックは後ろ、真炎アルビオンと墓地リンドブルムは墓地で妨害を構えるため、カード1枚で瓦解することが少ないです。

・盤面処理能力に優れる
ミラジェイド、烙印の獣、ガーディアンキマイラ、ヴァレルロードFドラゴンなど、盤面に触る手段が多く、かつ多段的に構えることができます。

・リソース回復力に優れる
気炎、カルテシアの自己サルベージに加え、ミラジェイドは除去を撃てば撃つほどリソースが溜まりますし、グランギニョルは、グランギニョル→ルルワリリス→クエム、と3段構えで戦力を継続的に供給できます。
クエムの隣で融合すればするほどリソースがたまり、さらに融合しやすくなります。
じゃぶじゃぶ増やしたハンドで相手の中途半端な盤面を蹴散らし、幸田店の連続攻撃で削り切ります。

・ビーステッドをメインで無理なく扱える
環境に大きく左右される強みですが、【斬機】に対してはビーステッドが非常に強力に作用します。
メタ札として積むには勇気がいりますが、このデッキだとメインギミックの一部であるため、ついでに対策をすることができます。


■弱点

・パーミッション効果が少ない
特に魔法罠を止める術はほぼ皆無。サイド戦で飛んでくるであろう強烈な魔法罠は、神の宣告などでの対策が必要です。
モンスター効果は、ルルワリリス、リンドブルムがおり、一定の量を構えることは可能ですが、意識しなければ複数並ぶことはまずありません。
なお、拮抗勝負は、真炎竜アルビオンや、分かつ烙印が対策として非常に有効です。

・烙印融合への依存度
様々な方法でリカバーを狙えるものの、結局のところ、烙印融合がないと始まらない手札であることも多く、うらら1枚で詰む可能性は常に付きまといます。
複数のいやなカードをちらつかせて打ちどころを誤らせる、ということは難しく、相手のうららはほぼ確実に仕事をします。

・コンボ性が強い
コンボを前提に盤面を組み立てるため、2枚のカードの組み合わせによりギミックの出力に差が出やすいです。
また、展開手段が非常に多岐にわたる分、単純に最適解がわかりづらく、選択を誤りがちである、というのも弱みの一つです。

・墓地利用阻害に弱い
墓穴はもちろん、ムドラケルドウ、DDクロウに弱いのは痛いところ。アトラクター、アライズハートも直撃します。
そしてこちらも使っておきながらですが、ビーステッドにも非常に弱いです。
特にアトラクターを無理なく使えるデッキがいる環境では、常に1枚でプランが瓦解するリスクを抱え続けることになります。



【おわりに】

OCG、MDと烙印ビーステッドを触り、理解を深める中で、DCでは自分としては最高の成績を残すことができました(トップ層を考えればごく凡庸な実績ではありますが……)

当初思っていた烙印ビーステッドの回し方から、実践を重ねたり、有識者の思考を取り入れる中でアップデートがかかり、自分の中でより粘り強く、よりパワフルな回し方ができるようになってきたな、と、最近やっと実感できるようになってきました。
とはいえまだまだ考えなければならないことは多く、ここに書いてあることもいつか正解ではないと気付くこともあると思います。

引き続きこのデッキと向き合いながら、よりよい戦法を見出していければと思います。


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