LA LA LAND でアカデミー賞をとった ソングライティングチーム　Pasek and Paul の処女作。ミシガン大学在学中 19歳で 書いた歌集と言えばいいのか。
青年期から成人になるその狭間の感情を歌で綴る。

学内での評判が、あちこちの大学に飛び火し、そののち 本格的に劇場にもかかるようになったらしい。

本邦での上演は二回目なのかな？　ダンスの世界や　ミュージカル畑方面から集まっての公演。Aぇ! group の リチャ経由で知り 2回見た🎶

Song Cycle という形式は オペラのアリア・アラカルトみたいな感じ。
段差をつけて直方体が組み合わされた舞台の向こうに　衣装ラックがある。
背面にはいくつものモニタースクリーン
白の上下で出てきた演者が　曲目ごとにそれぞれの羽織ものを着て、時にはハンディカメラも使って、シンプルな舞台を鮮やかに染めていく。

今回上演された曲は　
Transition, Become, Caitlyn and Haley, Boy with Dreams, Lying There
In Short, Be My Friend, I hmmm You, I Once Knew, I've Gotta Run,
Man of My Dreams, Part of A Painting, Ready To Be Loved, Coasting

SNS(facebook)の黎明期を楽しげに歌った Be My Friend や　いっとき流行り文句だった "いいオトコはみんなゲイ”を思い出させる Man of My Dreams は 2005年という時代とのギャップも少し感じさせるが、他は　概ね普遍的な内容だろう。
もともとは男女のチームで歌ったらしい I hmmm You を男声3人で編成したり、女声で演じられることが多いらしい  In Short を男声が演じたり、という演出は エッジが効いていて楽しい。時代の edges ?

訳詞も日米の彼我を意識してされたようで、難しい部分が多々あったろう。途中で演出や歌詞も調整した？　(変更点があったような気が..)

Caitlyn and Haleyは オリジナルでは たぶん 11,2 歳くらいの妹と 15,6歳の姉がモチーフだろうが、訳詞版は中学生と大学生くらいの設定に聴こえた。
この歌 仲の良い姉妹の成長期の齟齬 --- 傍から見たらささいな　でも本人たちには大問題な --- を歌っていて 懐かしいような歯がゆいような なんともいえない気持ちにさせてくれて、なぜか泣ける。
日本では　兄弟の葛藤はよくモチーフにされるが、姉妹のって…少ない上に容姿の美醜・モテ/非モテが題材にされがちじゃないかな？

Coastingの   compliment が散りばめられたパートは 実に米国的、あの上っ面な感じが めいっぱい伝わってきてスゴ！って思ったけど、もしかして日本も ああいう感じの ソサエティってあるのだろうか？あるのかもね….

訳詞を担当されたのは　福田響志さんという　とても若い方。
一昨年？に見た PIPINの訳も 彼の手によるもので 素晴らしかった。
日米のカルチャーを踏まえての訳詞。米国固有のダークな？部分はあえて削ってわかりやすくしていたように思う。

演者は　振り付けも担当した屋良朝幸さん　植木 豪さん　
ミュージカルから　成河さん　豊原江理佳さん　ダンドイ舞莉花さん
そして　屋良さんに呼ばれた　リチャくん

ミュージカル勢の歌は よく通る声質に加えてダイナミズムが大きくパワフル、さすがでありました！
屋良さん　植木さんも もちろん達者。
そして　リチャくんが呼ばれたのは道理🎶　彼の 柔らかく深く響く低音はアンサンブルを　ぐっと分厚くしてくれる。安心と信頼と温もりの　支えてくれる声　なかなかないよね！　特に２度目に聴いた公演では 初回よりも喉が開いた感じで、実に豊かな響きで包んでくれた。
そして その声のまま ソロで高い音域も歌い切る　Boy with Dreams
ふわふわの髪型もあいまって　夢見る少年でした🎶

その6人のアンサンブル
最後の　６重唱の響き 永遠にとっておきたい！！！

誰かが歌い、誰かが踊る箇所も多く　ダンスも見所たっぷりだったんでしょうけれど、ごめん、ダンスよくわからないの。
ただただ素敵でした、としか👏👏👏

歌詞に集中したくて、手拍子も小さめにしかできなかったけれど…
いい歌でした。
歌い継がれる歌。
中高大学生が気軽に見られて、自分たちもやりたい！って挑戦できるような…… そんなのが理想。
自分を大事にしたまま、強く優しい大人になって………..

https://www.stagegate.jp/stagegate/performance/2022/edges_2022/

https://www.oricon.co.jp/news/2232864/photo/3/

Apr.30 1F I
May 5 2F A  <<< 2階席 なぜか小刻みに揺れ続けてこわかった.......