Loserville ~ ルーザーヴィル

イギリス発のハイスクールものミュージカル。
ウィキペディアによると Son of Dork というイギリスのパンクバンドの 2005年のアルバム "Welcome to Loserville" をベースにして Youth Music Theatre UK という団体 (?)が作った 2009年初演の作品。

まずは 新橋演舞場 鑑賞状況など。
65分&60分の二幕構成 幕間30分。
自席で食事をとることができ、お弁当も多数販売されていました。
開演5分前までは 写真撮影可能。
3階中央あたりでの鑑賞、花道はほとんど使われず無問題。
空席もそこそこあって、リピーターチケット売ってた。
ステッカーが貰えるらしい。

イギリス作品だが、場所は米国 衣装の色や雰囲気から 西海岸だけどショボそうな街を想像する。 シリコンバレーになる前のサンノゼ、とか?
時代は 1971年。
スタートレックがファミリードラマとして人気を博していたころ。
パソコン以前、コンピューターは特別な職業の人が扱うものだったころ。
舞台になった高校にはコンピューター室があるのだが、そんな高校あったのかなぁ?あったとしても相当ハイレベルな学校でしょう。

舞台はネオンカラーが華やかなポップなセットで セット変換はなく 車輪付きの椅子など移動する道具が駆使される。
LEDスクリーンの後ろにバンド。ギター・ベース・ドラムに キーボードが2人。スクリーンが上がってバンドが見える状態での演奏も多いし、ギター・ベース・ショルダーkbd. が前に出てくることも。
アクティブなバンドでした。

演者は  
ヲタクチームが 井上瑞稀 本髙克樹を含む4人。
スクールカースト上位者の 男子3人 ツレの女子3人。
そこに 宇宙飛行士になりたい優秀な転校生女子が 加わる。 
アンサンブルが男女4人ずつ

以下 あらすじを
主役は geek=ガリ勉という含みもある ヲタクたちで、コンピューター間の通信の幕開けがモチーフになっている。

マイケル(井上)はコンピューターヲタクで  コンピューター通信のプログラムを自力で作ろうとしている。
友達のルーカス(本髙)はSF小説家になりたがっていて 彼の台詞には 後のスターウォーズ(1977年)モチーフがちりばめられている。ジョージ・ルーカスオマージュですね。彼らと仲良しのふたりは ヲタクとしてはメジャーなスタートレック ヲタ=トレッキーズ。

街の最大企業アーチ社の御曹司エディーは なぜかマイケルが嫌いでイジメてる。兄ちゃんたちみたいに 高校出たら父ちゃんの会社に役員ポストで入れると思ってるんだけど、お勉強できないんです。
米ハイスクールもののカースト上位者のステレオタイプだね。
「金持ちの息子 ルックスはいい でもアホ」
エディーの彼女や その取り巻きちゃんたちはもちろんチアリーダーで 可愛くて学校の華。女子はアホなようで 案外アホではない。

マイケルがバイト先(アーチ社で掃除のバイトをしている)でヤラカしてコンピューター室出禁になったタイミングで、ホリーが転校してくる。
宇宙飛行士になりたい彼女は おしゃれや 男の子には興味ないけど、めっちゃ成績優秀。なのにアーチ社の奨学金には落選、秘書職を勧められる。
そういう時代だったんだよね。女性はお茶汲み、的な? 1970s
そのホリーが当時じゃ男子でも珍しいプログラミングわかる人材!
女子とは口きいたことすらないマイケルだけど、どうしてもプログラム作業したくてホリーに頼む。 遠隔操作はトランシーバーで!

でね、話の通じるホリーのことを マイケルもルーカスも好きになっちゃって、マイケルが告ることになって、プラネタリウムデート。頭のいい女を落とすにはうってつけ、結果マイケルとホリーはラブラブになっちゃう。
しょうがないよね。
恋は ひとり対ひとり 1対1 でするものだもの。
ルーカスはわかってる。わかってるんだけれど、その寂しさにエディーが付け入ってくる。

エディ、本人は金持ちとルックスの良さを鼻にかけたアホだけど、お父さまはそんなにアホじゃなかった。 出来が悪い息子には自社のポストを用意することはせず、軍隊に行けと命じたんだ。
兄たちみたいに、父さんがサクッと重役ポストを用意してくれるとタカをくくっていたエディは 錯乱する。錯乱して、ルーカスに「お前が書いてる小説を出版してやる」と偽取引をもちかけ、まんまとマイケルのパスワードを聞き出す。
次はホリーだ。
奨学金をエサに、マイケルと分かれてオレと付き合えと迫り、マイケルがあと一歩で完成させようとしているプログラムを盗み出させ最後の仕上げをさせようとする。
「ボクが作った」ことにしてお父様にアピールしようとしたのさ。

ホリーは追い詰められる。
ここで断っても、ひどい仕打ちをされるだけ…..どうすればこの状況を自分のカードに変換できる???

ホリーは賢かった。
一計を案じ、自分の心に鞭打って、エディの懐に飛び込むんだ。
相方に選ぶならかわいコちゃんより賢い女!なんたる計略、なんたる度胸!マイケルはハートブレイク、もう何もかも失ってしまった….

と思いきや。
ホリーは、通信プログラムの最後のピースを見つけ出し、エディのプログラム完成のプレゼンに間に合わせる。
エディの晴れの日。
まさにその瞬間が訪れようとした直前に、プレゼン会場のコンピューターにマイケルからメッセージが届く。
そう、プログラムを作ったのはエディなんかじゃない、マイケルだよって、大衆監視のもとで、初のコンピューター間通信が 行われるのでした。
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とまぁ、だいたいこんなお話。
ほぼ全部の場面でバンドがしっかり見えてる演出は大好きだった。
バンドって、演奏してるだけで画二なるよね。

女声陣、ハイスクールものなので若手ばかりなのかな?でも、何の問題もなく、ポップでハイで楽しかった!
男声陣、ジャニーズのふたりは ヲタクっぽい おどおどした控えめな感じや、好きなものを好きなだけ愛する可愛らしさがぴったり。
無理のない可愛げたっぷりな芝居でした。


https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/202303_loserville_enbujo/

Mar.9 新橋演舞場 3F


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