adams fragrance family

ワークショップデザイナー・フレグランスデザイナー。心のハナレ、大人の自己変容、美しい化…

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ワークショップデザイナー・フレグランスデザイナー。心のハナレ、大人の自己変容、美しい化学反応をテーマにadams fragrance family主宰。「貴方のスキと貴方のモデレート」創香/「もう一人の素敵な自分発見」名香水モニタリング/「香るあり方」歴史に学ぶサロン秀麗凛華/

マガジン

  • adamsfragrancefamilyのサロンについて

    心のハナレ、大人の自己変容、美しい化学反応。adams fragrance familyについてのNOTEです。サロンで大切にしている「ときめく会話」「目から鱗の刺激」「おだやかな風」「エレガントな尊重」のことなど、折々につづっています。

  • 星座・干支と香水について

    星座や干支と香水を関連付けたNOTEです。

  • 香りの歴史、人物と香りの物語

    歴史に名を残す人物たちと香りの物語

  • 週刊お題note

    • 25本

    みんなでお題を出し合い、週1ペースで書いてみようという試みです! ☆毎週日曜にお題を発表、土曜締め切り。 ☆2000字以内(目安) ☆noteへの投稿であれば表現方法はなんでもOK! ☆#週刊お題noteと#(その週のお題)のハッシュタグを付けてね。Twitterでもシェアしてくれるとなお嬉しい。 ☆誰でも参加可能。お題はオンラインサロン「コルクラボ」のメンバーで考えてます。 ☆できない週があっても自分を責めないこと!

最近の記事

神秘 4月16日〜365日の香水

神業から世の謎へ 神秘を意味するミステリーという言葉は、人智を超えた聖性を感じる事象や儀式に使われていた。 神秘と訳される通り神の領域の秘儀であり秘技だったのかもしれない。 多分に宗教色の濃かったこの言葉に「謎めいた」というニュアンスが投影されるようになったのには、18世紀のゴシック小説の“貢献”があるという。 フランケンシュタインやドラキュラなどだ。 超自然的で不可解な要素をこれらの物語は孕んでいた。その観点で言えばアーサー王の物語もそうだと言える。19世紀にエドガー・アラ

    • ダリアとブドウ 4月15日〜365日の香水

      ジョゼフィーヌとダリア ナポレオンの最初の妻であったジョゼフィーヌ。離婚後パリ郊外のマルメゾンに蟄居し、マルメゾン庭園でたくさんの植物を栽培した。 ジョゼフィーヌといえば薔薇だけれど、同じくらいダリアを愛しんでいた。 ダリアがメキシコからスペイン経由でフランスにもたらされたのが18世紀ということなので、まだまだ希少で珍しい花であったようだ。 なぜかジョゼフィーヌは、自分が愛でるばかりで、ダリアの球根を人に譲ることを頑なにしなかったという。 ところが、ある知人女性がジョゼフィー

      • 皇帝のヴァイオレット 4月14日〜365日の香水

        ブルボン王朝 オリザ・ルイ・ルグランが復刻したニュースを知って、パリのサンジェルマンデプレの店を訪れた。 音声配信でも最初にこのブランドの香水を紹介し、訪れた時の体験を語った。 19世紀末から20世紀初頭のパリのパフュマリーに迷い込んだような感覚。 オリザ・ルイ・ルグランのルーツを辿れば18世紀にグラースで創業した香料商でその4代目はパリに出て、マリー・アントワネットのに専属調香師になったジャン・ルイ・ファジョンだ。 彼の競合として革命前のパリに店を構えたウビガンがいた。 才

        • ホワイトジーンズ 4月13日〜365日の香水

          白い香り 色を香りで表現する試みは、よくある。 香水名に色が含まれることも多いし、色がテーマになることも多い。 白は、ホワイトリネン、ホワイトダイヤモンド、ホワイトショルダーとすぐに思いつくし、次々に出てくる。 よく使われるホワイトフローラルという言葉も、ジャスミン、ミュゲ(スズラン)、ガーデニア(クチナシ)など白い花々を原料とすることに加え、その香りがなんとなく「白」を想像させることにも由来している。 香りのイメージカラー 一方で、ムスクやアンバーなどの動物性香料は深みの

        神秘 4月16日〜365日の香水

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        記事

          ガラ・ときめく会話 4月12日〜365日の香水

          ガラ 特別な祭典、最高の集い、楽しさと喜びに溢れたイベント、「gala」に含まれるのはそのような概念。 古語では楽しいや喜びを意味していた言葉が、特別な華やかな集まりや、祭りを表すようになった。 言葉の変遷は、当たり前のようだけれど真理の再発見になる。 楽しいこと、喜びのあることは、特別なことであり祭りや集いはその体現なのだ。 ときめく会話 「ときめく会話」とは私がサロンの中で大切にしていることの一つ。 サロンでは「ときめく会話」があること、「穏やかな風」が吹くこと、「目か

          ガラ・ときめく会話 4月12日〜365日の香水

          ジュニア 4月11日〜365日の香水

          いつでもジュニア まだまだ私はジュニア、いつもそう思っていたい。 人生の最後の瞬間まで、そう思っていたい。 年齢が若いこと、ある基準において下位であること、それがジュニアのもともとの概念。 私なりにこれを「まだまだスタートしたばかり」「まだ先になにがあるかわからない~期待」という状況だと考えたい。 この春、学校や社会人生活など、新しい「基準」の枠組みに飛び込み、その中でのジュニアとして日々を送っている人も多いと思う。 物理的にもジュニアになれるというのは新入生や新入社員になっ

          ジュニア 4月11日〜365日の香水

          サンセットアワー 4月10日~365日の香水

          サンセットアワー 今日は、これだと確信した。私に必要なのはサンセットアワーのように、何かがゆっくり終わる安堵感と、静かな回想、そういうものが今の私に必要。 だから、今日という日のテーマはサンセットアワーなのだと、考えた。 一日の”終わりが始まる時間”、内省を始め、どんな時間も過ぎることを残念に思うのか、ありがたく思うのかで、その日の自分を、その日の最も大きな感情を確認する。 昨日は嫌悪の感情が生まれた瞬間があり、そんな一日でも必ず終わってくれるということが、ありがたかった。

          サンセットアワー 4月10日~365日の香水

          地球へ 4月9日~365日の香水

          CAP NATURE 不思議なネーミングだけれどCAPには帽子やケープのほかに、”進む方向”のような意味があって、自然に向かう、自然に向けた舵取り、そんなヴィジョンが込められたもののようだ。 前にも書いたけれど、イブ・ロシェ(YVES ROCHER)はプロヴァンスに本拠地を置いてナチュラルコスメを展開しているブランドであるし、1990年代はエコロジーという概念がもてはやされた時代でもあったので、ブランドの価値観と時代の要求が合致した一つの形なのかもしれない。 紙を使う?ガス

          地球へ 4月9日~365日の香水

          5番街 4月8日〜365日の香水

          VS PARIS 「Paris vs NY」というヴィジュアルブックがある。両者を象徴的なアイコンで対比させながら紹介していく。例えば、ブティックはパリではマダムが「Bon jour」、NYでは黒服の紳士が「well come back」、朝食はバゲットに対してベーグル、スイーツはマカロンに対しカップケーキ、映画はゴダールに対しウッディ・アレン・・・シンプルなイラストでパリとニューヨークの様々なアイコンを楽しみ、両者の異なる魅力を発見するような楽しいビジュアルブックだ。 ちな

          5番街 4月8日〜365日の香水

          ナイルの庭 4月7日〜365日の香水

          自然と調香 「調香師の最大のライバルは自然」、ジャン・クロード・エレナはかつてそんなことを何かに書いていた。 それを裏付けるかのように、エルメスでは、彼はたくさんの「庭シリーズ」を手がけた。地中海の庭、モンスーンの庭、屋根の上の庭、そしてナイルの庭。  地中海の庭については、そのクリエイティブの発端となった旅先での嗅覚的な体験をエッセイにも綴っていた。 地中海の風が運ぶ海や土の香り、自生する植物、その“場”を感じた途端に始まる匂いの分析、そして実際にはその場にはない果実をそこ

          ナイルの庭 4月7日〜365日の香水

          接吻 4月6日〜365日の香水

          キスの歴史 愛情表現としてキスは当たり前のようだけれど、いつから人類はキスするようになったのだろう。 紀元前1500年頃のアユルヴェーダの文献にすでにキスの記述があるらしい。 古代ローマの習慣では公の場で敬意や忠誠を示す行為としてキスしたという。 キスの歴史は長く、親が子に口移しで食べ物を与える行為の派生という説もある。 大切な存在、愛情を象徴するキスは命を育む行為が始まりだったのかもしれない。 一方、今昔物語には「口吸い」の表現でキスのような描写がある。 平安貴族は意外と情

          接吻 4月6日〜365日の香水

          最初の水 4月5日~365日の香水

          風と共に去りぬのように 「手塚治虫の漫画を浦沢直樹が再解釈してストーリーはそのままでネームを切りなおして描きなおしたよう」 この香水をくださった方にそう私の感動を伝えた。 世界一有名な香水シャネルの「NO.5(chanel NO,5)」の再解釈による新作を手掛けるというのは、本当に勇気がいることだったと思う。 映画でいうなら「風と共に去りぬ」、スカーレットオハラの強烈さと、演じたヴィヴィアン・リーの圧倒的な存在感には、どんなに頑張っても遠く及ばず、リメイクなどやるだけ損な気が

          最初の水 4月5日~365日の香水

          インスピレーションの島 4月4日~365日の香水

          インスピレーションの湧く場所 そこに行くとインスピレーションの沸く場所というのがある。 山や海、自然の中に身を置くことで「ひらめき」を取り戻す人がいるように、そこに行くとインスピレーションの湧く場所というのがある。 精神を研ぎ澄ますような場。あるいは心を開放するような場。 一昨年に瀬戸内国際芸術祭で瀬戸内の島を巡ったけれど、この島めぐりが私にとっては、日常の垢を落とす絶好の体験となった。 そして海風や島ののどかな時間の流れの中で、新しいインスピレーションを得るために、先に余計

          インスピレーションの島 4月4日~365日の香水

          ダイアモンド 4月3日〜365日の香水

          マリ・ド・ブルゴーニュ 中世ブルゴーニュ公国の継承者マリ・ド・ブルゴーニュが夫となるハプスブルク家のマキシミリアンから贈られた指輪がダイヤモンドだったので、これを史上初の”ダイアの結婚指輪”とする説がある。1447年のことだ。 私は、マリ・ド・ブルゴーニューとその父ジャン無畏公の眠るベルギー・ブルージュの教会に何度も訪れている。中世に栄華を誇ったブルゴーニュ公国、父であり君主のジャンが戦死するや侵略の脅威にさらされる。それを守り抜こうとしたマリーの苦難、国を守るための結婚。幸

          ダイアモンド 4月3日〜365日の香水

          ジャングルの象 4月2日~365日の香水

          ジャングルの世界観 古代マヤ文明においてはジャングルに住むのは創造の神と破壊の神であったという。 古代インドの叙事詩「ラーマ―ヤナ」ではジャングルに追放された主人公がそこで自我を発見し成長していく。 鬱蒼とした熱帯雨林にひとたび迷い込めば、そこは現代でも、宇宙並みの未知の世界、多様な生命世界のサイクルを営みながら、ジャングルは存在している。 海底や宇宙の未知と少し異なるのはジャングルはそこに「危険」があることが明らかということ。だから月面は探査するけれど、ジャングルは探検に行

          ジャングルの象 4月2日~365日の香水

          エイプリルヴァイオレット 4月1日〜365日の香水

          すみれ~バイオレット なんとも繊細で儚げだけど、その香気は主張も強く、調香に際して、しあげていく「形」にどう関与してもらうか、趣向の凝らしがいのある香りの一つ。 リスボンの古い薬局で、測り売りされていたバイオレットの香料をサロンのベースに配合していた時期もある。 花と葉では香りは趣が違い葉の部分~バイオレットリーフは、グリーン感を増してくる。 繊細な小さな花は天然香料の抽出には不向きなので、アロマセラピー用途の精油では見かけることがない。 はるか昔、香水が特権階級のものだった

          エイプリルヴァイオレット 4月1日〜365日の香水