自然国家

地雷と鉄条網、そして貴重な生態系。非武装地帯のプロジェクトに学ぶ、自然に従うという選択

韓国と北朝鮮を分断する38度線、そこから南北2キロほどに広がるいわゆる「非武装地帯」。

なんとそこは、101の絶滅危惧種を含む5000を超える種による貴重な生態系を有する豊かな自然を有してもいるのだそう。

「自然国家 dreaming of Earth Project」、発案構成は韓国のアーティストであり映画監督でもある摧在銀。

彼女の意思に賛同したアーティストが日本、米国、インド、中国などから集結し、人間ではなく自然が治める国家を思索するプロジェクト。

原美術館での企画展は、そのプロジェクトを可視化したもの。残念ながら、透明茶房以外の館内の作品は撮影禁止とのこと。

非武装地帯と言われれば浮かぶのは板門店、兵士、拡声器による喧伝、それからつい最近では南北の両TOPの握手等の光景。300万個と言われる地雷、錆びついてなお、張り巡らされた鉄条網の世界です。

が、同時に生い茂る草木と地下水脈と川、それらが育む森の命たちがあることを初めて知りました。あらためて、私たちが自然の一部であり、何か一つを見つめる時、そこに存在する自然のことが目に入らなくなってしまっていることを省みました。

この企画展で気づいたことが3つ。

●物事の事実の半分も私たちは見ていないということ。

●状況がどうあっても、自分の中の優先順位をどうつけるかで、そのことへのリアクション、つまり行動も表現も変わるという事。

●”名前は、友として呼ばれないのであれば、ただの音である”(在銀が作品「to call by name」に寄せたメッセージ。)


自然国家、の意思を表現するフレグランスはなんだろう。そんなの甘い、って言われるほどの夢を胸に抱くような香り。

IN LOVE AGAIN(Y.S.LAURENT)


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