乳頭混乱その2 産後4~6日 病院を退院するまで

帝王切開の激痛と戦いながらもどんどん母乳が生産されるのに全く母乳が吸えない息子…ついに搾乳機という選択肢を知ることができたのでした。そうは言っても全く母乳が飲めない息子に不安は募るばかりでした。

産後4日目 手動搾乳機を体験ゲットしたのは移行乳

出産の4日後、私は歩行訓練の成果が出て、帝王切開の痛みは強いものの、ゆっくりと立って歩けるまでに回復していました。息子はいまだに母乳が飲めないままでした。出産4日後の夕方からおっぱいが激しく張るようになります。助産師さんにどうしたらいいか相談したら、手で搾乳する方法と手動の搾乳機による搾乳方法を教えてもらい、胸が張るときは搾乳機による搾乳をスタートしました。カネソンという会社の「ママらくらくハンド」という搾乳器。初めての搾乳では20cc搾乳できました。母乳は粉ミルクと比べるとかなり黄色い色をしていました。初乳と通常の母乳の中間である移行乳というものなんだそうです。

手での搾乳は手がベタベタになるし、あんまり量とれないし、ちょっと嫌だなという感じ。搾乳機のほうが効率がいいけどそれでも手動だからだいぶ疲れます。

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ここから搾乳機を組み立てて搾乳して、搾乳機のパーツを分解して洗浄するという手順も発生することになります。結構パーツが多い…

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搾乳した母乳は緑の蓋の授乳用哺乳瓶に詰め替えて30分以内に看護師さんにラベルを張って渡せば冷凍して次の授乳のタイミングで使ってくれるそうです。また授乳時間直前に搾乳した母乳は手で持参すれば冷凍せずにそのまま授乳ができるので母乳の成分をほとんど壊すことなく哺乳瓶で授乳できます。そのため、私を含めママたちは授乳時間直前に搾乳してしぼりたてを飲ませようと工夫していました。

2滴とか10㏄などほんの少ししか母乳がとれないママの場合、看護師さんが母乳入った哺乳瓶に、粉ミルクを足して薄めて赤ちゃんに飲ませるよう指導していました。母乳は少量でも貴重な栄養なんだなと感じることができた光景でした。

産後5日目 完全母乳できる!と太鼓判を押される

産後5日目で搾乳にもだいぶ慣れてきました。この時に赤ちゃんがNICUにいるママたちは両胸を同時搾乳できる電動搾乳機を使っているのを見ることができました。メデラというスイスの会社のシンフォニーという機種でした。上の箱のような部分が本体で個人がレンタルする場合は本体のみが自宅に届くそうです。ゲームの敵キャラのような形が面白い…ここでメデラという会社を知ることになります。

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ここで①搾乳機は買うか借りるかして入手したほうがよさそう。②なるたけいろいろいろなタイプを検証して使ってみてから入手したい。と考えるようになりました。この後予定している産後入院の助産院でも別の機種を持っているかもしれないと期待を持ちました。

あまりにもおっぱいが張って熱を持っていたので、助産師さんにおっぱいを見てもらいました。私のおっぱいは射乳(絞るとピューっと母乳が飛ぶ)が何本もあり、陥没などもなくかなり理想的なおっぱいとのことでした。「搾乳すると張りはとれるけれど絞りすぎると体が過剰生産してかえってつらくなるので絞りすぎないように」とアドバイスがありました。

2人目出産のママからも「あなたかなり母乳の出がいいほうよ、完全母乳できると思う!」とうれしい声もいただけました。「哺乳瓶が使えないと人に息子を見てもらえなくなるから、完全母乳寄りの混合栄養(粉ミルク+母乳両方使う育児)ができたらいいですねー」と答えていました。助産師さんも楽観的だし、この時点では何もしなくても息子は母乳を飲めるようになるものだと少し不安ながらも信じていたのですよ。

この日に退院診察を受け、おっぱいが飲めないことも特に問題視されず、沐浴指導も終了し、いよいよ明日は退院という運びとなりました。


産後6日目 おっぱいが飲めないまま退院

帝王切開の傷はかなり回復し、ほとんどつかまらずに歩けるようになりました。とは言え立ったり座ったりするには激痛が伴います。病院入院中に体力回復に専念し何とかここまで回復させた感じです。

この病院では3時間おきの時間授乳に加え、夜間早朝は看護師さんに授乳を任せられるので、自分の回復に専念しやすかったんだと思います。赤ちゃんが泣いたら授乳するという自律授乳も希望すれば叶う病院でした。しかし、帝王切開の傷を早く治さないと…という焦りや、退院したらすべて自分でやるのですから病院にいるうちはなるたけ甘えておかないと…という気持ちもあり、看護師さんからもサポートが得られる標準的な時間授乳で最後まで通しました。

退院は12時ちょうど、家に帰ったら搾乳機がありませんからギリギリまで搾乳していました。そして退院ギリギリまで授乳しましたが最後までおっぱいを求めて泣くこともなく、息子はおっぱいを飲めないままでした。看護師さんからは哺乳瓶で必要量ミルクを飲めているので、母乳が飲めないことは全く問題がないと励ましてくれました。でも潤沢に出ている母乳が全く役に立たないという現状を無理やり納得させるような疑問ののこる結果となりました。

産声のない悲しい出産をされる妊産婦さんに配慮して赤ちゃんの姿をなるたけ見せないように退院してくださいと言われていました。そのため速やかに退院手続きを済ませました。病院の出口では夫が迎えに来てくれ、タクシーで帰宅しました。


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