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1980年代の会社案内


こんにちは。SNS担当のRYUです。今日は、アドパブリシティの創業以来の得意分野、「会社案内」について紹介します。

こちらは、1987年に制作された、化学工業クライアントの会社案内です。

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表紙が2重構造になっており、トレーシングペーパー素材の「外表紙」がついています。デザインに「透過」の要素を加えた、当時としてはちょっと斬新なものだったのではないかと思います。


中面を見ると・・・それはもう、随所に「80年代」が感じられます。

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贅沢に2ページが使われた企業ブランド部分。当時はC.I.(コーポレート・アイデンティティ)という言葉が流行した時代で、大企業が競って社名変更やロゴ制作に取り組んでいました。

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こちらのページでは、現在の「IT」「IoT」にあたる言葉として「エレクトロニクス」という単語が使われ、技術力をアピールするイメージとしてプリント基板の画像が使われています。これらを「懐かしい・・」と感じるのは50代以上の方だと思います。私も50代ですが何か?(笑)

そして重鎮。

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現代建築セミナーの紹介ページでは、黒川紀章さんや安藤忠雄さん、磯崎新さんなど、大御所建築家の方の若いころのお姿も。

 デザイン的にみると、現在と最も異なるのはレイアウトです。現在はPC上で自在に画像の合成や透過を処理できるのですが、当時はまだ台紙にロットリングで線を引いたり、写植文字を貼り付けて「写植版下」を作るアナログの時代で、デザイナーの仕事はほぼ全てが紙の上でした。

画像を合成するには製版の段階で物理的にフィルムを切り貼りせねばならない時代だったので、現在のような自由度はありません。

でも、そんなデザイン上の制約を超えよう!とする当時のデザイナーの努力が随所に見えます。

アナログ時代の合成技術。

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三角机のある中央の画像では「床の写真」「製図して作った机の絵」「コーヒーカップと雑誌の画像」「机の影」を製版で合成することで、何とかイメージ画像を作る「苦肉の策」が展開されています。三角机の白い天板は、何と画像を切り抜いた下地の白です。現代であれば、Photoshopで簡単にできる作業ですね。

現在のグラフィック/WEBのデザイナーの方に、「写植版下で原稿を作ってください」とお願いしたら、どうなるでしょう?

「ぜったい無理!」

当たり前ですが無理と言われるでしょう。でも、白い紙だけを眺めて完成をイメージする作業をやってみたら??意外に新しい発想が生まれるかも知れません。まずは社内で「写植版下選手権」をやってみようかな??


なお、現代の会社案内は技術的にもデザイン的にも進化しており、この時代のデザインのまま・・ではありません(;'∀')。そんな会社案内の変遷も、今後発信していきたいと思います。

(担当  Ryu)