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[アイドルマスターシンデレラガールズ]前略 戦場より

これは█████県██山の山中で見つかった封書の、中に入っていた手紙のアーカイブです。その土地の所有者が新たなテーマパーク事業のために土地整備を行っている最中に、民間人の手により発見されました。この手紙は途中までは黒インクで、途中からは何らかの動物の血液を用いて筆記されていることが明らかになっています。以前に発見された手紙との関連性や、差出人の詳細は不明です。

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ああ、クソっ、オレは遊びだと思っていたのに、畜生、やっぱりここはただの遊園地なんかじゃなかったんだ。これを読んでいるお前に、オレに何があったかをここに記す。そして選べ。自分の意思でちゃんと決めろ。

オレは鷺ノ宮。オレはプロデューサーで支配人で、スマホを横にするタイプの音ゲーを遊んでいた。でも担当の笑顔に惹かれて、担当に会いたくて、ここに足を踏み入れちまった。モバゲー版アイドルマスターシンデレラガールズ、通称モバマスだ。最初は楽しくて可愛い遊園地だと思ってた。昔、6年前にいた時と、ずいぶん印象が変わってたからな。それに変わらず担当は可愛いかったし、幸せだった。オレは満足していた……担当の、李衣菜のアイプロが終わるまでは。目の前にあった目的を失ったオレは、課金してスペシャルスカウトセレクトチケットを使って、[パーティーロックアンセム]多田李衣菜を手に入れた。こいつを特訓するために頑張ろうと思った。そして考え始めた。スタドリとエナドリは足しても10本くらいしかなかったし、どうにかしてこいつを増やさなきゃって。


そこで初めて自分以外のヤツのことを、他のプロデューサーの姿を見たんだ。そしたらどいつも……クソッ、オレが出会ったヤツは全身に無数の傷があった、腕とか頭が千切れかかってるヤツとか、包帯でぐるぐる巻きなのに血が止まってないヤツもいた。9000枚以上のフリートレードチケットや2000本以上のLPドリンクに埋もれてるヤツもいた。そういうヤツが至る所に隠れてたんだ。その誰もが苦々しく、「課金すればどうにかなるけど、しないほうがいいよ」「アイテムを貯蓄すれば上位を狙えるよ」って、本当に苦しそうに話すんだ。ここは楽しいだけの遊園地なんかじゃなかった。摩耗するまでアトラクションに乗りつづけて、指が折れても画面をタップし続けて、膝が折れるまで走りつづけて…何かを失って生きてる連中ばっかりなんだ。血の匂いがしてたのは気のせいなんかじゃなかった。

オレはそいつらと戦わなきゃいけないと思った。一対一で打ちのめすんじゃなくて、イベントで順位を少しでも上げるってことだ。一番手っ取り早く編成を強くするのは課金をすることだが、担当案件でもないならそれはキリがない。ただでさえSRの排出率はデレステとかと比べてもとてつもなく低いんだからな。それにイベントにはいろんな種類があって、手持ちのアイドルの編成がどのくらい意味を持つかもまちまちだ。何が言いたいかっていうと、編成とかに限らず、イベントに合わせてリソースを無駄にしないことが重要だってことがまずわかった。ナナシスのEPイベントは6時間に1回2曲をプレイすればいいし、デレステもスタミナが溢れないようにプレイするだろ、そういうヤツだ。だいたいのゲームが今は6時間くらいの周期で溜まり切るような印象だから、モバもそうすればいいと思ってた。アイプロはスタミナだけだから、レベルアップの周期にだけ気をつけていれば10時間くらい放置しても大丈夫だった、オレはスタミナにしかポイントを振ってなかったからな。でもコラボイベントのLIVEツアーは…LPは20分で1、2時間で最大6までしか貯められない。自然回復分を無駄にしないとしたら連続睡眠時間は最長2時間ってことだろ?そういうのは極端すぎるかもしれないけど、さっきすれ違ったプロデューサーは目の下の隈がすごすぎて第三第四の目みたいになってたし、あながち笑えない話だと思うけどな。

次に驚いたのはLPを回復するLPドリンクだ。LPを使うイベントのときにだけ配布されるけど、使わなかった分はこれが持ち越されるんだ。だからあんまり走る気のないプロデューサーも、平然と1/6LPドリンクを1000本以上貯蓄してやがる。さっき睡眠時間の話をしたのは、オレ自身が自然回復で睡眠時間を削れば少しくらい相手になるんじゃないかって期待してたからだ。オレがバカだったけどな。上位に行くか行かないか選ぶ権利を持ってるヤツはそういう次元にいるってことだ。だからオレも貯め始めることにした。そして改めて、管理しなきゃいけないリソースの多さに気づいたんだ。スタドリ、エナドリをはじめに各イベントごとのLPドリンクとかのアイテム…交換用アイテムのレアメダル、スターエンブレム、最近増えたブレイク関連のヤツとかもそうだ。時間を割り振るならスタミナと攻コストの自然回復に、あとぷちデレラのレッスンと毎日のフリートレードチケット。攻コスを使わないイベントならその間道場も殴るし、ゲームセンターも毎週バカにならない資産になる。

……オレはそこまで行ってやっと気づいたんだ。これはリソース管理のゲーム、RTSに近いプレイフィールを感じ取っていた。進行がゆるくてランダム要素でマイナスなイベントが発生しない代わりに、いつまでもワンゲームが終わらないシヴィライゼーションみたいな感じなんだ。リセットが絶対起きないから、ゲーム外からリソースをブチ込むか、宝くじみたいな確率でスゲーSRを引かない限り、今すぐ上位に食い込むことはできない。格ゲーで培った当て感や、音ゲーで鍛えた譜面読解力、そんなものは全部このゲームで最強の時間というリソースに勝てない。このプレイフィールの中で生を実感できる=プレイしてる感が得られるのは進行形で資産が溜まっているとき、つまりイベントをやっているときだ。モバマスは毎日イベントをやっていて、デレステみたいにイベント予告とかでインターバルが一日空いたりしない。日々のイベントが全てなんだ。そして前回のイベントで得たアイドルカードは次のイベントでステータスにボーナス倍率がかかるのが当たり前で、つまり一つイベントをちゃんとプレイしたら次のイベントがお得になる。だから続けることが当たり前になるし、つまりゲームが日常の、生活レベルの行為になるまでが非常に早い…オレも今では起きてすぐにLPと攻めコスを使い、ゲームセンターでダイスを振りながら寝落ちする生活になった、一週間経たずすぐにな。

ゲームがオレの日常へと食い込み、生活そのものが侵食されていくことに、不思議と恐怖感はなかった……気づいたときには手遅れだった。思い返せば、タイムラインで引退宣言をする人が目についていたのは、それが痛みを伴う決別だったからだと思う。そうでもなければこれを止めることができなかったからだ……。そうして手持ちのアイドルをNとかRにしたまま、意識がなくなったそいつらのアカウントを……異形の残骸を、オレは毎日3回殴っている……。「道場」とか「殴られ屋」と呼ばれているヤツだ。殴られ屋をしているヤツのプロデューサーランクが高ければ高いほど得られるマニーが多くて、殴っている側はありがたい。でも殴られてる側には何のメリットもないんだ。長い時間をかけてできた異形を巡るのは、古き森の神木とか、寺の神仏とかに巡礼しているような気持ちになる。ただそれは人の手の届かない大自然での崇敬じゃない。かつて生きていた人間の積り積もった想いに対する畏敬なんだ。

そしてまだ生きているプロデューサーたちの資産は、一言で言って凄まじい……想像を超えた物量だった。それが課金によってもたらされたものなのか、イベントによって貯蓄されたブツなのかは当人たちにももはやわからないだろう。突き詰めれて考えれば……これは資産を貯めるゲームだが、資産を貯めてもゲームが終わらない、クリアにはならないのだ。必要な担当アイドルを揃えてもゲームは続く。ゲームの中で7年ものあいだ続いたこれら人間の営みに、オレは打ちのめされた。来年発売される外国製のFPSゲーム、「ATOMIC HEART」は冷戦状態のまま続いたソ連が舞台だそうだ。葛葉ライドウは終わらなかった大正時代を、大塚英志のリヴァイアサンは終わらなかった昭和を描いていた。オレは震えた。これは、それらと何も変わらない。これはそういう世界線だ。これを書いている時には、平成はまだ終わっていないけど、ここには終わらない平成があるんだ。……今から資産を貯め続けたとして、オレはいつ走り出せるのか……同じだけ貯めているはずのプレイヤーたちを押しのけられるのか?オレはこの戦場で生き残ることが……何者であるかを証明できるのか?

途方もない物量差を前に竦んでいたが、そんなオレにも幸運はあった。この戦場で生きているプロデューサーと知り合うことができたことだ。この遊園地の生存者であり先輩でもあるプロデューサーにな。どうすれば生き残れるのか、何を貯めてどう考えるのかを改めて教わっている……オレはもう戻ることはできない、その覚悟でセレチケを購入したはずだし、彼らサバイバーたちもそれをわかってくれている。オレは「コミュニケーションの発生するゲームは、誰と遊ぶかが全て」という持論を持っていたが、やっぱりこれはモバマスに限らない話だったみたいだ。そしてもう一つ……戦うことを決めた瞬間、闘志が漲るのを感じていた。オレはかつて戦士だった。内に秘めた情熱と知性と野心を迸らせて、編み上げた呪文一つ一つを顔面めがけて叩き込み、自分よりも先に相手を吹き飛ばす快感。無邪気で狡猾で残忍な狂戦士だった。この気持ちが単なる倒錯なのはわかっている。かつてオレと共に戦っていた仲間たちが聞けば、そんなものと一緒にするなと怒る姿が目に浮かぶ。だがモノが同じかどうかは関係ないんだ。オレ自身の心がそれを、戦いだと思うかどうかなんだ。

オレは以前、これと同じように手紙を書いた。遊園地への招待状のような手紙を、入場ゲート近くへと置いてから先へ進んだ。今はその行為に後悔さえ覚えている。そんなヤツがいるかはわからないが、オレの手紙を見てモバマスへ足を踏み入れてしまったヤツのために、この先生き残るために必要な情報を、幾つか書き留めておく。

・長期的な目標を立てろ

ここでの戦いは、どうあがいても持久戦となる。それも終わりのない、な。例えばお前に潤沢な資金があって、月末ガチャに来た担当のためにリソースを注いだとしても、長期的に見れば効果は微々たるものだと言っていい。結局そこで手に入った資源……フリートレードチケットやレアメダルをどれだけうまく活用するかが全てで、手に入れたからと言ってスタッフロールが流れてエンディングにもならない。カード一枚手に入れて終わりではなく、イベントで上位が取れるようになるまでとか、アイプロに次に担当が来るまでとか、特定カードのブレイクが終わるまでとか、そういった長期的な目標を指針とするべきだ。それこそが杖となり地図となる。これは余談かもしれないが……実際に飲み会とかの場で気心の知れたプロデューサーにアイドル図鑑の担当ページを見せてもらって、それらがほぼ埋まっていたときの衝撃はなかなかのものだった……誰彼構わず見せるようなものでもないことはお互い承知しているし、見せてもらえてオレは光栄だったと思っている。だからオレの目標も結局、担当の全カードを手にいれるってことになるのかもしれない……。短期的な目標に関しては、一つ一つのイベントに対してどのくらいの報酬を狙うかとかだと思うが、基本はラウンド分のドリンクを飲んだりとかイベントメモリーを埋めたりとか、そういう形でゲーム側が用意してくれていることが多いので大丈夫だ。だからこそ、遥か遠くを見ながら歩く方角をブレさせないことが重要になる。なんのために今日を生きているかを明らかにしておくってこと。

・プロダクションに入れ

お前が白銀の毛並みを持つ一匹のオオカミだとしても、ここでは群れの力を無視することはできない。プロダクションに入ればそれだけで所属人数×2倍の振り分けポイントが手に入る。最大80ポイント、なかったことにするには大きすぎる数値だ。だが、知り合いのいるプロダクションに入ること自体はそこまで重要ではない……さっきコミュニケーションが重要だという話をしたが、ここに花やしきとしての弊害がある。ゲーム内のチャット機能はかなり終わっていて、非常に使いにくいんだ。オレを導いてくれるサバイバーたちとは、普段Discordで会話している。その方が遥かにスムーズだからな。オレは今「名前貸しOK」の文字に釣られて、40人埋まっているプロダクションに在籍しているが、プロダクション内の絡みは全くない。増資もトレーニングバッヂも渡したことがない。だがそれで困ったこともない。先導してくれるサバイバーは皆別々の、担当を愛でるプロダクションや身内のプロダクションに在籍している。いつか肩を並べられるようになりたいとも思うが、それが今でなくてもなんら問題はない。重要なのは今すぐに80ポイントを割り振ること、それだけなんだ。

・守コストには振るな

絶対に振るな。これは有名な金言なので、お前もどこかで聞いたことがあるかもしれない。単純に守コストを参照するイベントが殆ど存在しないことに加え、攻コストとスタミナは時間で回復するリソースとして能動的に利用できるので、どちらもすごく重要なんだ。攻コスとスタミナのバランスは人によって考え方がマチマチで明確な答えは出ていない……ただ絶対に守コストにだけはポイントを割り振るな。これだけは、ぜったいにおぼえておけ。

・全てはリソースなので貯めろ、時間で回復するものは使え

時間が最強のリソースだ。時間とはイベントの回数で、配布アイテムの個数でもあるし、自然回復するリソースを回転させることそのものでもある。絶対に手が離せない仕事中(運転とか)の場合を除き、極力無駄にすることのないように調整しろ。それが最大限のプレイフィールを産む、このゲームにおいて最も手軽でかつ重要な「プレイ体験」だからだ。ガンガントイレに行け。パフォーマンスが落ちない程度に睡眠を減らせ。スマブラとか中にも気をぬくな。イベント限定のLPドリンクとかも、次のイベントに持ち越せるものが多い。イベントの周期はなんとなくだが決まっていて、取っておいたものは必ず次に使うときが来る……そして貯めれば貯めるほど重要な意味を持つ。戦場とは血と硝煙が蔓延する場所だけを指すのではない。戦時中の民間人のように、今でなくともいずれ必要になるものの備蓄を惜しむな。

・ガチャチケも資産なので絶対に貯めろ、でもSレア3%チケとかはすぐ使っていい

プレミアムオーディションガチャチケット、通称オデチケは絶対に使うな。これはオレの実感や体験ではなく話を聞いただけだから定かではないが、お前にも伝えておく。モバマスのガチャは何種類ものギミックがあって、あの手この手で射幸心を煽ってくる。そのうちの一つにリミテッドガチャとゆうのがあり、限定SRを含めたカード全体の入っている本数が決まっているヤツがある。これはイベントとかで無料で手に入るガチャチケとジュエルを使うと、リアルなマネーを使わずに全部引き切ることができる……つまり400枚とか貯めると、文字通り資産に変換することができると言われてる。だからとっておけ。必要となる"その時"がいつ来るかはオレにもわからないが……。ちなみにSレア3%チケとかの、ローカルガチャのタブから回せるガチャのチケットは、とっておいてもリミテッドガチャには意味がない。これはさっさと回すほうがいい。Rはレアメダルとか人気度とか特技レベルに、運良くSRが出れば、それがスタ1以下の価値しかなくても、ぷちデレラとぷち衣装が必ずお前の編成をつよくしてくれるはずだ。

・攻コスを使え、道場を巡れ

かつては"マイ"スタミナドリンクなどという縛りはなく、あらゆるものがスタミナドリンクへと変換でき、通貨として循環していた。6年前の規制によりフリトレによる為替は不可能になったが、あの時代から変わらないモノが一つある。道場巡りだ。他ユーザーとのLIVEバトルを行うことにより、マニーと親愛度とファン数が増える。毎週稼いだファン数を競うPRAの賞品は、2018年の今でも"マイ"のつくことのない、産地直送のスタドリとエナドリだ。これを集めろ。道場のリストはインターネットで検索するといくつも出てくるし、googleスプレッドシートとかが使えるヤツは自前で用意してもいい。とにかく空き時間に殴れ。これは殴った回数が全てなので、第二女子寮を解放して、そこにアイドルを全て預けて、リーダーを単騎にして殴れ。極限まで効率を求めるなら5コスR+の如月千早か、2コスN×2枚編成で渋谷凛と黒川千秋を信じろ。ちなみに攻コスト総計が低い間はぷちデレラのボーナスの乗り方がデカイので、オレはまだ2コス単騎で殴れている。

・フリトレを使え、だがマニーだけだ

編成の揃え方は、お前がどの属性でゲームを始めたかとか、お前の担当が誰かとかによっても変わるから、誰をスタドリで買えばいいかという話は個別に相談してもらわないと実際答えにくい。だがそんなことに悩んで毎日のフリートレードチケット三枚を無駄にするくらいなら、とりあえず今すぐマニーで買えるなにかを買うほうがよい。マニーが一番簡単に貯めることができて、リスクなしで自由に使えるリソースだからだ。自分の担当のRを買って親愛度演出を見るのもいいし、特技のないRを安く買いレアメダルにするのもいいし、特技つきのRやR+を手持ちの担当カードの特技レベルを上げるのに使うのもいい。だいたいレアメダルか特技レベルだろうが、スタ1くらいのSRがたまにマニーのみで購入できることもあるのでそれを買うのもいいだろう……とにかく、フリトレとマニーは、お前が自分の意思でゲームを楽しむために重要なリソースであることを理解しろ。

・レアメダルは可能であればイベントごとのアイテムにしろ

レアメダルで交換できるものは基本的に一度限りだが、交換可能回数が回復するものが一つだけある……イベントごとの消費アイテムだ。第二女子寮とか必要なものを手に入れた後、余らせているくらいならLPドリンクとかを交換しろ。画面にも書いてあると思うが、これらはイベントの更新があるたびに別のアイテムに切り替わる。理想は全部交換できる方がいいが、一日3枚のフリトレでRを3枚集めても、一本交換するのにレアメダルが4枚必要だったりするので、イベントの種類が把握できてから一つに絞るのもいいだろう。ちなみにR+は特別移籍でレアメダル2枚になるので、理論上一日6枚集められるが、道場巡りでのマニーがどれだけ集められるかはお前の右手と、勤勉さにかかっているだろう……。

・ぷちデレラを育成しろ、オールオアナッシングだ

カードの育成とは全くの別枠で、オレたちはぷちデレラを育成しなければならない。面倒だと思う必要はない、ぷちデレラにはマニーとかトレーナーとか攻コストとか効率とかが全く関係がないからだ。ぷちレッスンメニューから、何時間かごとにレッスンを選ぶだけでいい。艦これで言う遠征、デレステで言う営業と同じだ。一応ポイントとしては、モバマスは平成のゲームなので、ポチポチと貼り付けるヤツが一番利を得るようなデザインになっている。だから7時間とか10時間のレッスンよりも、時給換算したら1時間とか少ない単位で回す方が数字的には良い……本当に1時間ごとに回せればの話だがな。まともに生活している人間でなかったとしても、1時間に一度ログインするのはかなり厳しいし、2時間もレッスンし損ねれば長時間レッスンよりも格段に効率が落ちる。だから無理のない程度に7時間か10時間だけを回すのが丸い。そしてぷちデレラは中途半端に育てる意味が全くない。実績とかボーナスとか、得られるものが何もないからだ。レベルMAX&テクニックボード全開けまでするか、全く手をつけないかの二つに一つだ。だから担当一人だけでなく、極力自分が好きな子2人を選び、そして極限まで育てろ。育てきったら次の子を育てろ。

・ゲームセンターを信じろ、グラブルよりは楽しい

ゲームセンターのタブから行えるミニゲームで集められるゲームメダルは、マイスタミナドリンク・ハーフとかと交換できて、しかも毎週交換可能回数が回復する。オレもかつてはグラブルのカジノで心と身体を粉々に破壊されたが、安心しろ、ゲームセンターのゲームはそれらよりも面白く、安定して稼ぐことができる。レアメダル1枚からまずプレイしてみろ。なんとなく慣れたら色々試してみるのもいいし、手っ取り早く攻略記事やサイトを参照するのもいい。オレがオススメするのはダイスDEシンデレラサバイバルだ。編成枠を購入し、固定パーティで一周2000枚を稼げる。オレの決めた編成は小関麗奈さん・早坂美玲さん・ライラさん・渋谷凛さん・木場真奈美さんだ。毎週交換できるアイテムは全て集めるのが良く、移動中にペシペシやってれば毎週分稼ぐことはちゃんとできる。ちなみにゲームプレイ画面を表示したまま寝落ちしたりして放置しすぎてしまうと、ゲームを進めて2000枚まで行ってもエラーが出てメダルは増えない。布団の中でプレイするのはあまりオススメしない。

・イベントはラウンド回復分確実に殴れ

イベントの重要性は散々言ったと思うが、「イベントに参加すること」と「イベントを走ること」は違うってことを覚えておかなきゃならない。このゲームはプレイヤーに恒常的に遊んでもらうため、ラウンド限定のLPドリンクとか、その日のうちにしか使えない消費アイテムってのを寄越してくる。まずその分だけでいいから確実にプレイすること、それが最初の一歩だ。編成の強さや運にもよるが、基本的にはその分だけでもイベントSRは入手できる……はずだ。それで経験を積み……感覚を理解し……その上で少し上のランキングを狙ったり、SR5%チケを取りにいったりすればいい。

・ストーリーは極力読め

日常のタスクとしてこなしていると忘れがちだが、モバマスの根幹はアイドルであり、血の通わないスタミナや攻コストやLPを消費するだけのゲームではない。最近はイベントにストーリーがついてるヤツがユーザーにも人気で、タイムラインとかを見ていればお前にもわかるはずだ。後回しにせずストーリー部分はちゃんと読んで、己の糧にしろ。担当以外の子にも興味が出たらRのセリフとかをインターネットで検索してもいいし、デレステでコミュを見に行くのもいいだろう。インターネットでものすごく盛り上がった「蒸機公演 クロックワークメモリー」のシナリオも、スターエンブレムを使えばいつでも全て読むことができるし、消費量も微々たるものだ。

・少しだけ課金しろ

上記までのことを読んで、引き返せるならば引き返す方がよいとは思っているが、既にそれなりにプレイを始めてしまっているヤツがいるとしたら、多分……お前はオレと同じで、無課金で遊ぶ縛りを己に課すよりも、少しだけ課金するほうがいい。こういうインターネットのゲームするヤツには三種類いる……無課金で遊ぶヤツ、金に糸目を付けないヤツ、それから少しだけ課金するヤツだ。いわゆるおは60とか納税分とかいうヤツは、単純に10連回すよりもずっと金銭効率がいいことを誰でも知ってる。モバマスは金に糸目をつけないユーザーが支えているゲームだと思っていたが、今では少しだけ課金するヤツも少しだけお金が使えるようにお得なアイテムを売っていて、オレにはとてもありがたい。だが問題はそのわかりにくさだ。単純に課金してスタドリを買うと1本100CCなので、例えば100CCでスタドリがついてくるガチャは普通にスタドリを買うよりもお得だよな。そういう「額で言えばかなりお得なアイテムやガチャ」を定期的に提供してくれているのだが、イベント用のアイテムセットや何種類ものガチャが同時に開催したりするので、どれを買うといいのかがとてもわかりにくい。ユーザー側が毎回100CCだけ使う場合と500CCはいけるぜという場合でも効率は異なるし、ガチャが何回分ついてるかどうかでも期待値とかが変わってくるだろう……基本的にはガチャ更新のたびにガチャページを見に行けば少しずつ学ぶことができるが、これ買うといいですよと教えてくれる関係性を作るほうが楽かもしれないな。

・仲間を作れ、ゲーム外でだ

一つ前の項目からそのまま繋がるが、だからこそ困った時に質問に答えてくれる仲間やコミュニティが必要になる。だがゲーム内の機能には期待するな。「ソーシャルゲーム」という呼称は平成が終わるよりもずっと早く時代遅れのもので、モバマスは、mobageはその古いインフラに乗っかり続けたまま、ユーザーが全員死ぬかスマホの普及率が100%になるまで、ゲーム内でのメッセージのやりとりに関する機能が改善されることはない。だからこそDiscordやTwitterがあると言ってもいいだろうし、現場に名刺を持っていくんだろう。オレの経験上、数年以上プロデューサーとして活動している人はみんなモバマスをプレイしたことがある……もしかしたら傷を隠したサバイバーかもしれない。勇気を出して一言聞いてみろ。そういった繋がりに心当たりが全くないなら、オレに連絡をくれてもいい。この遊園地内で出会うことができれば、だけどな。


……これを読んだお前がどういう選択をするか、オレにはわからない。ただ、オレはここで戦っていくことを決めた。なんのためにだ?担当のためかって言われたら、そうじゃないと思う。同じプロダクションに知り合いがいるわけでもないから、誰かのためってこともない。つまりオレはオレのために戦うことを決めたんだ。ここには鏡が一枚もないから、今のオレがどんな姿になっているかを見ることはできない。でもきっとみんなそうなんだ。心とか腕とか血とか時間とか金とかを失いながら何かを選んで、前に進んでいく、それはみんな同じはずなんだ。お前がここに来なくても、オレがどこにいても、姿形がどう変わっても、結局は目の前の相手や時間とかと、何かと戦って生きていくしかないんじゃないのか。だからここは天国じゃない……かといって地獄ってほどでもないさ。むせ返るほどの血の匂いでもう鼻は効かないし、ヤツらが積み上げた資産に確かに打ちのめされはしたけど、オレの身体はまだ動くし、でかい傷もない、何をすべきかもわかってる。つまり担当が待ってるってことだけは確かなんだ。ここが天国だろうと、地獄だろうとな。

オレは選択した。お前の選択にも、幸運がありますように。

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