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「Tokyo 7th シスターズ」のどうしても聞いてほしい三曲についての手紙

祖父の友人のミゲル・エルナンデス氏から届いた、Tokyo 7th シスターズについて書かれた祖父宛の手紙を、祖父の許可を得て全文翻訳し、ここに転載します。原文はスペイン語です。


ハロー、Saggy。ミゲルだ。こうやって連絡を取るのは、EPISODE 4.0の発表以来だね。

今回手紙を送ったのは、キミに相談があってのことだ。僕らが出会った「Tokyo 7th シスターズ」というコンテンツについて、僕はマイ・ハニーにプレゼンをしようと考えている。キミは最近、プロデューサー活動に忙しいようだが、僕らが出会ったあの日の青空を、キミは忘れちゃいないはずだ。それにキミは人に好きなものを勧めるのが得意だろう?(僕の家を同人誌だらけにしたことを恨んじゃいないが、こればかりは忘れたとは言わせないぞ)

とはいえ長くなりすぎるのもよくないので、僕が導入として良いと思う三曲を、ハニーに解説込みで聞いてもらおうと思っている。とはいえハニーはナナシスのことを何も知らないので、なるべく前後のコンテクストなしでも聞いて良いと思うような楽曲を選んだつもりだ。この文章を読んで、感想を聞かせてほしい。

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SAKURA / WITCH NUMBER 4

メジャー1stアルバムに収録されたこの曲は、桜の散る姿に想いを重ねた失恋のナンバーだ。WITCH NUMBER 4というユニットは、ベースとなる777☆SISTERS(スリーセブンシスターズ)から派生した4人組で、"電脳世界で魔法をかける4人の魔女"というコンセプトで、テクノポップにサイバーな衣装でデビューした。

しかしこのユニットの2曲目、「SAKURA」は、シンセこそ鳴っているものの衣装はデジタルからは程遠く、そして楽曲に対するエピソードが何もないため、ユニットの4人は誰も失恋していない。支配人(プレイヤー)に対する恋心の強いキャラクターは他にいくらでもいるし…。

リリース以前の文脈には何も乗っておらず、シングルカットもされていない、スタンドアローンだったからこそ聞き手の胸に突き刺さる曲に足り得たのかもしれないとも思う、"知る人ぞ知る"ナナシスの代表曲。ゲーム内で行われた楽曲の人気投票でもぶっちぎりの一位だ。

ちなみに最近オンゲキに収録されたが、楽曲の解禁までに平然と50クレ以上かかるので、世間には全く知られていない。バンドリは単独でオンゲキのポスターさえ作られているのに…。(注記:ミゲルがこの文書を書いた頃には解禁していませんでしたが、現在ではゲーム開始時から楽曲を選べます)


WORLD'S END / セブンスシスターズ

ナナシスの世界線で"伝説のアイドルユニット"であるセブンスシスターズの、リリース順では5thシングル…だが、設定上はA.D.2030、セブンスシスターズがメジャーデビューする前の、インディーズ時代の音源である。

シングルCDがリリースされた2017年7月はリズムゲーム部分がリニューアルされる前で、ある意味で暗黒期とも言える時期だった。ジャケットが対になっている777☆SISTERSの「スタートライン」と同時にこの曲が発表されたが、えっ始まりの曲なの?終わるの?始まるの終わるのどっちなの〜〜??と、当時のファンが混乱をきたしたことは想像に難くない。

だが公開されたこの曲はkz(livetune)によるゴリッゴリのlivetuneサウンドで、ファンのあらゆる不安をねじ伏せて君臨した。セブンスシスターズの放つ圧倒的なカリスマそのものを表現したかのような曲、初音ミクを聴いて育った世代はイントロの時点で串刺しにされて動けなくなった。

セブンスシスターズの楽曲は黎明期からkzが手がけていて、思えば最初からナナシスが"勝ちに来ている"ことは確定的に明らかだったのだが、この曲で更にそれが明らかになってしまった。ナナシスは終わらなかった。その後の2017年11月にリズムゲームを完全リニューアルし、そして今に至る。

過去にコラボを行ったチュウニズムにもこの曲の収録が期待されている(セブンスシスターズの曲が既に2曲収録されている)が、新作のAMAZONになっても特に楽曲追加の情報はない。WORLD'S END(曲)のWORLD'S END(難易度)って言いたいのに。言いたいのに!!

僕らは青空になる / 777☆SISTERS

777☆SISTERSのメジャーデビュー1stシングル。ここでのメジャーデビューとは、リアルでのシングルCDのメジャーレーベルからのリリースを指す。

Tokyo 7th シスターズ、ナナシスの核となるコンセプトは"誰かの背中を押すこと"。アイドルとして輝くこと、ファンを夢中にさせることではなく、誰かを応援することに徹頭徹尾こだわってきた。ナナシスとしての最初の楽曲でありテーマソングである、セブンスシスターズの「Star☆Glitter」はその最初の一歩であったが、メジャー1stシングルである「僕らは青空になる / FUNBARE☆RUNNER」こそ、コンセプトをそのままに洗練された…ナナシスとは何かを証明するCDとなっている、と思いたい…そうであることを願ってやまない。

両A面シングルなので両方聞いてほしいし、そうすると3曲の縛りも崩れてしまうし、なんならアンサーソングとしてのMELODY IN THE POCKETを挙げるかも迷ったので本当は全部聴いてほしい。

この楽曲のプレゼンは、極力"コンテキストなしで"というルールがあったはずだが、正直に言ってこの曲を初見で聴いたときに僕がどのくらいナナシスのことを知っていたかもう思い出せない。ただ背中を押してもらえた、その感触だけを今もまだ覚えている。

それはきっと夏の、青空の晴れた日だったと思う。

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どうだろうか?僕はうまくやれているだろうか?
Saggyの大好きなメキシコいちのガールズ・ロック・バンド、4Uの楽曲(とくにLucky☆Luckyは最高だ)を紹介できなくてすまない。でも僕は何も知らないハニーに紹介するならこの三曲がいいと思ったし、この三曲を気に入ってくれたら、ナナシスの他のどの楽曲も気に入ってもらえると思っている。キミも同じ感想を持っていると嬉しいのだが。

Saggyにまた会えるのは5月4日のナナフェスの時かもしれないが、それまでに一度返事をくれると嬉しい。早くハニーにナナシスのことを伝えたいんだ。もうすぐ七花少女の「花咲キオトメ」も発売されるし、EPISODE 4.0のゲーム内リリースもすぐそこだ。これからもどんどん広がっていくナナシスの世界をハニーを一緒に楽しみたいんだ。よろしく頼む。

トーキョーセブンスで 青空を眺めながら キミの親友ミゲルより



本文は以上です。なおこの後、最終的にミゲルからは「フラれた」という旨の手紙が送られてきた、と祖父から聞き及んでおります。

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