『くだらない唄』はこれから失われる尊いものの唄
もうほとんど演奏されることがなくなった『くだらない唄』。
FLAME VAIN(廃盤)の2曲目です。
現在は各種ストリーミングサービスで聴くことができます。
彼らが当時感じていた心情を現実感を持って聴くことができ、BUMP内に閉じた(というか藤原基央氏に閉じた)、けれども多くの人が経験するであろう心情を読み取ることができます。
彼らは希望を持っていたし、夢を追いかけていました。
その代わりに不安だったしこの場所でしばらく会えなくなることも感じ取っていました。
時間は限られており、明日からはおそらくこの場所には来られない時間が続きます。だから、最後の思い出を作っておきたいのです。その約束をしました。
忘れたくないのです。
これからの長い年月の中で、この丘を鮮明に思い出せるままでいられるのか。不安なのです。だから神様にお願いします。綺麗なタンポポは咲いているのでしょうか。描いた絵を見れば分かるかもしれません。
これから10年という月日をこの丘以外の場所で過ごすことになる覚悟と不安と決意が読み取れます。
本当に10年というのは妥当な期間で、私も10年ぶりに小学生時代の友達に合うことがあります。この前もありました。
それほどに月日は過ぎ去るのに十分は早さを持っています。
ネクタイは人生を迷わせるものの象徴として書かれています。
次に会うときにお互いしわが増えるのは分かっています。
その日までにまた絵を描きたいと思っていられるか。この丘の景色を自分の右手を通して残しておきたいという気持ちが湧くか。それがひたすらに不安なのでしょう。
かみさまは不確かながらも小さな二人の中には存在しているのでしょう。
漢字でどう書くのかも分からないのかも知れません。
ただ、魔法のようなちからを持っている。今まで必要としなかったことを神様の魔法にお願いします。この丘を忘れませんように。
不安を紛らわすためでしょうか、注目を惹くためでしょうか、それともその両方か、彼はせきをします。
隣には、タンポポのかんむり作りに夢中なのか、見てしまったら今日が終わってしまうと感じているのか顔を上げない友人がおそらく座っているのでしょう。
ここで時は翌日に飛びます。
これ以上語ることは無いですが、ひとつだけ。
彼だけは魔法の中から現実を見つめていたことがうかがえますね。
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