時空かくれんぼの構造を解き明かして差し上げましょう
あのなぞなぞを思い出してみよう
あなたは『モモ』に登場する「マイスター・ゼクンドゥス・ミヌティウス・ホラ」、通称マイスター・ホラのなぞなぞをご存知だろうか。
な が い…
答えは、それぞれ未来、過去、現在である。
いつも三ばんめの現在だけがここにいる。
一番めの未来はこれからやってくる。
二番目の過去は出かけていない。
過去は、未来が過去に変わるから生まれることができる。
現在は、未来が過去に変わる途中でいま、ここにいることができる。
未来と過去はそれぞれ、現在がここにいないといることができない。
モモが一度に見ることができるのは、過去か未来かどちらか一人だけ。
この三人のきょうだいがかくれんぼをして遊んでいるのである。
終わるわけがない。
未来はこれから遊びに来るし、過去はもうどこか別のところに出かけてしまっているのだ。現在の精神力が問われる。
絵にかいてみたヨ
精神戦闘である。
絵にしてみることで、三人のきょうだいの性質が分かってきた。
一番めの未来は、傍若無人である
なにしろ、まだ遊びにきてすらおらず、しかもそれを理解したうえで行かないのだ。
二番めの過去は実はあまり特徴がない、優等生タイプだ。
こいつのど畜生ぶりについては後述する。
三ばんめはちびさんだけあって、この場を楽しんでいる。ただかまってちゃんなところがあるのか、甘えん坊気質である。
許しがたいのは二番めの過去
誰がなんといおうと、こいつの所業には目を瞑ることができない。
今ちゃんと未来ちゃんは怒っていい。なんら問題はない。
こないならまだしも、こいつはもう来たうえでいないのだ。
最終的にはこいつは自分の犯した罪の全てを未来ちゃんに転嫁しようとする始末。今ちゃんを自分がわにまきこんでいるので余計にタチがわるい。
だがしかし!ここまできてさすが藤原基央である。
全ての登場人物に遺恨が残らない配慮を見せる。
親切だ。とても親切。
過去はもう二度と藤原さんに逆らうことはできない。
人はこの営みを「先延ばし」と呼ぶ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?