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日本選手権突破&非公式大会入賞!ユベルデッキ解説書


1.はじめに


 こんにちは。adonisと申します。今回はアニメ遊戯王GXで登場したテーマ「ユベル」について紹介します。「ユベル」は主人公遊城十代に関わるキャラクターで、ストーリーにも終始大きな影響を与えました。とても個性的なキャラクターなのでOCGで使ったことが無くても知っている人もいるかと思います。OCGでは2007年11月に初登場し、いくつかの”〇〇ユベル”というデッキが誕生していました。当時は一時的に流行したものの大会環境を席巻するほどのパワーは無く、「出たら強いけれどなかなか出ないカード」といった印象でした。しかし今回16年の時を経てPHANTOM NIGHTMAREで強化されたことで、純構築でもカジュアルから大会まで使用できる強力なテーマに変わりました。実際私はPHANTOM NIGHTMARE発売日からこのデッキを愛用し続け、何度も結果を残すことができました。

使用:ホルス型ユベル
2024年1月制限適用の中規模非公認大会で3位入賞
(予選スイスドロ―5回戦+トーナメント3回戦)

使用:純ユベル
LEGACY OF DESTRUCTION 発売翌日に中規模非公認大会で2位
(予選スイスドロ―5回戦+トーナメント3回戦)

使用:純ユベル
2024年の日本選手権予選店舗代表を獲得

使用:デモンスミス型ユベル
INFINITE FORBIDDEN 発売直後に2人チーム戦のCSでトーナメント進出
(チーム戦のため個人成績関係なくトーナメント1回戦で敗退)

使用:デモンスミス型ユベル
DUELIST KING CUP(公式開催のマッチ個人戦大会)で優勝

 
 そこでこのnoteでは、無料部分で「新規カードを含めたテーマ関連カード」「テーマ外の相性が良いカード」の紹介を、有料部分では「構築の採用・非採用理由」「メインギミックを使用した展開パターン」「大会目線でのプレイ中に意識すること・豆知識」「派生(〇〇ユベル)」等を紹介します。展開パターンでは、純構築に関連するカードの組み合わせで考え得る初動を50例近く書いています。もし「ユベル」を使ってみたいという方は最後まで読んでいただけると嬉しいです!(手前味噌ですが100,000字近く書いてあり、発売当初からユベルを使い続けた者の知見ということで途中から有料にしています。無料部分だけでも良いので読んでみてください!)


2.ユベルデッキの特徴とメリット

 
 「ユベル」モンスター全般は攻撃力が0です。従来の「ユベル」デッキは相手から攻撃された時その戦闘ダメージを反射するという、非常に受け身な戦い方をしていました。しかし、今回登場した新規によって自分から攻撃した場合でも戦闘ダメージを相手に反射させることができるようになり、先攻後攻を問わず能動的に妨害を用意できるようになりました!

メリット1:後攻でのワンターンキルが容易にできる。

 相手フィールドのモンスターに依存せず簡単に8000ダメージを与えることができます。もしワンターンキルに失敗してもテーマ内のモンスターが「戦闘で破壊さず戦闘ダメージは0になる。効果で破壊されたら後続を特殊召喚する。」という効果を持っているため、自身のライフポイントを守ることに長けています。ET・EDでも安心できますね。

メリット2:先攻では「超融合」を確定で手札に加えるギミックがある
 
先攻では「超融合」を手札に加えたり、そこに追加で発動無効+任意のタイミングでの2枚除去を構えたりします。強力な展開系テーマ相手でも展開を許さず勝利します。

メリット3:ほとんどの手札誘発が致命的にならない。

 テーマ内での最低限の展開は召喚・特殊召喚4回以内で収まるため「原始生命態ニビル」を受けにくいです。また5回以上召喚・特殊召喚を行う場合も手札の組み合わせによっては先に発動無効持ちのモンスターを特殊召喚したり、どこで「原始生命態ニビル」を発動されても「超融合」を手札に加えたりすることができたりします。
 またプレイに気を付ければ「ドロール&ロックバード」をクリーンヒットさせずにキーカードを手札・フィールドに揃えることができ、テーマによっては致命的な「アーティファクト・ロンギヌス」は全く効かず、「深淵の獣」「D.D.クロウ」もクリーンヒットしません。そのためメインデッキからこれらのカードが採用されている環境でも問題なく力を発揮することができます。もし初動に妨害を受けて展開が止まってしまったとしても、テーマの性質上延命手段が豊富なため、あまりワンターンキルをされないです。

メリット4:アニメキャラのデッキであり、交流会でも使用しやすい。
 交流会や遊戯王の日といったカジュアルイベントではワンターンキルを嫌う傾向がありますが、「ユベル」デッキであれば相手プレイヤーも寛大な心で受け入れてくれることでしょう。(絶対では無いですが、少なくとも遊戯王GXを見ていた人なら大丈夫だと思います。)
※2024年4月時点では強くなりすぎたためちょっと怪しいかもしれないです。

御巫との差別化
 「御巫」モンスターが登場した時、よく「強いユベルじゃん!」という反応を耳にしました。そして「ユベル」が強化された結果、対戦後によく「御巫みたい」と言われました。世間の「ユベル」デッキに対する評価は「御巫みたいなことをする何か」といった感じのようです。
 でも「ユベル」には「御巫」とは明確に違う部分があります。1つ目はモンスター維持性能の高さです。この後のカード紹介で登場するモンスターや魔法・罠によって相手ターンでも「ユベル」モンスターを特殊召喚することができます。また各種「ユベル」モンスターが後続を特殊召喚する効果を持っているため、1枚や2枚破壊されただけでは戦線が途切れません。「スキルドレイン」適用下でもこちらは闘うことができます。
  2つ目は「超融合」の存在です。このデッキは現在存在するどのテーマよりも「超融合」を有効活用できるため、能動的な妨害にも長けています。
 一方で「御巫」には対象耐性付与や相手ターンのコントロール奪取など「ユベル」には無い利点もあるので、同じようなダメージ反射デッキとして一括りにしない方が良いと考えています。


3.ユベル関連のカード

 
 「ユベル」と名のついたモンスターは共通して”このカードは戦闘では破壊されず、このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。”という効果を持っています。この他にも各モンスターには固有の効果があります。

 ユベル

 元祖「ユベル」モンスターです。主に2つの効果があります。

①相手モンスターに攻撃された場合、ダメージ計算前にその攻撃力分のダメージを与える。

②破壊された時「ユベル-Das Abscheulich Ritter」を特殊召喚できる。
(”時~できる” なのでチェーン2以降で破壊されるとタイミングを逃します)

 自分のエンドフェイズに維持コストとしてモンスターをリリースしないと破壊されてしまいますが、新規により維持コストを簡単に用意できます。この「ユベル」を指定して発動するカードが数枚あるため、採用は必須です。

 ユベル-Das Abscheulich Ritter

 「ユベル」が自身の効果以外で破壊された時に特殊召喚できます。「ユベル」と違いエンドフェイズの維持コストは不要になっています。主に3つの効果があります。展開で必ず使用するため1枚は必須です。

①相手モンスターに攻撃された場合、ダメージ計算前にその攻撃力分のダメージを与える。

②フィールドから離れた時「ユベル-Das Extremer Traurig Drachen」を特殊召喚できる。(”時~できる” なのでチェーン2以降で離れるとタイミングを逃します)

③自分のエンドフェイズにフィールドの他のモンスターを全て破壊する。

ユベル-Das Extremer Traurig Drachen

 「ユベル-Das Abscheulich Ritter」がフィールドを離れた時の効果でのみ特殊召喚できます。こちらも「ユベル」と違いエンドフェイズの維持コストは不要になっています。採用は必須ではありませんが、採用していると展開が伸びたり、最終形態が登場することで一層デュエルを楽しんだりできると思います。
 相手モンスターと戦闘したダメージステップ終了時にその攻撃力分のダメージを与えてそのモンスターを破壊する効果があり、上の2枚とは異なり自分から攻撃した時もダメージを与えることができます。ダメージステップ終了時なので「無限泡影」等で効果が無効化されてしまい戦闘破壊されたとしても、墓地・除外状態で効果が発動します。(古参プレイヤーは「六武衆ザンジ」を思い出してもらえれば分かると思います!)

スピリット・オブ・ユベル

 PHANTOM NIGHTMAREで登場した新規です。主に3つの効果があります。 

 1つ目は相手モンスターの攻撃宣言時に手札から特殊召喚する効果。相手のワンターンキルを阻止できるため序盤から終盤まで活用でき、ET/EDでは特に重宝します。
 
 2つ目は特殊召喚に成功した場合にデッキからテーマ関連の魔法・罠をサーチかセットする効果。このセットできる点が重要で、「ドロール&ロックバード」の下でも次ターンの妨害を確保したり、無理やりワンターンキルしたりすることができます。

 そして3つ目の”自身が破壊された場合「ユベル」を特殊召喚する”効果がとても強力です。現代遊戯王ではバトルフェイズ前に展開の途中で発動無効&破壊効果を持つモンスターを特殊召喚されることが多々あります。例えば「フルール・ド・バロネス」です。発動無効&破壊効果持ちのモンスターと一緒にATK8000ポイント分のモンスターを展開されたら普通は負けです。でもこのカードのおかげでワンターンキルを阻止できます。場合での発動なのでタイミングを逃さない点も素晴らしいです。名称ターン1回の制限もありません。

サクリファイス・D・ロータス

 PHANTOM NIGHTMAREで登場した新規です。このデッキの1枚初動です。主に3つの効果があり、どれも強力です。

 1つ目は自身をリリースしてデッキから”ユベル”モンスターを特殊召喚する起動効果。

 2つ目はエンドフェイズにユベルが存在する場合自身を特殊召喚するか手札に回収する効果。

 3つ目は相手が発動したモンスターの効果を ”「ユベル」モンスターを破壊する” に書き換える効果です。複数の「ユベル」モンスターが存在する場合は相手がどれを破壊するか選択します。発動するためには「ユベル」モンスターが存在している必要がありますが、効果処理時にフィールドに「ユベル」モンスターが存在しなくなっていても相手が発動したモンスターの効果は適用されません。

ガイストーチ・ゴーレム

 PHANTOM NIGHTMAREで登場した新規です。採用枚数が分かれるカードです。自身を相手フィールド上に特殊召喚する効果があり、展開補助と後攻ワンターンキルを担います。

自身の効果により以下2つの方法で特殊召喚できます。
①手札から自身を相手フィールド上に、「ユベル」モンスターを自分フィールド上に特殊召喚。手札に上級モンスターしか存在しない状況でも能動的に「スピリット・オブ・ユベル」を特殊召喚して効果発動を狙います。後攻の場合、もし相手に妨害が無ければそのままワンターンキルできます。(展開パターンで紹介します)

②自分フィールドに「ユベル」が特殊召喚された場合、自身を墓地から相手フィールドに特殊召喚。(※墓地からの特殊召喚は「ユベル」指定である点、「ユベル」の特殊召喚前に自身が墓地に存在している必要がある点は注意です。例えば「魔界特派員デスキャスター」の②効果で手札から捨てて「ユベル」を特殊召喚しても、そのタイミングでは発動できません。)

 また「ユベル」モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に相手のLPを3000回復させます。このカードは相手フィールドに特殊召喚されているため、自分が回復します。「ユベル」モンスターの効果で自分への戦闘ダメージが0になるため、実質相手とのLP差を3000ポイント、後述する「ナイトメア・ペイン」があれば6000ポイント広げることができ、ETやEDでは非常に強力です。

ヘルグレイブ・スクワーマー

 LEGACY OF DESTRUCTIONで登場した新規です。2つの効果があります。

 1つ目は自分フィールド上に悪魔族モンスターが存在すれば自分・相手ターンに特殊召喚できる効果。更に「ユベル」関連のモンスターを1体破壊できるので、相手の除去効果(例えば「ユベル」モンスターを除外したりデッキに戻したりする効果)にチェーンして発動することでサクリファイスエスケープできます。

 2つ目は墓地から自身を除外することで、手札・墓地からATK/DEFが0のモンスターを特殊召喚する起動効果。対象を取らないのも素晴らしいです。

 PHANTOM NIGHTMAREの新規のみでは妨害を受けた結果フィールドに悪魔族モンスターの数が足りず展開できないことがありましたが、このカード1枚が実質召喚権を使用しないモンスター2体分になるため、貫通力が上がりました。状況次第ではこのカード1枚で後述する「マチュア・クロニクル」にカウンターが3つ溜まります。

ユベル-Das Ewig Liebe Wächter

 PHANTOM NIGHTMAREで登場した新規です。「ユベル」モンスター+効果モンスターを素材に指定する融合モンスターです。効果モンスターは1体以上である点がポイントで、「超融合」を使用することで相手モンスターを一掃することができます。(融合素材にするという、除去の中でも最上位な方法で相手モンスターを全て処理できるのは極めて強力です。)主に3つの効果があります。

 1つ目は融合召喚時に素材にしたモンスター×500ポイントのダメージを与える効果。フィールドのモンスターを全て素材にした場合最大で12体のモンスターを素材にすることができ、相手モンスター全除去と同時に6000ダメージというとんでもない急襲を仕掛けることができます。

 2つ目は他の「ユベル」モンスター同様に破壊と戦闘ダメージへの耐性を持つ効果。他とは異なり、このカードは戦闘に加えて効果でも破壊されません。現環境(2024年1月)のように破壊が除去手段の主軸になっている状況では召喚するだけで突破策が無く詰むデッキもあります。

 3つ目は戦闘した相手モンスターの攻撃力分のダメージを与え、そのモンスターを除外する効果。ダメージを与える効果は自分から攻撃した場合でも適用されます。更にダメージステップで対象を取らない除外という最高の除去ができます。ただしダメージを与えることができたら除外の処理を行うため、相手モンスターの攻撃力が0であったり効果ダメージが0になったりする状況では除外できません。

※「チェーン・マテリアル」適用中にこのカードを融合召喚したらデッキからモンスターを16体素材にしてワンターンキルでは?!と思った方がいると思います。実際私も気になり発売日にOCG事務局へ問い合わせましたが、これはできないと回答を貰っています。(融合素材に”フィールドの効果モンスター”と記載があるため、「チェーン・マテリアル」適用中でもこの条件は無視できないようです。)

ファントム・オブ・ユベル

 チェーンブロックを組まずに特殊召喚でき、自身を融合素材にできないというテキスト外の効果を持ちます。効果は2つあります。

 1つ目は他の「ユベル」モンスター同様に戦闘で破壊されず戦闘ダメージも0になる効果。

 2つ目は相手のモンスター効果が発動した時、自身をリリースすることでそのモンスター効果を”自分が「ユベル」モンスターをデッキから破壊する”に書き換える効果。「サクリファイス・D・ロータス」と違い自分のターンでも使用できるため、展開途中の妨害ケアとしても相手ターンの妨害としても活躍します。

 特殊召喚にターン1回の制限が無いため自身を融合素材にできないという制約を付け、2枚でループしないようにしたのだと思われます。(このカードの特殊召喚は融合召喚ではありませんが、”融合素材にできない”=融合モンスターを特殊召喚するための素材にできないという意味なので、「融合召喚の素材にしてないから大丈夫!」と思った方は注意です。)このカードの登場によって、従来のユベルデッキで課題であった以下の点が解決しました。
・最終盤面に「ユベル」モンスターがいない
・「ナイトメア・ペイン(後述)」で破壊できる闇属性モンスターが無い
・1ターンキルするための「ユベル」モンスターの数が足りない
・初手で引いている「ユベル」モンスターが機能しない

ナイトメア・ペイン

PHANTOM NIGHTMAREで登場した新規です。3つ効果があります。

 1つ目は自身の闇属性モンスターを破壊してデッキからユベル関連のカードを手札に加える効果。破壊とサーチは同一の処理であるため「ユベル」の発動タイミングも逃しません。破壊できるのは闇属性モンスターカードでは無く闇属性モンスターであるため、魔法罠ゾーンに存在する闇属性モンスターを破壊できないのが残念です。

 2つ目は相手に「ユベル」モンスターへの攻撃を強制する効果。プレイヤーの意思に関係なく「メインフェイズ1終了」を宣言した時点で攻撃表示のモンスターが存在すれば、強制的にバトルフェイズに入ります。(公式サイトにも記載されている通り、必ずバトルフェイズに入り攻撃宣言を行わなければいけません。)また直接攻撃できる効果を持つモンスターであっても必ず「ユベル」モンスターを攻撃する必要があります。「オルターガイスト・メリュシーク」のように戦闘ダメージが発動条件であるモンスターは一生効果を発動できなくなります。

 3つ目は「ユベル」モンスターの戦闘で発生するダメージは代わりに全て相手が受けるという効果。自分から攻撃した場合も相手に戦闘ダメージを与えることができます。

 つまり、相手バトルフェイズのスタートステップに「ユベル」モンスターが存在しなくても、バトルフェイズ中に何らかの手段でこちらのフィールドに攻撃表示の「ユベル」モンスターが特殊召喚されると強制的に戦闘ダメージが反射するので、状況次第ではそのまま自分が勝ちます。「じゃあ攻撃止めます」「やっぱりバトルフェイズ入りません」「そのままメインフェイズ2入ります」という会話が何度もありましたが、残念ながら絶対攻撃しなければいけないのです。 実はこの効果で相手プレイヤーが良い人か否か見分けることができます。しっかり攻撃宣言してライフ計算をしてくれる人は良い人です。ヤバい人は「じゃあ攻撃で。チッ。」(勝ったつもりが突然負けたので不貞腐れ舌打ちしながらデッキ片付ける)といった悪態をついてきます。そういう人はこちらが事前にテキストを見せていても「効果説明されてなくて負けたわー」とか言って周囲への印象操作をしてくるので「永続魔法は公開情報なのでいつでも確認できます。他言語版のテキストを見せた方が良かったですか?日本語を読めない日本人もいますよね…」と全力で心配してあげましょう。(今のところ実際遭遇したやばい人は1人だけいました。他の皆さんはしっかり攻撃宣言してくれる良い方でした。)

マチュア・クロニクル

 PHANTOM NIGHTMAREで登場した新規です。「ユベル」モンスターかテキストに「ユベル」が記されたモンスターが特殊召喚されるたびにカウンターを置きます。相手が特殊召喚してもカウンターを置くため、相手に「暗影の闇霊使いダルク」を使用された時やミラー戦でも忘れないようにしましょう!
 現状は「3:」以外すべての効果をフル活用します。「5:」は一見発動が難しそうですが、ある展開で確定してカウンターを貯めることができます。除外状態からの回収とフィールドのカード破壊がそれぞれ対象を取らず、裏表を指定しないのも非常に強力です。実際大会では除外状態の「増殖するG」や「超融合」を再利用して勝ちました。

ナイトメア・スローン

 LEGACY OF DESTRUCTIONで登場した新規です。2つの効果があります。

 1つ目はカード発動時の効果処理としてデッキから「ATK/DEFが0の悪魔族モンスター」を手札に加えるか破壊できる効果。このデッキのモンスターはほとんどATK/DEFが0の悪魔族モンスターであるため、実質初手に足りないカードを補充できる万能サーチカードです。またデッキから直接「ユベル」モンスターを破壊していきなりフィールドに「ユベル」「ユベル-Das Abscheulich Ritter」を特殊召喚することもできます。ただ、あまりにも強いためテキスト全体に「ユベル」というモンスターの記載がありません。そのため「スピリット・オブ・ユベル」「ナイトメア・ペイン」の効果に対応していません。(「スピリット・オブ・ユベル」「ナイトメア・ペイン」は「ユベル」という単体のカードを指定しているため、テキストに「ユベル」モンスターという不特定多数のモンスターのみを記載しているこのカードは効果の対象外です。)
※このnoteを読んでくださった方はこれでバッチリだと思いますが、世に出回っている解説記事やYOUTUBEの動画では、上記のできない行為を行っていることがすごーく多いです。使われる側、使う側ともに間違えないように気をつけましょう!

 2つ目は表側表示の「ユベル」モンスターがカードの効果でフィールドから離れた場合、そのモンスターとレベルが1前後している「ユベル」モンスターをデッキ・墓地・除外状態から選んで手札に加え、その後召喚条件を無視して特殊召喚する効果。自分のカードで破壊しても良い上、”離れた場合” であり参照範囲も広いので、実質タイミングを逃さず後続を手札以外から特殊召喚できるイメージです。今まではチェーン2以降で破壊された「ユベル」が発動できない、破壊された時の効果に対して発動無効・効果無効を使用される、除外されそもそも効果を発動できないといった理由で後続を特殊召喚できなくなることがありました。しかしこの効果のおかげで除外やバウンスへの耐性が付いた上、破壊されたのであればチェーン1:破壊された「ユベル」モンスター自身の効果⇒チェーン2:「ナイトメア・スローン」と発動することができるため、必ず後続を用意できるようになりました。(特殊召喚は任意なので、「スピリット・オブ・ユベル」を手札に加えるだけということもできます。)
 しかも…この2つ目の効果に対して謎の宇宙裁定を2つ貰っています。まず、フィールドを離れた「ユベルモンスター」が効果によって裏側で除外されたり、手札・デッキ・エクストラデッキに戻ったりした場合でも効果を発動できます。更に、「ユベル」が自身の効果でエンドフェイズに維持コストをリリースせず自壊した場合でも発動できます。どういうことですかKONAMI様。(ありがとうございます)

 余談ですが1つ目の効果はATK/DEFが0の悪魔族であれば「ユベル」に関連しないカードでも良いため、別のデッキでも出張しそうですね。「炎舞-「天璣」」みたいな扱いになって規制されないことをお祈りです笑。個人的にはこのカードで「ファントム・オブ・カオス」を手札に加えておきライトロードでデッキを全部墓地に送った後「宿神像ケルドウ」「剣神官ムドラ」で自分の墓地から手数を1枚デッキに戻す⇒「天魔神ノーレラス」で相手の手札を全部墓地に送って「神光の龍」で除外しながら返しのターンでがら空きの相手に8000ポイント与えるという実質先攻ワンターンキルをやりたいです!

エターナル・フェイバリット

 PHANTOM NIGHTMAREで登場した新規です。効果は2つあり、それぞれ1ターンに1度発動できます。(カードごとにターン1回の制限はありますが、名称ターン1回では無いため、このカードが2枚あれば同一ターンに2つの効果をそれぞれ1回使用できます。

 1つ目は墓地・除外状態の「ユベル」モンスターを特殊召喚する効果。もともと「ユベル」モンスターは戦闘・効果破壊への耐性が高いため相手は主に除外やリリースでの除去に頼らざるを得ません。やっと除去した「ユベル」モンスターを毎ターンフェイズ指定無しで特殊召喚できるのは相手目線でとても面倒です。除外状態からも特殊召喚できるため上記除去手段への対策になります。対象を取らないため仮にチェーンして「D.D.クロウ」「墓穴の指名者」で墓地の「ユベル」モンスターを除外されても効果が不発になることはありません。逆に相手の「墓穴の指名者」等にチェーンしてこの効果を発動することで、その効果を不発にすることもできます。
 またこの効果による特殊召喚成功時、お互いのプレイヤーはカードの効果を発動できません。相手の「賜炎の咎姫」等を無視できる反面、自身の「スピリット・オブ・ユベル」の特殊召喚時効果も発動できないので注意です。
※お互いにカードの効果を発動できないのは特殊召喚成功時(=チェーン1でこの効果が適用された時)のみです。チェーン2以降でこの効果を発動した場合はチェーン1で別カードの効果処理を挟み召喚成功時ではなくなっているため、一連の効果処理後に「スピリット・オブ・ユベル」の特殊召喚時効果も発動できます。

 2つ目は「ユベル」モンスターを含むお互いのフィールドのモンスターを素材に融合する効果です。つまりテーマ専用の超融合です!(効果の発動に対してチェーンはできます)この効果を発動するための条件として自分フィールド上に表側表示で「ユベル」が存在する必要がありますが、効果処理で融合素材にするモンスターは「ユベル」モンスターであるため、「ユベル」を含めないことも可能です。また相手フィールドに「ユベル」モンスターが存在すれば相手フィールドのモンスターのみを素材にして「ユベル-Das Ewig Liebe Wächter」を融合召喚することも可能です。「暗影の闇霊使いダルク」によって相手フィールドに「ユベル」モンスターが存在する可能性もあるため、覚えておくと便利です。
※この効果を発動するためのコストとして手札を1枚捨て、既に表側表示で存在するこのカード自信を墓地に送る必要があります。そのため裏側表示でセットされているこのカードを発動した(表側にした)タイミングで同時にこの効果を発動することはできません。また同一チェーン上でチェーン1:カードの発動(表側するだけ)⇒チェーン2:この効果の発動ということも当然できません。だったら相手ターンのドローフェイズにでも発動して早々表側にしておけば良いのでは?と思うかもしれないですが、墓地・除外状態からの特殊召喚効果に対する「屋敷わらし」「幽鬼うさぎ」の存在があるため何も考えずにそのようなプレイをするのはNGです。どちらをケアしたいかで表側表示にするタイミングを使い分けます。

※以下は現状大会用の構築には採用される可能性は低いですが、カジュアル用構築での採用は十分あり得ます。関連カードは一通り紹介したいため一応載せています。


ネオス・ワイズマン

各種ユベルモンスターは戦闘で破壊されず、効果で破壊されると後続を特殊召喚しますが、このカードは逆です。効果破壊されない代わりに戦闘で簡単に破壊されてしまうのが難点です。

トーチ・ゴーレム

※2023年時点で禁止カードです。
アニメでユベルが使用したカードです。このカードがあれば現状マッチで負け筋になる相手の捲り札(ライトニングストーム・拮抗勝負)を解決してくれる上、後述する相性が良いカードと合わせてロックを成立できるため、ユベルは環境Tier上位になると思います。ユベル関連の制約を付けても良いので帰ってきて欲しいです(T T)

E・HERO ネオス・クルーガー

 ダメージ計算前に戦闘する相手モンスターの攻撃力分のダメージを与える効果と、相手によってフィールドを離れた場合「ネオス・ワイズマン」を特殊召喚できる効果があります。特殊召喚の条件は”相手の効果でフィールドを離れた場合”か”戦闘で破壊された場合”であるため、壊獣等でリリースされたてしまうと発動できない点に注意です。


4.ユベルと相性が良いカード

 
 ここでは純粋に「ユベル」自体と相性が良いカードを紹介します。大会用、カジュアル用どちらでも使用できるように様々なカードを挙げています。その他にも構築の型によっては相性が抜群に良いカードが複数ありますが、それらは【おまけ.ユベルデッキの派生】パート(「○○型」というように派生ごとに関連カードや特徴を記載)で紹介します。

 原始生命態ニビル

 テーマの性質上相手モンスターのATK / DEFが高いほど勝ちやすくなるため、相手の展開を妨害しながら高ステータスのモンスターを特殊召喚できるこのカードはとても相性が良いです。特にマッチ戦の場合は1本目でのニビルを割り切るプレイヤーもいるため、意表を突くことができます。

 暗黒の招来神 / 七精の解門

 どちらも非常に相性が良い効果を持っています。具体的には以下のようなシナジーがあります。

・「暗黒の招来神」の効果で召喚権が増えるため、「サクリファイス・D・ロータス」を追加で召喚できる。

・「七精の解門」の②効果で手札の「ユベル」モンスターを捨て、そのまま特殊召喚できる。(効果を発動するためには別のATK/DEFが0の悪魔族モンスターが墓地に必要)

・「七精の解門」の③効果で墓地からテーマ関連の永続魔法を回収できる。

・仮に「ユベル」ギミックにアクセスできていない場合でも、「暗黒の招来神」の効果が通れば最低限2妨害を用意することができる。

・通れば永続的な手数供給になるため相手の「灰流うらら」を誘うことができる。

キラー・ポテト

 「ナイトメア・ペイン」で破壊して嬉しいモンスターです。手札に「スピリット・オブ・ユベル」を加えながら、このカードの効果でフィールドにも「サクリファイス・D・ロータス」や「スピリット・オブ・ユベル」を特殊召喚して関連魔法・罠を手札に加えることができます。今後「深淵の結界像」を特殊召喚したら勝ちというような環境が来たら採用を考えています。ただし先に召喚権を使用しなければいけないため、「暗黒の招来神」との相性は悪いです。

余談ですが、「トマト」「ポテト」に続いてそのうち「キラー・ニンジン」「キラー・タマネギ」「キラー・ブタニク」も出て現代版の性能を備えた「カレー魔人ルー」がリリースされたら楽しいと思います。カレーにトマトが入るか怪しいですが。

GX63話で登場した「カレー魔人ルー」

魔界発現世行きデスガイド

 墓地で効果を発動する悪魔族モンスターをデッキから特殊召喚できます。特殊召喚したモンスターは主にリンク素材にするため、”S素材にできない”という制約はほぼ影響を受けません。

クリッター

 「魔界発現世行きデスガイド」で特殊召喚する候補①です。自身の効果で「増殖するG」「灰流うらら」等の誘発即時効果を持つモンスターや「スピリット・オブ・ユベル」を手札に加えて相手ターンに備えることができます。

魔サイの戦士

 「魔界発現世行きデスガイド」で特殊召喚する候補②です。デッキから「サクリファイス・D・ロータス」や「スピリット・オブ・ユベル」を墓地に送り、「魔界特派員デスキャスター」の効果で特殊召喚させることができます。

地縛神Ccarayhua

 「ナイトメア・ペイン」の効果で手札から破壊することでフィールドを一掃できます。召喚権が残っているため、その後レベル10モンスターを2体用意できればそのままワンターンキルできます。

破械神シュヤーマ / 破械神シャバラ /  破械神王ヤマ / 破械神ラギア

 デッキの派生として複数枚「破械」関連のカードを採用する型もあります。ただ「破械神シュヤーマ」「 破械神王ヤマ」「破械神ラギア」は純構築にも1枚ずつ採用したいです。理由はこの3種類のおかげで展開の幅がかなり広がるからです。(展開パターンで紹介します)
 「破械神シャバラ」はPHANTOM NIGHTMARE発売時点では事故要因の割に大した恩恵が無く評価は微妙でしたが、LEGACY OF DESTRUCTIONで登場した新規のおかげで展開パターンが増えたため枠があれば採用もアリです。
 他の「破械」モンスターや「破械雙極」等のサポート罠まで出張させると更に展開パターンも増えますが、個人的には事故の元です。どうしても破械ギミックを厚くして使いたいのであれば「ユベル」に重きを置かず、いっそ「破械」関連カードを主軸にしてしまった方が良いと思います。(その場合は「ユベル」デッキではなく「破械」デッキ feat「ユベル」だと思っています。)

※上記理由から、有料部分の展開パターンではこの4枚以外の「破械」カードを使用していません。(強いて言えば「破械神アルバ」は後攻で捲る時にはとても強力なカードです。枠に余裕があれば採用しても良いと思います。)もしその他の「破械」モンスターや「破械」魔法・罠を複数採用したタイプの構築を探している方には、このnoteの展開パターンはあまり有用では無いかもしれないです。周囲の「破械」有識者へ「ユベル」パーツを出張させた時の話を相談してみて下さい!

ヴィジョン・リゾネーター / クリムゾン・ヘルガイア

  「ユベル」モンスターと合わせて毎ターンレベル12シンクロ召喚ができます。「騎士皇アークシーラ」の効果が強力で、永続魔法を多用するこのデッキと相性が良いです。
 また「ヴィジョン・リゾネーター」は「ナイトメア・ペイン」の効果で破壊することで、闇属性切れに悩むことなく実質コスト無しで「ナイトメア・ペイン」を使用できます。「クリムゾン・ヘルガイア」は「七精の解門」で手札に戻すことができます。

No.2 蚊学忍者シャドー・モスキート

 「暗黒の招来神」単体からエクシーズ召喚できます。実質「ナイトメア・ペイン」であり、「ナイトメア・ペイン」適用下では純粋にダメージが倍になります。自身が戦闘破壊耐性を持っているため「天霆號アーゼウス」の素材としても優秀です。

No.65 裁断魔人ジャッジ・バスター

 「暗黒の招来神」単体からエクシーズ召喚できます。本命である「サクリファイス・D・ロータス」「スピリット・オブ・ユベル」へのモンスター効果による妨害をケアできますが、「無限泡影」には無力です。何に重きをおくかで採用が分かれると思います。

No.29 マネキンキャット

 「暗黒の招来神」単体からエクシーズ召喚できます。相手フィールドにモンスターを特殊召喚して「ライトニング・ストーム」「拮抗勝負」をケアします。手札から相手フィールドに「ガイストーチ・ゴーレム」を特殊召喚して発動条件を満たし、デッキから「サクリファイス・D・ロータス」や「深淵の結界像」を特殊召喚することもできます。

超弩級砲塔列車グスタフ・マックス

 「ユベル」モンスターがレベル10であるため、簡単にエクシーズ召喚できます。後述するワンキルパターンで使用するため、相性が良いというより必須です。

超弩級砲塔列車ジャガーノート・リーベ

 効果使用後の「超弩級砲塔列車グスタフ・マックス」に重ねてエクシーズ召喚することで実質8000ポイント分のダメージを与えることができます。ユベルを知らない対戦相手からはけっこうな回数「ユベルはこちらがモンスター出さなければダメージを与えられない」と言われましたが、このギミックがあるおかげで容易にワンターンキルできます。もしキルできなくても「アーゼウス」(2素材)に繋げることができるため無駄が無いです。

終戒超獸-ヴァルドラス

 ランク10で効果無効を持つ強力なモンスターです。「ユベル」デッキの課題であった魔法・罠への全体除去をケアすることができるようになりました。その上自身が破壊された時に1枚カードを選んで破壊できるため、1枚で最低でも3枚のアドバンテージを稼ぐ化け物カードです。先攻では率先してエクシーズ召喚します。

厄災の星ティ・フォン

 こちらの主軸モンスターはATKが3000以下なので影響を受けません。相手プレイヤーはATK3000以上のモンスターの効果を発動したい場合先に戦闘での破壊を狙ってきますが、「ナイトメア・ペイン」のおかげでATK3000以上のモンスターとの戦闘からこのカードを守ることができます。
 また初手に「ナイトメア・ペイン」があるのに闇属性モンスターが存在しない時このカードをエクシーズ召喚することで無理やり発動条件を満たす時に使います。ET・ED中「原始生命態ニビル」で相手の展開を止めた後このカードで原始生命態トークンを戻して2900ダメージを与え、次ターンは「スピリット・オブ・ユベル」で守れば勝ちという時に重宝します。

魔界特派員デスキャスター

 起動効果で墓地から任意の悪魔族モンスターを特殊召喚できます。効果発動後は悪魔族縛りがつくため、展開後に「超弩級砲塔列車グスタフ・マックス」を特殊召喚したい場合は注意です。
 また自分のモンスターが破壊される場合代わりに悪魔族モンスターをリリースする永続効果があり、破壊されたくない「ユベル」以外のモンスターを守ることができます。「~を破壊する。その後~」というタイプのテキストを持つ相手のカードを阻害したい時に有効です。

転生炎獣アルミラージ

 主に3つの用途があります。 

①「サクリファイス・D・ロータス」の召喚成功時に「エフェクト・ヴェーラー」「無限泡影」といった効果無効系のカードを発動された後、このカードの素材として1度墓地に送り、「七精の解門」で特殊召喚することで効果を通します。

②墓地に悪魔族モンスターが存在しないと動くことができない展開パターンがあるため、通常召喚した「暗黒の招来神」を墓地に送るためにリンク召喚します。このカードである必要は無いですが、現状レベル2&悪魔族&効果モンスター1体を素材にリンク召喚できるモンスターがこれしかないため採用していました。

壊獣

 後攻で相手モンスターを一掃するのはもちろん、先攻でも「スピリット・オブ・ユベル」を破壊しながらレベル10の「壊星壊獣ジズキエル」を特殊召喚してランク10エクシーズ召喚に繋げたり、「多次元壊獣ラディアン」を特殊召喚して素材に悪魔族指定があるリンクモンスターを召喚したりできます。

ピリ・レイスの地図

 「サクリファイス・D・ロータス」「暗黒の招来神」が対応しています。(「ヘルグレイブ・スクワーマー」も対応していますが、通常召喚するメリットが無いです。)このデッキは上記の2枚が初手にあることが理想的であるため、LPが半分減ることを気にしないのであればとても相性が良いです。「暗黒の招来神」の効果で通常召喚権が1回増える点もこのカードの発動後の制約と噛み合っています。「ナイトメア・スローン」登場までは採用を見かけるカードでしたが、今はこのカードまで入れると過剰かもしれないです。(ちなみに私はライフポイントが半減することを嫌い「ナイトメア・スローン」登場前も採用していませんでした。)

闇の誘惑 / 十種神鏡陣

 闇属性やレベル10に対応したドローソースです。コストにしたカードが「ユベル」モンスターであれば「エターナル・フェイバリット」で再利用できるため無駄がありません。

融合派兵

 デッキから「ユベル」を特殊召喚できます。ただしEXデッキに「E・HERO ネオス・クルーガー」を採用する必要があります。(「ユベル-Das Ewig Liebe Wächter」に素材として記載されているのは「ユベル」モンスターであるため、「融合派兵」の発動条件を満たすことができません。)

ワン・フォー・ワン

「サクリファイス・D・ロータス」「ヘルグレイブ・スクワーマー」をデッキから特殊召喚できます。手札コストが気になりますが、初動を増やしたいなら採用はありです。

カイザーコロシアム

 デッキの性質上モンスターを大量展開しないため、先攻後攻どちらでも活用できます。先攻では「ユベル」モンスター+「ナイトメア・ペイン」+「カイザーコロシアム」という布陣を敷くことで相手の展開を許さず毎ターンバトルフェイズを強制することができます。また後攻では相手に大量展開させた後このカードを発動することで、その後の展開をさせないロックをかけます。(相手にモンスターが2体以上存在する状態でこのカードを発動しこちらがフィールドに出すモンスターを1体に留めることで、効果処理で相手モンスターの数が増えるようなカードを発動できなくなります。例えば昨今の環境では「賜炎の咎姫」の墓地効果、「超融合」「EMERGENCY!」「聖炎王ガルドニクス」「炎王神獣キリン」等が当てはまります。)
※このカードは裁定が本当にややこしく、状況によっては一例として挙げている上記カードも発動できます。

暗黒界の傀儡

 フィールドで発動する効果は、お互いの墓地のカードを合計3枚まで除外できます。速攻魔法であり発動タイミングに指定も無いため非常に強力です。効果処理で手札から悪魔族モンスターを捨てなければいけませんが、捨てたモンスターは「ヘルグレイブ・スクワーマー」「七精の解門」等で墓地から特殊召喚でき、「ユベル-Das Abscheulich Ritter」のように手札で機能しないモンスターや2枚目の「暗黒の招来神」なら心置きなく捨てることができます。
 
 また墓地からこのカードを除外することで、除外されている悪魔族モンスターを手札に加えることができます。相手によって除外された「ユベル」関連モンスターを回収するだけではなく、「暗黒界の傀儡」自身の効果で除外したカードを次のターン回収するという選択肢もあります。

激流葬

 こちらのモンスターは破壊耐性がある or 破壊されても後続を特殊召喚することができるため影響が少ないです。相手目線では「超融合」を乗り越えてワンターンキルしようとしたところでモンスターを一掃されたら堪ったものではありません。

救いの架け橋

 一応紹介しておきます。墓地から除外することで「ナイトメア・スローン」と「宝玉獣」モンスターを手札に加えることができます。有名なコンボとして「宝玉獣サファイアペガサス」「究極宝玉獣レインボー・ドラゴン」を採用してランク4エクシーズを狙うギミックがあります。ただデッキ全体で序盤にこのカードを手札デッキから墓地に送る方法が「七精の解門」くらいしか無く、「ナイトメア・スローン」を手札に加えるために「ユベル」と関係ないカードを5枚以上入れるのも本末転倒です。
 フィールドで発動する効果も悪魔族以外のレベル10モンスターを能動的に並べる必要があるため現実的では無く、総じて個人的には微妙な印象です。

スキルドレイン

 「サクリファイス・D・ロータス」は発動コストで自身をリリースするため影響を受けません。「暗黒の招来神」等の一部モンスターは影響を受けてしまいますが、それよりも相手が受ける影響の方が大きいです。また各種「ユベル」効果モンスターに戦闘破壊耐性が無くなるため、「ナイトメア・ペイン」適用下で連続攻撃によるワンターンキルを狙うこともできます。


5.構築と採用理由

 
 
LEGACY OF DESTRUCTION発売直後の大会で私が使用したレシピです。時間が経てば環境テーマのシェアも変動し、それに合わせて構築も変わります。この構築が絶対では無いですし、サイドデッキは地域によって環境が違うと思うので、この時点でのメインデッキの採用理由を書きます。

7勝1敗で2位になったレシピ

1.採用したカード

スピリット・オブ・ユベル
 
攻撃と防御を兼ねた効果を持っていて初手に欲しいため、3枚採用です。

ユベル
 
2枚あるとできる展開パターンも存在しますが、今回は40枚構築のため事故を危惧して1枚だけ採用です。

ユベル-Das Abscheulich Ritter
 
どこからでも再利用できるため1枚で十分です。

サクリファイス・D・ロータス
 
1枚初動であるため3枚採用です。このカードへの「灰流うらら」が厳しいという声をよく聞きます。実際PHANTOM NIGHTMARE発売時点ではその通りでした。ただ新規が初動になる効果を持っているため貫通力が増しています。このカードへの妨害が厳しいなら他のカードに妨害を使わせてからこのカードを通しましょう!

ヘルグレイブ・スクワーマー
 
1枚初動ではありませんが、他の悪魔族と重ねて引くことでリンク召喚に繋げたり対象を取る効果をサクリファイスエスケープしたりできるようになります。また1枚でモンスター2体分、クロニクルカウンター3個分の役割を果たす上、2ターン目以降もリソースとして使用したいため複数採用が望ましいです。
 最初は3枚入れていましたが、今回は同じような役割の「破械神シャバラ」を採用していたためこちらを2枚にしました。

暗黒の招来神
 
1枚初動である上「七精の解門」の有無は勝敗に影響するといっても過言では無いため、3枚採用です。対戦が長引くと3体フル活用することがあり、「七精の解門」はデッキに対象のカードが無いと発動できないため、確実に発動するためにも最大枚数の採用が望ましいです。

破械神シャバラ / 破械神シュヤーマ
 
1枚初動では無い上レベル6なので単体では何もできませんが、「ユベル」モンスターを絡めることで展開が大幅に伸びます。PHANTOM NIGHTMARE発売時点では「破械神シャバラ」は事故要因の割に大した恩恵が無かったため「破械神シュヤーマ」のみ採用していましたが、新規の登場によって「破械神シャバラ」があることで成立するルートが増えたため2種とも採用しました。使ってみて気づきましたが、初手に1枚引いてしまったとき「破械神ヤマ」をリンク召喚しても無駄が無い点もメリットでした。

灰流うらら
 相手の「増殖するG」を無効にしたり、相手ターンに妨害として使ったりします。「灼熱の火霊使いヒータ」の的をプレゼントすることになるので、炎属性一強環境に戻るようなら採用枚数を考えます。

増殖するG / 原始生命態ニビル
 
「スピリット・オブ・ユベル」があるため、このデッキの「増殖するG」「原始生命態ニビル」はすごく強いです。普通は相手フィールドが空いた状態で相手がこのカードを発動してきたら少しくらい無理をしてもワンターンキルを狙いたいところですが、引かせたカードが「スピリット・オブ・ユベル」だった瞬間ワンターンキルが失敗するリスクがあります。その上手札が増えた相手にターンが渡ってしまいます。だからと言って発動無効効果を持つモンスターを展開するために特殊召喚を重ねていると、その間に別の妨害効果持ちモンスターをドローされる可能性があります。召喚・特殊召喚を4回に抑えながら「スピリット・オブ・ユベル」をケアして8000ダメージを与えるってなかなか難しいです。だからこそ普通はあまり展開しないようなデッキが無理をして「原始生命態ニビル」がクリーンヒットします。

ナイトメア・ペイン
 
1枚初動では無いですが、貴重な「灰流うらら」を受けるためのカードであり、後攻でワンターンキルするためにも必要です。「スピリット・オブ・ユベル」で手札に加えることはできますが、当然最初からこのカードを引いている方が手数は増えます。
 また相手はバトルフェイズ前にこのカードを最優先で除去してくるため、場合によっては2枚以上フィールドに発動しておくシーンもあり3枚必須です。

七精の解門
 
このカード1枚だけでは展開が伸びず、2枚引いても1ターンに1枚しかカードの発動ができません。ただできるだけ初手には欲しいこと、③の効果で無限に回収できることを考慮して2枚採用です。

マチュア・クロニクル
 簡単に超融合を手札に加えることができ、フィールドに残っていれば毎ターンリソースを生んでくれます。

超融合
 他のデッキのこのカードは環境を選びますが、「ユベル」デッキでは腐ることが無いので最大枚数採用です。余談ですがレシピの写真で他の「ユベル」関連カードは25thシークレットにしたのにこのカードだけウルトラレアなのは、初めてCSで優勝した時にHEROでこのウルトラレアの「超融合」を採用していたからです。つまり愛。

墓穴の指名者 / 抹殺の指名者
 「墓穴の指名者」は「灰流うらら」や相手のメインギミックのモンスターに対して有効なためずっと採用し、「抹殺の指名者」は採用していませんでした。しかし今回新規の登場で特殊召喚する回数が増えたため、以前の「ユベル」デッキよりも「増殖するG」を止めたいことが多くなりました。その結果「抹殺の指名者」も採用しています。
 一応「抹殺の指名者」で好きなカードを除外し、「マチュア・クロニクル」で手札に加えるという小技もあります。

ナイトメア・スローン
 最高の1枚初動&耐久性UPカードです。みんな3枚採用だと思います。

激流葬
 「原始生命態ニビル」と同じような理由です。また、今期はサイドチェンジ後の「魔封じの芳香」が流行っているため、それを使用されたうえで後攻から勝つことを考えなければいけません。その際このカードをセットしておくことで、「魔封じの芳香のせいで使用できなかった魔法カード」だと錯覚した相手がワンターンキルをするために大量展開してくれます。発動無効持ちモンスターが並ぶ前にこのカードを発動してテンポを崩します。(2024年3月時点では抜きました)

エターナル・フェイバリット
 PHANTOM NIGHTMARE発売時点では2枚必須でした。今回も本当は2枚採用したかったのですが、40枚に収めることと「ナイトメア・スローン」の登場で相手ターンの延命率が上がっていることを考えて試しに1枚採用にしてみました。やっぱり2枚あった方が強いですが、40枚構築で2枚入れると枠が厳しいです。

2.採用できなかったカード

ユベル-Das Extremer Traurig Drachen
 
新規の登場によってこのカードが必要なルートが増えたため、予選1回戦の着席前までデッキに入っていました。でもこのカードを初手に引いた結果負けたら,,,と悩んだ結果さいころを振り出た目で決めることにしました。(普通に考えたらそんな決め方あり得ないですが、発売翌日に結果を残したかったので、気が気ではありませんでした。)結果、この日は採用しませんでした。一日通して手札事故はありませんでした。

魔界発現世行きデスガイド
 「暗黒の招来神」と召喚権が被っているため、今回は採用を見送りました。デッキから「クリッター」を特殊召喚できるのはとても魅力的なため、いずれこのカードを採用した型でも大会に出てみようと考えています。

テラ・フォーミング / 金満で謙虚な壺
 初手の安定性を上げてくれる貴重なカードなので自分のデッキのことだけを考えるなら採用した方が良いです。ただ上述の通り「魔封じの芳香」が流行っていて、サイドチェンジ後に抜くことが明白だったので最初から別のカード=「激流葬」と交換しました。

エフェクト・ヴェーラー / 無限泡影
 効果無効1枚で相手を止めるようなデッキではないこと、その発動がきっかけで「三戦の才」の条件を満たし、自分の「ユベル」モンスターのコントロールを奪われたり手札の「スピリット・オブ・ユベル」をデッキに戻されたりして負けるリスクがあることから採用を見送りました。「無限泡影」は上記のようなリスクはありませんが、「ナイトメア・スローン」の存在から「増殖するG」で引いても嬉しくないため見送りました。


6.採用候補に挙がらなかったカード

 
 展開紹介の前に世間では採用を見かけるけれど私が採用していないカード、もしくは「〇〇は採用しない?」と聞かれた事があるカードについて、なぜ採用していないかを記載しておきます。競技目線でけっこうキツイことを書いていますが、カジュアル構築ならもちろん、競技目線でも「俺はこれを入れたほうが強いと思うぞ!」と思ったら入れて問題ありません。ただ、今回ここで登場するカードは2024年2月時点では理由を持って採用していないため、【ユベルギミックでの展開パターン】には登場しません。ご容赦下さい。

ユベル3枚採用

不思議なことにけっこう見かけます。カジュアルの「ユベル」に全力を注いだデッキなら全然問題無いです。でも競技目線では1枚〜2枚で良いです。

「破戒」魔法・罠カード

メリット
「破戒神シャバラ」でセットする事ができるため、展開パターンを増やしたり上振れを狙ったりするには必要です。このカードの有無で「DDD怒涛大王エグゼクティブ・シーザー」を召喚できる可能性が上がります。

不採用の理由
 正直無くても展開に困らないし、素引きした時の弱さが致命的です。(「破戒」カードがある前提の効果をしているので、初手にあったら実質1ハンデスです。)ただでさえ「ユベル」モンスター3種が初手で機能しないため、極力不要なカードは引きたくないです。だったら他の「破戒」モンスターも一緒に引いていれば良いと思った方、残念ながらそれはただの2ハンデスです。

〈2024年4月末追記〉
「禁じられた一滴」「冥王結界波」をケアするためにメインデッキへの採用が主流になっているようです。採用をしたい場合は「破械神シャバラ」の効果でセットしたという想定で見てみてください。

召命の神弓-アポロウーサ

メリット
 召喚できれば複数回効果を無効にでき、実際他のデッキでも活躍しているためこのカード自体は強いです。

不採用の理由
 「サクリファイス・D・ロータス」と役割が被っています。またこのカードはデッキの弱点を補っていません。私が3ヶ月間使用して感じたこのデッキの負け筋は、サイドチェンジ後に相手の後攻で使用される魔法罠全体破壊系のカードです。もし「召命の神弓-アポロウーサ」+「ユベル」+「ナイトメア・ペイン」+「エターナル・フェイバリット」という最低限の布陣を敷くことができたとして、相手がサイドデッキから「大嵐」「ライトニング・ストーム」「コズミック・サイクロン」等をフル投入してきたら、一瞬で信頼の置けないフィールドに早変わりです。また「禁じられた一滴」「冥王結界波」への耐性が無いため、同じリンク値4分のモンスターを使用するなら、「終戒超獸-ヴァルドラス」「破戒神ラギア」「警衛バリケイドベルグ」の中から状況に応じた2体を召喚して妨害を分散させた方が良いです。

※カードショップで見かけた「ユベル」デッキにはほとんどの構築にこのカードが入っていました。私が採用していないだけで一般的には強いのかもしれません。

サクリファイス・アニマ

メリット
相手モンスターを1体除去できる?

不採用の理由
 「転生炎獣アルミラージ」のような使い方+除去効果持ちということで採用されているのだと思われます。大前提として上手いプレイヤーは常にこのカードの存在を意識しているので、レベル1モンスターの採用がバレた瞬間目当てのモンスターは対象のメインモンスターゾーンには召喚されないと思った方が良いです。効果無効を受けたモンスターを1度フィールドから墓地に送る目的であれば、「暗黒の招来神」を素材にできる「転生炎獣アルミラージ」の方が良いです。ヘルグレイブ・スクワーマー」を墓地に送ることを目的とするなら採用しても良いかもしれないです。

融合超渦

メリット
 フィールド上のモンスターを「ユベル」として扱い、無理やり不意打ちの「超融合」を狙うロマンカードです。

不採用の理由
 その後発動するカードが「超融合」なら問題ないですが、「エターナル・フェイバリット」で融合召喚を狙う場合は注意です。あくまで “融合素材とする時に「ユベル」として扱う” だけで、 “「ユベル」が存在する” という発動条件は満たしません。別で自分フィールド上に正規の「ユベル」が存在する必要があります。


7.ユベルギミックでの展開パターン

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