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「自律神経を整える」と簡単にいうけれど

最近、いろんな媒体やセラピスト、インストラクターから
「自律神経を整える」
というキーワードを耳にします。
私自身もそれを使いますが
「整える」という事を安易に扱う風潮を感じて、
自律神経について改めて私の考える内容を綴りたいと思います。

そもそも自律神経は
日常で生きる土台となる
呼吸、消化、発汗・体温調節、内分泌機能、生殖機能、代謝という
無自覚に働く機能のバランスを整えるシステムの神経
そもそも、体性神経と異なり、感覚器がないので
働きの程度を感じる事ができず
自分の意志でコントロールもできません。
しかも神経は信号を伝達する部位。
実際にコントロールしているのは脳(視床下部)です。
それ故に感情や感覚で感じる中に生まれるストレスに左右されます。

逆にいえば自律神経に刺激を与えて整えるとは、少しおかしな話なのです。

自律神経には
活動する際に働く交感神経

回復や活動を控えてエネルギーを貯める際に働く副交感神経
に別れます。
活動した分だけ回復をして
日常をこなしていくのが通常ですが、
そのバランスが崩れると
交感神経が常に優位では眠れず、消化も悪く、疲労はたまり、
副交感神経が優位になると身体は重く、なかなか動けなくなります。

自律神経を整えるとはその日常自体が改善する事なので、
その場一回の回復やリラックスだけでなく
それぞれの場面で切り替えと十分なパフォーマンスが『習慣化』して初めて整える事になるんです。

ではどうして
自律神経は乱れるのでしょうか?

現在社会は
人間の力量を超えた文明が存在し、
それ故にその情報をたくさん脳で処理しています。
テレビ、スマホ、パソコン
音楽やコミュニケーション
あらゆる所に存在する広告
街のいろどり、
スーパーやコンビニの陳列
車の運転、
楽しみとしての娯楽など、
それらは活動的な事であり、それに適応するためには交感神経はより張り詰めた状態になります。
そんななかに適応するとは
言い換えれば、回復する機能を置き去りにして、
賢明に身体が適応して立ち向かっている状態なんです。

そうした時代だからこそ
回復する事をいかに意識して日常に取り入れているかが
大切になるのです。

ではサロンやヨガなどのボディーワークで
整えさせるとは
何をする事なんでしょうか?

幸い、人は自律神経が関わる機能で、その機能を自発的にコントロールして、眼で確認できるものがあります。
それが呼吸です。

息を吸うときは
酸素をとりこみ、より活動する事なので交感神経
息を吐くときは
二酸化炭素を吐き出した回復するので副交感神経が働きます。
また、内蔵のうごきに関わるお腹を意識して呼吸する事で副交感神経をより優位に導けます。これが腹式呼吸です。

この腹式呼吸をコントロールしたり、状態の目安として確認できる事が
サロンの中で自律神経に関わる大きな要素となります。

私は交感神経優位な方に対して
アプローチする意味をふた通り考えています。

一つは生活習慣も含めて習慣を改善したい方。
その方には
施術による
頭と身体の疲労を取り除き、
深いリラックス状態を与え続けて
強い副交感神経優位の時間を過ごしていただき、
夜の睡眠に対する副交感神経の作用が上手く働くようにする。
それをきっかけに
食事、睡眠という軸を立て直して、自律神経を中心に考えた生活のサイクルを整える。

もう一つは
生きる中の楽しみや
生きる上でやらなければならない事に
一生懸命な方に
それ以上、自律神経のバランスが崩れないように
深く回復できる宿り木として
存在する事です。

整えるといっても
生き方が異なれば
自律神経の向かいあいも変わります。
その意志を尊重して
手を差し伸べるのが
私のあり方だと思います。

身体をいたわる中で
自律神経という一面に対して
その意味に正確に
だけど柔軟に応える。

次くる方にもより丁寧に☺️

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