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競落物件のすゝめ①

yさん、ケイナさん、サポートありがとうございます(〃・д・) -д-))ペコリン🍬(7月6日追記)

ここではない、どこか。

日頃の喧騒を忘れ、ふらっと旅してみたいと思う人は少なくないのではないだろうか。
多くは観光地を巡り、その地でしか出来ない買い物を。
今の季節であれば、山登りやキャンプ、海水浴は砂浜でバーベキューを楽しむ。

近場から遠く離れた外国まで、旅行の楽しみは多彩だ。

では私の旅行は、と言うと…
ちょっと変わっているかもしれない。

ネット上にある、マップ機能を使って…住所を適当に選び、その部分を細かく見ていくこと。

地図上の、旅行だ。

病により根っからの出不精になってしまった私は、ふわりふわりとネットの海に浮かび、様々な場所へ出かけていた。

訪問先が観光地なら、とても綺麗な晴れ渡った景色が情緒たっぷりの文章と共に投稿されている。
美味しいと評判のレストランなら、美味しそうな料理が並んでおり、画面の向こう側からヨダレを垂らす。
写真はどれも素敵で、鮮やかに撮れている。
なにより、レビューが詳細に載っていて、文字からもたくさんの情報を得られる。
しばらくはそうして、遊んでいた。


飽きた。
飽きてしまった。


観光地はキラキラし過ぎていた。
引きこもりでボサボサの頭に、だらしなくルームウェアを着崩し、ゴロゴロしている現実の私とは色々とかけ離れていた。
なによりも、綺麗過ぎる不自然な写真ばかりだった。
料理はやはり、目の前で出されたものを自分で味わいたかった。
画面の向こう側から飯テロを常に喰らっていたい人などいない。
実際に今後、訪れるからこその想像力である。
詳しく載るレビューも、自分が体験した訳では無いから、実際ほんとうに美味しいのかどうなのか、さっぱり分からない。

そこで今度は、MAPの全然知らない場所をクリックし、ズームで大きくして見に行く事にした。
ほんとうに、あてもない旅。
それは知らない遠くの未知の世界、想像力を掻き立てられ、好きな風に物事を考えられるようになった。

ところがこれは、すぐに大層つまらなくなった。
最初は良かったのだが、今度は行った場所から得られる情報が圧倒的に少ない。
海外ならまだしも、国内にただ建てられた住宅街を眺めていても、なーんにも分からない。
住んでいる人のことも分からないし、土地の過去の出来事も知らない。
ダメだこりゃ。
やはり、なにかとっかかりが必要か。
その場所に関しての過去の出来事、住んでいた人の痕跡のようなものを知りたいなぁ…

そこで私は思いついた。

そうだ、裁判所の競売にかけられている、家を見に行こう!!

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不動産競売物件情報サイト BIT
http://bit.sikkou.jp/app/top/pt001/h01/


そこは、全国津々浦々の、ワケあり物件が載っていた。
どれもこれも、通常の不動産取引では売買する事が出来ない事情を抱えた物件ばかり。
今現在、どのような物件で、過去どのような経緯があって、競売に出されることになったのか。
もちろん写真も載っている。

建物や土地はピンからキリまで。
新しいピカピカの物件もあれば、ボロボロな今にも崩れそうなもの、普通の人には手に負えないであろうヤバそうな物件まで様々だ。
そして、市場価格よりも安い。

このサイトは全ての人が無料で閲覧できる。
資料もダウンロードすることが可能。
不動産業者さんなどは良く目にして居るのでは?とも思う。
ただ、まずごくごく普通の人が物件情報を見て、載っている中古物件を直接個人で買うことは少ないと思う。
何故かと言えば、それは、先程も書いたとおりに「様々なワケあり物件」だからだ。
一筋縄ではいかないものばかりが載っているからこそ、通常の市場価格より安いのだ。

ちなみに、この「ワケあり物件」を競売で落札し、買ったものを「競落物件」という。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
動産および不動産の競売において最高価額による買受けを申し出た者 (買受け申出人) に目的物件の所有権が移転すること。所有権の移転は,買受人が代金を納付したときである (民事執行法 79) 

きょうらく、とも読むが、私は法律用語での読み方、けいらく、と読んでいる。

デジタル大辞泉の解説
[名](スル)競売で、動産または不動産をせり落としてその所有権を取得すること。法律用語では「けいらく」と読む。

とても不謹慎な物言いかとは思うが、ワケありという、いわゆる「暗闇」を覗くこと。
私にとって、こんなにワクワクすることは無かった。

そうして、私の競落物件探索の旅が始まった。

ねことコーヒーと牛乳がすきです。