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Unlocking the power of Google Ads 02


推定クリック率/広告の関連性/ランディングページの利便性

 品質スコアについては、Google Adsの管理画面がリニューアルされたタイミングで、より細分化することが可能になりました。品質スコアを構成している推定クリック率、広告の関連性、ランディングページの利便性に関して、平均より上・平均・平均より下の3段階の評価を確認することができるようになり、品質スコアを改善するために何を改善するべきか判断しやすくなりました。

 推定クリック率は、Google Adsの視点では予測クリック率ですので、ターゲットキーワードの文字列に対する広告の視認性が大きく関連します。推定クリック率が平均より下の評価である場合、ターゲットキーワード内のユーザーニーズのコアとなる文字列が見出し1において可能な限り左側に含まれているかどうか確認してください。

 広告の関連性はターゲットキーワードの文字列が広告クリエーティブ内にどれくらい含有されているかによって変動しているように見受けられます。(※あくまで個人的な分析による見解です。)1つ1つのターゲットキーワードの文字列のすべてを広告クリエーティブに含めることは難しいと思いますので、ターゲットキーワードごとではなく、広告の関連性が平均より下の評価となっている複数のターゲットキーワード群の文字列の中で頻出しているが広告クリエーティブに含まれていない文字列に対して対応するのが効率的です。

 ランディングページの利便性については、2009年から品質スコアに加味されるようになりました。主にランディングページの表示速度が大きく関わっていると思われます。管理画面のリニューアル後はモバイルデバイスによって評価方法が異なり、PCは減点法、モバイルについては加点法でした。減点法ということは、表示スピードが遅すぎるなど余程のことがない限りパフォーマンスに影響しないということですが、モバイルについては加点法ですので表示スピードを含む利便性が良くなれば良くなるほどパフォーマンスも良くなると考えられます。トラフィックの中心がモバイルであれば尚更重要です。

インプレッションシェア / インプレッションシェア損失率(広告ランク / 予算)

 入稿された広告はターゲットしたキーワード(で捕まえ得る検索語句)で検索されたら必ず広告が掲載されると運用を始めたばかりの方は思うかもしれません。しかしながら先にも述べた通り、広告ランクには広告のオークションに参加する資格の有無を判定する役割があり、広告に関する質・お金もしくはその両方が低ければオークションに参加することはできませんし、もちろん予算がなくなってしまえば広告の掲載はできません。

 何が原因で広告の掲載ができなかったのか、そしてより広告の表示回数を増やし、より多くのクリック、コンバージョンを獲得するためには何を改善すればいいのかを明確にするための指標の1つがインプレッションシェアです。

検索インプレッションシェア:検索ネットワークで発生した実際の表示回数を、表示候補となった(オークションに参加した)回数の推定値で割ったものです。

検索での完全一致インプレッションシェア:キーワードと完全に一致する検索による広告の実際の表示回数を、完全一致(※マッチタイプのことではありません)によって表示される可能性があった回数の推定値で割った割合です。このデータは、検索ネットワークに広告を掲載するキャンペーンと広告グループについてのみ確認できます。

検索インプレッションシェア損失率(広告ランク):広告ランクの低さが原因で、検索ネットワークに広告が表示されなかった回数の割合です。

検索インプレッションシェア損失率(予算):予算不足が原因で、検索ネットワークに広告が表示されなかった回数の割合です。このデータはキャンペーンレベルでのみ確認できます。

インプレッションシェア + インプレッションシェア損失率 (広告ランク) + インプレッションシェア損失率 (予算) = 100%

 広告を運用する際、広告主から現状のアカウントについて、あとどれくらいの広告露出機会があるのか、それに対してどれくらいの予算が必要なのかを算出してほしいという依頼を受けたことが多くの広告運用担当者にはあるのではないでしょうか?そのような広告露出機会を判断することに利用可能な指標がインプレッションシェアです。
 
 インプレッションシェアは推定される検索総数に対して広告をどれくらい露出させることができたかを示しており、インプレッションシェアを損失する要因は2つ、広告ランクによるインプレッションシェア損失率と予算(キャンペーン日予算)によるインプレッションシェア損失率です。すべてを足し合わせると100%となるので、広告ランクもしくは予算のどちらの要因で何%のインプレッションシェアを損失したのかを把握することができます。

インプレッションシェア損失率(検索連動型広告)の改善

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 インプレッションシェアを損失するということは、関連性のある検索語句が検索されているにも関わらず、広告ランクが低いもしくはキャンペーンの日予算が少ないために広告を露出させる機会を損失するということです。広告の効果を最大化するためには、まずターゲットとなり得るユーザーの検索に対して広告を露出させる機会を最大化させる必要があります。すなわちインプレッションシェアを最大化することが広告のパフォーマンスの最大化には必要不可欠なのです。

 予算によるインプレッションシェア損失率については、キャンペーンの日予算が足りてないことによりオークションへの参加を制限されている状態です。解消方法にはいくつかの選択肢がありますが、基本的には実消化コストよりも日予算を多い状態にすることによって解消することができます。または共有予算をキャンペーンを跨いで組むことによって、予算内で可能な限り広告の露出量を最大化することができます。

 これまでキャンペーン日予算に関しては、設定された日予算の20%まで超過する可能性がありましたが、今後は200%まで超過する可能性があるため、予算をキャンペーン毎に決めている案件においては、予算の決め方を変える必要があります。無論、アカウントに設定された予算を超えることはありませんが、キャンペーンレベルで予算調整が必要な案件はその調整が難しくなります。

 キャンペーンの日予算が足りていない状態下においては、設定されている日予算に実消化コストを近づけることで最大限オークションに参加できるようにシステムがインプレッションおよびクリック、消化コストが多い検索語句に対する広告の露出制限を行うため、コンバージョンの獲得数の多い検索語句に対する広告が露出制限されることに繋がり、キャンペーン全体のコンバージョン率が安定しません。そのため自動入札を導入することが難しい状態となります。ただし入札戦略のクリック最大化もしくはコンバージョン最大化の戦略を利用する場合、設定された予算内でクリックもしくはコンバージョンを最大化できるので予算によるインプレッションシェア損失率は低下する可能性があります。(詳しくは自動入札機能の章にて)

 広告ランクによるインプレッションシェア損失率を改善するには、広告ランクの構成要素である広告の予測クリック率もしくは上限クリック単価の改善が必要であり、ターゲットキーワードレベルではステータスが"広告の掲載が可能(制限付き)”となっているキーワードすなわち文字列に対して広告クリエーティブの改善を加えることが有効です。

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”広告の掲載が可能(制限付き)”のステータスのキーワードには3つの種類が存在します。

ほとんど表示されていない(品質スコアが低い)
 
 品質スコアが低い(品質スコアが1もしくは2の)キーワードについてはその文字列に対して広告の視認性が悪いということを示しているため、そのステータスのキーワードを特定し、広告クリエーティブに含めることで改善する可能性があります。
また文字列が広告に含まれているにも関わらず、品質スコアが低いと評価されている場合、説明文に含まれている状態であればタイトルに含める、もしくは文章中央や右端に位置している場合は左寄りに持ってくることで改善する場合があります。

推定入札金額(1ページ目)を下回る
 
 推定入札金額(1ページ目)を下回るキーワードについては、文字通り上限クリック単価が低いという意味ですが、広告の予測クリック率が低いことによってクリック単価の効率が悪化した結果、推定入札金額(1ページ目)が上がっている場合も多く、品質スコアの低いキーワードに対する改善と同様、
広告クリエーティブへの改善を加える必要があります。それらの改善の結果、クリック単価の効率が改善できれば、間接的に予算によるインプレッションシェア損失率の改善も可能です。

検索ボリュームが少ない
 
 検索ボリュームが少ないキーワードについては、検索数が1週間に5未満であることを示しており、このステータスは1週間に一度見直しが入ります。文字通りこのステータスの場合、ユーザーが検索していないということを意味しますが、キャンペーンや広告グループを細分化しすぎたために広告のインプレッションが少なく、広告の予測クリック率が計算できないような状態の場合、ターゲットキーワードが存在するにも関わらず、広告が露出しない場合があります。その結果、その広告クリエーティブが紐づく広告グループ配下のキーワードに対してインプレッションが付かない状態となり、1週間に5未満のインプレッションの場合に、このステータスとなります。その場合はアカウント構造の見直しや広告カスタマイザーの利用により、分ける必要のない広告グループをまとめ、広告クリエーティブのインプレッションボリュームを担保することによって広告を露出させることが可能です。

ディスプレイ広告のインプレッションシェア

 ディスプレイ広告にもインプレッションシェアおよびインプレッションシェア損失率(予算/広告)は存在します。

ディスプレイインプレッションシェア:ディスプレイネットワークで発生した実際の表示回数を、表示候補となった回数の推定値で割ったものです。

ディスプレイインプレッションシェア損失率(広告ランク):広告ランクの低さが原因で、ディスプレイネットワークに広告が表示されなかった回数の割合です。

ディスプレイインプレッションシェア損失率(予算):予算不足が原因で、ディスプレイネットワークに広告が表示されなかった回数の割合です。このデータはキャンペーンレベルでのみ確認できます。

 動画広告に関しては、ディスプレイ広告のオークションプラットフォームを活用していると考えられ、インプレッションシェア関連の指標は、ディスプレイインプレッションシェアの数値で確認することになります。

オークションインサイト

 オークションインサイトとは、広告主の競合他社との比較の際に利用する機能です。競合他社は扱っているサービスや商品が似ているため、ターゲットキーワードや広告クリエーティブに関しても似ているものを利用する可能性が高く、インプレッションシェアを利用して競合他社よりも広告を出すことができているかどうかを判断することが可能です。すなわちオークションインサイトにおいて競合他社よりもインプレッションシェアが高い状態ということは、ユーザーの検索に対して競合他社よりも多く広告を露出させることができているということです。
 
 先述した通り、インプレッションシェアを損失する理由は、キャンペーンの日予算が不足している場合か広告ランクが低い場合です。そのため競合他社よりも低い場合は、まず日予算が足りていないキャンペーンはないか、ある場合は可能であれば予算の追加、または予算に余裕のあるキャンペーンと共有予算を組む、追加などができない場合は一時的に順位を下げてオークションへの参加機会は最大化しつつ、広告の内容や入札金額の見直しを行うことで広告ランクを改善、その結果としてクリック単価を改善できれば、日予算によるインプレッション損失率と広告ランクによるインプレッション損失率をともに改善することが可能です。

to be continued...


株式会社アンノウンとは、”葉隠” 葉陰に隠れて見えない=まだ知られていない、”はやい、うまい、やすい”を生み出していくために設立した会社です。

アカウントのコンサルティング業務、Google広告、Yahoo!広告をはじめ、SNS広告など各種アドプラットフォームの運用業務、アカウントデータ分析に基づくクリエーティブ制作やデジタル人材の育成業務を行っております。

・前職では5年に渡り、Project HagakureやGORIN Projectを推進してきましたが、まだ聴いたことがないという人や代理店もいらっしゃるみたいなので隔週木曜日の夕刻(18:00−19:30)でオンライントレーニングを実施することにしました。

01〜04の4回で完結です。下記がイベントへのリンクです。


株式会社アンノウンとは、”葉隠” 葉陰に隠れて見えない=まだ知られていない、”はやい、うまい、やすい”を生み出していくために設立した会社です。各種アドプラットフォームの運用業務、コンサルティング業務、データ分析に基づくクリエーティブ制作やデジタル人材の育成業務を行っております。