『幼児教育の経済学』(ジェームズ・J・ヘックマン)

友人に紹介されて、読みました。
ヘックマンさんは、ノーベル経済学賞なんですって。

ヘックマンの主張は、次の二つです。
・認知的能力(学力)は将来の年収とは関係なくて、非認知的能力の方が大事
 (=良くある、IQよりEQと言うやつ)
・幼児期の教育が一番投資対効果が良い

教育政策を語る論文なので、「米国の限られた教育予算は幼児期教育に重点的に配分すべき」という結論なので、こうなります。親がどうすべきという点で言うと少しずれますが、

(1)親の教育が何を目指すべきなのか
(2)親の年収をどう子どもの教育費に配分するのか、

については参考になると思います。

(1)について例を書けば、学校のテストの点数はあまり意味が無いので、幼児期の子どもに親がすべき事は、公園で自由に遊ばせる事であって、お受験のための学習塾や公文式に通わせて、仮名や漢字をいち早く覚えさせる事ではなくなると思います。

(2)について例を書けば、高校生の大学の予備校のために学資保険でお金をためておくより、親の教育方針にあった幼稚園・保育園にお金を出した方が結果が良さそうです

私に取っては、自分の考えを支援するような論文だったので、自分の教育に確信を持ち、勇気を得ました。

私は、ヘックマンの論文に賛成です。

私は「幼児期の質の高い親の接し方が子どもの成長に取って有効」と思っているので、彼の論はすんなり入ってきました。本の中にあるヘックマンへの反論は「『介入が有効』とは、論点がずれていて駄文」と思って読んでました。介入の善し悪しより、介入の質が重要なんですけどね。この辺りは、アドラー心理学を学ぶとよくわかります。

私にとっては、子育ては目的であり、その経済性は手段でしかないので、「幼児教育のROIとかどうでも良い」と思っているのですが、政策にはROI思考は必要なので論文の意義は大きいと思いました。

人の子育てに口を出すつもりはありませんが、ヘックマンの論文は、すぐ読めますし、妊婦さんや新米パパは、読んでおいて損の無い一冊であると思いました(但し、中身は「幼児教育が大事」以上でも以下でもありません。図書館で借りるとか、ネットで検索して読むでも良いのかもしれません)。

『幼児教育の経済学』(ジェームズ・J・ヘックマン) 


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