書評:『あきらめない』(村木 厚子)

「年金機構へのサイバー攻撃の責任を取って村木事務次官に訓告」との新聞で読んだので、村木さんを調べてみたらこの人だった。

高知大学出身で、訓告処分等を受けつつも、事務次官(省で一番偉い人。官僚のトップ)になっている人。『凛の会事件』で冤罪で捕まり、無罪判決をうける。職務に復帰して、官僚の最高到達点たる事務次官になる。でも、サイバー攻撃でまた訓告。「めげない人だな」と思いました。

「異動になって、業務が変わってもライフワークの障害者支援の視察を続ける等、真面目な仕事ぶり」とWikiにあるので、「これは素晴らしい人に違いない」と思い、応援にもなると思って、著書を買って読んでみました。

久々に尊敬できる人を見つけた気がして、嬉しく思いました。

二児の母。子育ての方針が素晴らしい。村木さんの父親も素晴らしくて、「こういうパパになって、教育をしたいな」と思わせるものがあった。夫の村木さんも、二人の娘さんも素晴らしい。

村木さんは「働き続けたい」という希望だけで公務員になって、「普通の人のロールモデルになる」がミッションでやってきた人。もはや、純粋に職業人と見ても、普通じゃないぐらい仕事ができる人だと思います。

役所という学歴高い人の社会(=東大法学部ばかり)で、多くの人の嫉妬を買いながら、(苦と思わず努力が出来るという意味での)大きな才能がある故に、えん罪で逮捕されて留置所にまで放り込まれた人ですが、いろいろ社会を変えて、事務次官になっちゃうんだからすごいなと。良い仕事もしているので、是非とも、官僚やめても政治家になって厚生労働大臣になって欲しいと思いました(酒強そうだし)。

家庭人として、そして、職業人としてもいろいろな助言が書いてあり、為になる本だと思うので、ピンと来たらおすすめです。

女性に向けて書いた本とあるけど、男性こそ役に立ってしまう本であるように私は思えました。

私はアドレリアンパパなので、村木さんも尊敬しますが、それを支えている村木さんの旦那様もすごく素敵だなと思いました。こんな書評を書いた直後に、村木さんは事務次官を退任なさっていますが、天下り等して外郭団体で稼ぐのではなく、是非、末永く政治家等として、厚生労働関係でご活躍頂ければ嬉しいと思っております。

『あきらめない』(村木 厚子)

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