クラス専用のチャットルームを作ろう!

冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか?

さて、今日は授業やセミナーなどのバックチャンネルについて良さそうなツールを見たのでご紹介したいと思います。

この手のツールとしては「Today's meet.com」というのがいろいろな場所で使われてきて定番でした。しかし数年前になぜか閉鎖が発表され、その後再開する事はありませんでした。

Googleスライドに関しては前にも書いたことがあったかもしれませんが、発表者に対して質問をして、お互いに参加者がその質問を評価し合うことができるシステムが付いています。ですのでこれが、バックチャンネルのような役割を果たしてきた部分もありますが、位置づけとしては参加者から発表者への質問と言うもので、参加者同士のコミニケーションを促進するものではありませんでした。

しかし、実際には発表者が話した内容について、発表者に対してと言うよりもむしろ他の参加者に対してこんな情報もあると情報を提供したり、あるいは発表者のテーマに一般の参加者よりも詳しい場合は、補足的な説明をしたくなるようなこともありますよね。

あるいは、発表について発表者ではなく他の参加者に対して「発表者のこの意見についてどう思うか」あるいは「こういう事例を他にも体験した人がいるか」と言うようなことを質問したくなることもあるのではないかと思います。

このような参加者が他の参加者に向けて情報共有したり、する場合には、GoogleスライドのQ&Aの機能はあまり向いていませんでした。

これは言い換えると、会場の参加者が1つのコミュニティとして機能するには不十分だったとも言えます。

そのような場合に有効なのが、一時的に使えるチャットルームです。アカウントを作ったりする手間がない方が良いでしょう。あくまでも一時的にそのミーティングが行われているときにだけ機能すれば良いので、アカウントは必要ないし、また、そのミーティングやプレゼンテーションが終わったらもう出入りすることがなくなるので、「誰かがコメントしました」とか「誰かが質問しました」とか言う通知を送ってくる機能も必要ありません。

そのような場で非常に有効だと僕が思ったのがChatzyというウェブサービスです。

Chatzyとは

実は、僕もtoday’s meet.comがなくなってからいくつか検索してみたのですが、こうしたすぐに使えるチャットルームのサービスはたくさんあります。しかし、その多くが出会い系のサイトです。ですので、チャットルームに入るときに自分がどのような名前を名乗りたいかに加えて、自分の性別も記入するようになっています。こうした出会い系のチャットルームの多くは、おそらく広告収入で成立しているのだろうと思いますが、実際に派手な色の怪しい広告もたくさん貼ってあるので、あまり教育目的にはふさわしくありません。また、動作が不安定なものも多く、いちどチャットルームを作ってから、1時間後ぐらいにそのチャットルームに入ってみようとすると、「その番号のチャットルームは存在しません」などと言われてしまうこともありました。もしかしたらこれは不安定なのが理由なのではなく、こういう出会い系のチャットルームは刹那的なニーズしかなく、1時間以上存在する必要がないのかもしれません。

しかし、今回ご紹介するChatzyはどのようにして経営が成り立つのかよくわからないのですが、一般的なチャットルームと同じく、メールアドレスを登録する必要もないし、当然パスワードを設定する必要などもないのにもかかわらず、エロ広告が全くなく、おまけに14日間の間は1つも投稿がなくてもそのチャットルームが維持されます。

Chatzy: Free Private Chat Rooms

実際に、教育目的のチャットルームとしてこのChatzyをお勧めしているサイトもいくつか見かけました。

Site Review: Chatzy | Education World

Tools/Chatzy - OER in Education

試しに使ってみたい人は、先ほど僕がこのブログ記事のために作ったチャットルームがありますから、覗いてみてください。

https://us21.chatzy.com/59091070682880
(2週間後には消えている可能性があります)

使い方

入る前に二つ質問されます。一つは「Your name/alias:」というもので、どのように名乗りたいかをここに記入します。もちろん実名でも結構ですし、ニックネームでも動物や果物の名前でも構いません。

もう一つは自分の書き込んだことを何色で表示するかです。最初は黒が選ばれているので、何もしなければそのまま黒い文字で表示されることになります。 色は14色から選ぶことができます。

そしてそのまま「Enter Room」をクリックするともうチャットルームに入ることができます。

その後は普通のZoomのチャットボックスや、 Twitter のグループメッセージのような感じで利用することができます。

基本的な使い方はそれだけなのですが、知っておくと便利なことがいくつかあります。

一つは画面の左側にメニューがたくさんあるので、 「Room Actions」から「Change Room Skin」に入ると、背景に表示される画像を変更することができるので、少なくとも見た目の印象はガラリと変わります。今は「Splashing Water」というスキンにしてあります。他にも映画マトリックス風のものや、お花畑や、夜の街のスカイラインのようなものがあったりします。 ただ、もしかしたらこのスキンは利用者が個別に設定できるのかもしれません。つまり、チャットの内容は参加者全員に同じように表示されるものの、背景などの設定は人によって違うのかもしれません。

絵文字は50種類用意されているようです。

自分で開いてみよう!

もしご自分でこうしたチャットルームを主催したい場合は、単にこの Web サービスのトップページに行けばいいです。

Chatzy: Free Private Chat Rooms
https://www.chatzy.com/

このリンクを開くだけですぐに新しい部屋の名前などを設定することができます。新しい部屋を開いたらその URL を他の参加者に共有するだけで、そのチャットルームに招待することができます。E メールアドレスとメッセージの内容を入力する欄もありますが、これを使わずに上記のように URL を他の参加者にメールなどで共有するだけで招待できます。

【日本語教育現場における利用方法】

クラス運営用のオンラインコミュニティをどう作るかということが時々問題になります。 Facebook は個人的な用途に限定して使っている人がいるので、職場や学校などのような公式な用途で使いたくないという人もいらっしゃいますし、メールはもう若い人はほとんど使っていないからメーリングリストも難しいという場合もあるでしょう。Slackは現代的で素晴らしいと思っていますが、やはりメールアドレスを登録してパスワードも設定しなければいけません。今回ご紹介したチャットツールは、あまり高機能ではありませんが、 とにかく敷居が低いので、何でもいいから手始めにひとつ使ってみたいというような場合には、便利なのではないでしょうか。

その場合の使い方としては、学校側からのお知らせなどに使ってもいいと思いますし、教室内の活動に使ってもいいでしょう。教室内の活動として一番考えやすいのは、やはり学習者が書いた日本語をクラス内の他の学習者と共有するタイプです。 行動中心アプローチの場合なら「こういう状況で何と言えばいいですか」というような質問もできますし、文型シラバスの場合は「この文型を使って例文を作って下さい」というような活動に利用できるわけですね。

【他のメディアではできないこと】

既に Slack や Facebook でこうしたオンラインのコミュニティを作っている学校やクラスもあることでしょう。しかしそういうところでもこうしたチャットルームは役に立ちます。機能としては もちろん他のツールに比べれば少ないのですが、例えばチャットルームに入るたびに名前を変えることができるのは、 教室活動では役に立つ場合もあるでしょう。例えば実名ではシェアしにくいけれども、クラスのみんなにとっては役に立つだろうと思われる情報をシェアしたりすることもできます。教師の方から匿名で投稿するように指示した後で、誰がそれを投稿したのかを当てるような会話のアクティビティも可能でしょう。 また、 チャットを白紙に戻すこともできるので、 そういう前提で記録に残したくないようなことを書いてもらったりすることもできます。

このようにチャットルームひとつをとっても色々な使い方が可能です。21世紀に日本語を学ぶ学習者にとって、オンラインで日本語を書いてそれを他の人と共有するのは死活的な能力の一つです。もしまだそうした能力の育成に関わっていない現場があったとしたら、その第一歩としてこうした敷居の低いツールを使ってみることを強くお勧めしたいと思っています。

そして冒険は続く。

【ブログ更新情報のメールでのお知らせ】
「むらログ」更新情報のメール通知を希望される方は、こちらでご入力ください。
https://forms.gle/4pjSC8DmmW8BEbUv8

【参考資料】
むらログ: チャットを見なおしてみよう!
http://mongolia.seesaa.net/article/370622648.html

Chatzy: Free Private Chat Rooms
https://www.chatzy.com/

Site Review: Chatzy | Education World
https://www.educationworld.com/a_tech/site-reviews/chatzy.shtml

Tools/Chatzy - OER in Education
http://oer.educ.cam.ac.uk/wiki/Tools/Chatzy

【『冒険家メソッド』と電子書籍「むらログ」シリーズを購入して海外にルーツを持つ子どもたちを支援しよう!】

2014年以降のこのブログの内容はKindle本にもまとめられています。2019年中にこちらの本をご購入になると、その収益は全額が「海外にルーツを持つ子どもと若者のための日本語教育・学習支援事業」を実施しているNPO法人YSCグローバル・スクールに寄贈されます。ココ出版の『冒険家メソッド』は初版の本体価格の5%が同センターに寄贈されます。
https://amzn.to/2RiNThw

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

ありがとう! 冒険しなきゃ生きてる意味ないよな!
6

冒険家むらかみ

冒険家、日本語教育コンサルタント。 『冒険家メソッド』『しごとの日本語 IT業務編』の著者。 「むらログ 日本語教師の仕事術」管理人。発言は所属機関とは何ら関係がありません。未来につながる語学学習の情報を発信中。二人のホームスクーラーの父。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。