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自己満足の愛

愛がなんだ を観た。

観終って出口へと向かう薄暗い道。その前に居たのは24歳くらいの茶髪の男女。如何にも雰囲気が合っていてお似合いのカップル、と言った感じ。彼らはこの後一つずつ感想を言おうと話しながら笑い合っていた。

信じられなかった。

人は何をもって他人を愛してると認識するのだろう。これまで私が好きになった人は全員自分にはないものを持ってる人で、自分に影響を与えてくれる人で、私がなりたい人だった。

岸井ゆきこ演じるテルコの好きの果ての姿は自身の鏡写しのようだった。

好きな人が趣味の事をし、好きな人の行った場所へ行き、好きな人の好きな人やモノを好きになって、好きな人のしたいと言った事をした。

それが自己満足の世界の幸せだと知りながら。

でも本当はただ愛されたくて、幸せになりたかった。好きだと認識した時に描いた未来はテルコも中原くんも同じだったはずだ。

愛がなんだを観た後に笑い合えるのは他人事だからだ。私は他人事だと思えなかった。欲しくて欲しくてたまらなくて手に入らなくて、悶えた夜。私はその人が欲しかったものを手に入れようと家を出た。旅路の電車の隣の席は知らないおばあちゃん。テルコは金麦だったけど私は黒ラベル。恐らく色んな人と出会い笑う旅になるだろう。得られるものは確実にあるだろう。けれど欲しいものが手に入る事はない。愛される事はない。私はその人にはなれない。それでも…


観て良かったけどもう二度と観たくない映画でした。中学の部活の走り込みみたいな感じ。

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