アナザーエデンにおける対人型戦略ゲーム的思考の導入

皆さんこんにちは。Legneです。
普段はYouTubeで動画を投稿しているのですが、動画にするような内容でもないことを文章として残そうかなと思いまして…
昔運営していたブログはパスワード忘れたのでnoteで書いてみようと思います。

そんな最初のnoteですが、凄まじく堅苦しいタイトルになっています。
内容も少々小難しいですが、強敵戦の高速撃破や最近実装されたスコアアタックで、個人的には重要になる考えだと思っているので、興味のある方はぜひ読んでいただけますと幸いです。

「アドバンテージ」という概念


今回の記事タイトルにもなっていますが、そもそも戦略ゲーム的思考って何?というお話から。

最近アナザーエデンに復帰した人は特に実感していると思いますが、このゲーム、戦闘面におけるシステムがかなり複雑化しています。
新規実装キャラの個性を出すためにも、新要素の追加は必須であり、定期的にアップデートを繰り返し続けるというソシャゲのビジネスモデル上避けられぬ現象なのですが、それにしても複雑です。
初期スキルと比較的最近実装されたスキルの『ワルプルギスの闇夜』の文章量の差を見れば、この複雑化をお手軽に体感できます。

NSシエルくんちゃんの星5スキル『アースセレナーデ』
エニのスキル『ワルプルギスの闇夜』

このような複雑化の結果、初期のころ主流だった攻撃回数の多さや、単純なスキルの威力といった、スキルの強さを評価する要素に、
”そのスキルを1回使っただけでどれだけ恩恵を得られるのか”
という「アドバンテージ」の概念が追加されたと考えています。

この「アドバンテージ」という概念、一般的なRPGには無縁な考え方で、主にカードゲームなど対人戦を基本とした戦略ゲームで用いられる考え方です。

そもそも「アドバンテージ」って何ぞや、という人もいると思うので、遊戯王Wikiから説明を引用してみます。

「優位(性)」や「利益」を意味するカードゲーム用語(非公式用語)。
 英語の「Advantage(アドバンテージ)」の意味。

トレーディングカードゲームにおいて「アドバンテージを持つ」「アドバンテージがある」とは「対戦相手よりも優位になること」を言う。
例えば、「相手より手札の枚数が多い」とか、「相手よりフィールドモンスターの数が多い」といった状況がわかりやすい。
前者は「ハンド・アドバンテージ」、後者は「ボード・アドバンテージ」を持っている状態である。

出典:遊戯王wiki「アドバンテージ」より引用

要するに、カードゲームでは、自分のカードが増える行為や相手のカードが減る行為を「アドバンテージを得る」と言う、って感じです。

わかりやすく「アドバンテージ」の概念を理解するために、超有名カード ≪強欲な壺≫ を例に挙げて説明します。

このカードの効果はいたってシンプルで、「強欲な壺というカード1枚を使って」「デッキからカードを2枚引いて増やす」です。使ったカード1枚に対して、増えたカードが2枚なので、合計すると1枚カードが増えており、これは「+1のアドバンテージを得た」状況となります。

このように、カードゲームでのアドバンテージは、使ったカードの枚数より多くの枚数のカードを得る、もしくは、使ったカードの枚数より多くの枚数の相手のカードを減らす、といったような、「カード枚数」という絶対的な基準によって算出されます。

ここまで、アナザーエデンに「アドバンテージ」という概念が生まれた。「アドバンテージ」ってそもそも何ぞや。という話をしてきましたが、次からは、僕が考えるアナザーエデンにおける「アドバンテージ」とは何かを説明していきます。


アナザーエデンにおける「アドバンテージ」を定義してみる


アナザーエデンはカードゲームではないので、アドバンテージを得られるスキルを使っても、カードは増えないどころか、何も増えません。

では、何をもって「アドバンテージ」とするのかですが、それは「行動回数」です。

例を出してみましょう。
例えば「腕力50%UP(累積3回)」という”スキルA”と、「腕力100%UP」という”スキルB”があったとします。
累積バフスキルの”スキルA”は3回使えば、腕力100%UPの効果を得られますが、”スキルB”は1回使うだけで腕力100%UPの効果が得られます。
この2つのスキルを比較した際に、「”スキルB”は1回の行動で3回分の行動をした」と言えるので、「+2の行動回数アドバンテージを得た」と表現できます。

ここで、「いや、腕力75%UPするスキルもあるし、一概に+2の行動回数アドバンテージを得たとは言えなくない?」と思う人もいると思います。

その指摘はもっともで、このアナザーエデンにおけるアドバンテージの概念である「行動回数」は、カードゲームにおけるアドバンテージと異なり、あくまでも相対的なものです。

これが非常に厄介というか、定義付けが難しくなってしまった要因なのですが、アナザーエデンには多種多様なスキルが存在しており、絶対的な指標によるスキル評価は難しいです。例えば、ASねここの『霊恵虹変怪』とASイーファの『ヴィーナクトブーア』を比較した際に、どちらの方が行動回数アドバンテージを得られているかと言われても、答える人によって、置かれている戦闘時の状況によって、その答えは変わってくると思います。

なので、「行動回数アドバンテージを得ている」というのはあくまでも相対的なもので、実装されているスキルのうち平均的な効果量を「個々人で」基準値として設け、その「個々人で思い描く基準値」と比較した際に行動回数アドバンテージを得ているかどうかで、そのスキルの強弱を判断せざるを得ません

また、ソシャゲの宿命ですが、このゲームは定期的にアップデートを続けているので、この基準値も時間が経てば変化します。なので、ゲームのアップデートの度に、基準値もアップデートされ続けます。時期によって評価もぶれるわけですね。

「じゃあこの考え方意味ないじゃん」となってしまうかもしれませんが、「少しでも多くの行動回数アドバンテージを稼ぐ」という考え方自体は、高速撃破やスコアタにおいて非常に重要です。


高速撃破やスコアタにおける「行動回数アドバンテージ」の重要性


スコアアタックは5ターンの間、可能な限り与ダメと行動ボーナスを稼いで、ハイスコアを目指す、というコンテンツですが、ターン数の上限が決まっている関係上、AFを使わない限り、使える行動回数は20回と決まっています
そのため、ハイスコアを目指すには、1回1回の行動で最大限のパフォーマンスを発揮する(=最適化)必要があり、一つ一つの行動における「行動回数アドバンテージ」の獲得が鍵になります。

同じことが強敵戦の高速撃破でも言えます。「AFを使わずに」「1ターンで」とあるボスを倒そうとしたときに、使える行動回数はたったの4回です。
ストッパーのないボスであればまだ簡単ですが、複数ストッパーを持つボス相手では、バリューの低い行動を1回しただけでも目標の達成は困難になってしまうでしょう。

このように、使える行動回数が少ないスコアタや高速撃破においては、1回の行動のバリューの高さが非常に重要になるので、この「行動回数アドバンテージ」の考え方がすごく活きてきます。

一つ例を挙げてみましょう。
エニというキャラは、今年のアナデンに大きな衝撃を与えた、革命的な新キャラでしたが、このエニの強さも「行動回数アドバンテージ」の考え方である程度説明ができます。

エニの詳細な解説は動画にて(サムネ画像が動画リンクになっています)

エニは前衛で戦闘開始時に、自身以外の前衛キャラに「血の誓約」を自動で付与しますが、この「血の誓約」の効果が「ルナティック:捨身」の付与と、庇い立て、リレイズの付与です。

整理すると、「1度も行動することなく」「捨身、庇い立て、リレイズの3つの効果を付与」しているので、前衛で戦闘開始するだけで行動回数アドバンテージを+3している、と言えるでしょう。そもそもリレイズ効果はエニでしか現状付与できないので、リレイズ付与が獲得しているアドバンテージは+1に収まらないかもしれません。

このように、エニは一切行動することなく行動回数アドバンテージを稼げるという性質を持ち合わせているからこそ強い、と言えます。実際、様々な強敵の現状での最速攻略では、そのほとんどにエニが採用されていることからも、この行動回数アドバンテージ獲得性能の高さが高速撃破において重要なことは伝わるかと思います。


絶対的に「行動回数アドバンテージ」を獲得できるムーブの紹介


ここまで「行動回数アドバンテージ」の重要性をお話ししてきましたが、最後にこのアドバンテージを”相対的”ではなく”絶対的”に稼げる動きを紹介します。

1.アナザーフォース

アナザーエデンにおける最強の行動であるAFですが、なぜAFが強いのかを言語化すると、「4回分の行動と引き換えに」「行動回数をAFゲージが続く限り獲得できる」からと言えます。
ゲージの回収量にもよりますが、開幕AFでも少なくとも8回分、平均的にみても10回以上は行動回数を稼げることから、1行動あたり+1~2以上の行動回数アドバンテージを獲得できる動きであるといえます。
「開幕AFでは各種バフデバフなどの下準備をする」という話がよくされますが、これは非常に理にかなっており、相手が動く前に本来可能な行動回数である4回を超えて行動することができるので、万全な準備をすることができるわけですね。

2.セスタ/残影の佳人のパッシブ効果によるAZの自動展開

セスタ解説動画(サムネが動画リンクになっています)

AZはその性質上、「ZONEを展開して」そのあとに「ZONE覚醒スキルでAZ化」という、2回の行動回数を前提にしたものですが、セスタのパッシブ効果であれば、縛り条件はかなりきついですが、前衛風4人で戦闘開始時に、「セスタが行動することなく」「風のANOTHER ZONEを自動で展開」できるので、一切行動することなく+2の行動アドバンテージを獲得している、と言えます。
セスタは火力にばかり注目されがちですが、この性質が強力なので、スコアタでの起用も多いキャラになります。
また、残影の佳人もパッシブ効果で地AZを自動展開することができますが、開幕で発動させるのが不可能な点、早期に起動するためにはAFの利用が必須である点などから、セスタのパッシブ効果よりはバリューが下がってしまいます。

3.深緋の刈人/エルシール/ESフェルミナのスキルによるAZ展開

深緋の刈人解説動画(サムネが動画リンクになっています)

深緋の刈人の『ディミティアス』や、エルシールの『レーゲンクーゼ』、ESフェルミナの『グラスブーム』といったスキルを、特定条件下において発動すると、対応するAZを展開できます。
先ほどのセスタの項でも話した通り、AZ展開とは本来2回分の行動が必要なので、「深緋/エルシール/ESフェルミナが1回行動しただけで」「2回分の行動が必要なはずのAZが展開される」ので、行動回数アドバンテージを+1獲得している行動だといえます。
特に、深緋はAZ時の自動追撃もあるので、さらに行動回数アドバンテージを+1できているなど、アドバンテージ獲得能力に非常に長けたキャラということもあり、2023年上半期実装キャラの中でもトップクラスの性能であるといえるでしょう。

他にも、自動追撃などのムーブも、行動回数アドバンテージを絶対的に獲得できる動きとして挙げられます。
現代アナザーエデンにおいても、絶対的に行動回数アドバンテージを獲得できるムーブはまだまだ多くないことから、この性質をもったキャラの多くが唯一性の高いキャラとして、非常に高い評価を受けています。


おわりに


以上が、アナザーエデンにおける対人型戦略ゲーム的思考、すなわち「アドバンテージ」という概念の導入についての、個人的な考えでした。

どうすれば編成が組めるのか、行動の最適化がわからない、といった声を配信時に聞くことも多いので、個人的に編成を組んだり運用する際に意識していることを言語化してみたのですが、いかがだったでしょうか。

少々取っ付きにくい内容かと思いますが、「高速撃破に挑戦してみたい!」「スコアタでいいスコアを出してみたい!」という方は、少しでもいいのでぜひ意識してみてください。

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