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トランプ🐈と小さな家族

我輩はトランプである。
我輩がこの家にやって来て6年近く経つ。
我輩には年の離れた妹がいる。
今回はその話をしよう。


その名はUNO

我輩が自由気ままに生活している頃、
ご主人家族で妙な話をしているのが耳に入った。
『近くの神社で子猫3匹が見つかったんだって』
『親猫は?』
『親猫はどこかへいっちゃったらしいよ』
『そうなんだ。その子猫はどうなるの?』
『2匹は里親が見つかってるらしいんだけど、1匹はまだなんだって』
『トランプも一人で寂しいだろうし、その子猫うちで育てようか』

吾輩は『なんですと~!!』と叫んでしまった。
だが、ご主人たちに吾輩の言葉は伝わらない。

それから何日したあと、ご主人たちが吾輩の入っていた箱と似たものを持って帰ってきた。
そこにはみすぼらしい子猫が入っていた。
その子猫はメスであった。

吾輩がくつろいでいると、その猫は吾輩に乗りかかってくる。
『なんだ貴様は、吾輩の邪魔をするのか?』
『邪魔ってなぁに?』
『邪魔とは、邪魔とは・・・。』
吾輩はどう言えばいいのかわからなかった。

吾輩が動くと猫も動いてくる。
『お主は何がしたい?』
『遊んでよ』
『吾輩が遊ぶわけがないだろう』
『なんで?なんで?』
『もういい』
吾輩は面倒になりその場を離れた。

この猫の名は「UNO(うの)」となったらしい。
吾輩の名がトランプだったからUNOになったらしい。
吾輩のトランプはそういう訳ではないのだが・・・。

ちょっかいを出してくるUNOは好きではない。
子猫のうちは我慢かな。

吾輩は美食家である

吾輩は美味しいものを堪能したい。
いつも食べるキャットフードにも飽きてきた。

吾輩が健康なときは、ご主人たちが刺身を食べている際1口もらったり、ささみを食べるときは別皿でもらっていたこともある。
だが、体調不良になってからそれもなくなった。

健康食品は味気がない。

そんな吾輩のご飯と比べ、UNOのご飯はうまそうだ。
こんな状況の吾輩がUNOのご飯を食べようとするとご主人たちは大慌てである。

それでも食べたくなる。
吾輩、健康になりたい。

年を取ると

吾輩も年を取った。
UNOも大きくなった。
あのみすぼらしかったUNOが今では真ん丸である。

UNOが生後半年過ぎた頃、2日間不在にしていたことがある。
帰ってくるとお腹周りを手術したようで、見るからに痛々しかった。
お腹周りをなめないように服を着せられていたこともあった。

やつは食欲旺盛になり、みるみるうちに体が大きくなっていった。
そのかわり、吾輩はどんどん痩せていった。
これは年だけの問題ではない。

この話はまた別の機会にするとしよう。
それではまた。

最後までお読みいただき誠にありがとうございます。


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