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夢の階段 第一話



「眠り兎、どこへ行くのですか?」と、列を離れて駆け出した真っ黒な子うさぎをひょいっとつまむと、ツクヨミ様は
「え?ぼく?」と、つままれた兎は。
そこに、白い起床兎や、ピンクのセクシー兎、真っ黒な眠り兎が、列になっていたのにと膨れっ面で。
「あの、、ぼく行かなきゃ」「ダメです」
「ツクヨミ様、そんな聞き方では駄目ですよ」と、コヨミ様がアシストしてくれます。コヨミ様もたおやかな笑みを浮かべていますが、パジャマです。白Tーにもけもけの真っ黒ズボン。ツクヨミ様もパジャマです。黒Tーに下も真っ黒なサテンの折り目正しいズボン。髪の毛はコヨミ様より、ツクヨミ様のがよほど長いです。コヨミ様は背中までですが。ツクヨミ様は引きずる程長いです。
それは、神様家業の長さの所以。コヨミ様は神々になられてからまだ、日が浅いのです
そこに「つーちゃん!」と、キャルルと音がふるような声で、これまたピンクのTシャツに真っ赤な半ズボン、雌ライオンに乗って登場したのは真っ赤な髪の
「あーちゃん!」アマテラスでした
アマテラスは25歳くらいに見え、隣にはクマのような大男。これまた、髪の毛が短い人を連れています
「ごめーん、遣いに欲しくて」
「それなら、そうと。
正統な手順がありますよ」と、握り拳に青筋たてて。「アマテラス様、お久しぶりです」「ええ、久しぶり」と、きゅるるん笑顔。隣の熊みたいな男性もニコニコしています
「あの、、もしかして、その方が」
「私の旦那様。鹿討ちの名手なの」と、にこにこと。ここ10年でもアマテラス様のお相手は何人も変わっています。相手はいつも、熊のような大男。それも、ナギやスサノオに似た
「いえ、私の息子が」と、大男は言いました
「息子?」「いっくら、神様んでも。儂には若すぎますじゃ」と、後ろからまだ、年端もいかない男の子が姿を現します「末息子です」と、大男はにこにこと。アマテラスはそれに、ぅへーっと、苦笑します
「ま、神様は年取らないものね。あなたもお父さんみたく、立派になるわよね」と、アマテラスの手をめちゃくちゃ噛んだ!
え?ぎゃー
「あーちゃん、大丈夫?」
「アマテラス様、大丈夫です?」
「わー、大変大変!」「アマテラス様が!」と、兎達。
大男に叱られ、アマテラスの手から口を離すと「ぼくはアマテラスのお婿さんじゃないやい!それに、父ちゃんにも母ちゃん居るんだぞ!アマテラスはふしだらだ!」と、ココ最近のアマテラスの急所めちゃくちゃ踏むね
アマテラスはスサノオに横恋慕して振られて殺された後、やっぱり自分の父親みたいで、スサノオに似た旦那さんを見ると、色目使っちゃうのよね。
怒るかと見えたアマテラス様だけど
「そんなにはっきり言わなくても。。わーん」と、いつの間にか女の童姿で泣いておりました。服も小さなアマテラスに、丁度よく伸び縮みしました
「最初っから、その姿なら許すって言ってるのに」ごめんなさーーーーーいっ!
と、男の子とアマテラス様の女の童は必死と抱きつきました
「うーん、あーちゃんにはピッタリの相手だったみたいだね」「はい、そうだと思いますじゃ」と、大男はにこにこしている。それどころか、ポケットから大きな棒付きキャンディを取り出して、アマテラスと息子に上げている
あ、今回当たりくじだったみたい…と、胸を撫で下ろすと。
あの、列を離れた黒兎がぴょこぴょこと、男の子に寄っていく。
そして、「ぼく、君の子分だ!」と、名乗りを上げた。ツクヨミ様はそれを見て、ま、一匹ぐらいはと見ていると、ぴょこぴょこと3匹ぐらい寄って行きそうになる。それは、むんずと捕まえて阻止すると
「名前を上げなさい」へ?
「自分のものと、宣言されたら名付けるのが神の流儀です。あなたは神様だったのですね」と、にこにこと。
「あ、申し遅れました。先日、太陽で神の名の拝受をしました。儂が熊大和(クマヤマト)で。」「僕が天悠貴(テンユウキ)です」と、にこにこと。
熊襲からの、天の悠久の貴さ。
ここ、これは、縁組みグッジョブ?
と、頭の中に色々な事が浮かぶツクヨミとコヨミであった


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