世界を認識するために使っていたある種のフィルター

note(ノート)の方では気楽に書きたいと思っています。


113話の「暴悪」でジークとリヴァイ兵長が再戦したことは印象的だった。

ちょっと激しい対決だったから、その激しさの方に気をとられていたのだけれど、「あ、これは」と忘れていたものがあった。

ジークのメガネだ。

あの眼鏡はクサヴァーさんからもらったもので、たぶん自分が捕食されるということで、継承者の(あるいは息子のような存在だったかもしれない)ジークに渡したのだろう。

メガネに関して、前にこんなコメントをいただいた。

ジークを象徴するアイテムは野球のボールとメガネでした。クサヴァーさんのメガネを失ったジークはグリシャのメガネを受け継ぐのではないでしょうか。その時がジークがグリシャを許して受け入れる時なのかなと机の上のメガネを見て思ったものでなんとなく。

コメントを読んで「そうだ。ジークは雷槍の激しい攻撃をうけて、メガネどころの状態ではなかったんだ。もう見つからないだろうな。」そう思った。

ジークのメガネがなくなっていたことについては、ほんとうに無意識だったというか、この方のコメントを読むまでは完全に忘れていた気がする。

しかも、実の父親であるグリシャもメガネをかけている。

「果たしてこれは偶然なのだろうか。あるいはこれは、コメントに書かれているように、ジークがグリシャのメガネを受けとる展開の伏線なのかもしれない。」そう思った。

そして9月9日に発売された121話では、――エレンを止めるためという、ある種の共通の目的が溶媒になっていたようにも思えるが――グリシャに心を寄せるジークの姿が描かれていた。

ジークがグリシャのメガネを受けとるといった描写が存在しなかったにせよ、二人のあいだに存在した隔たりはたしかに小さくなったように感じる。

ジークからメガネが消えたこと、それはもしかしたら彼が世界を認識するために使っていたある種のフィルターのようなものが消え去ったことを象徴しているのかもしれない、といういかにも批評家てきな感想を口にするのはあまり好きではないけれど、あのメガネは、ジークにとってはクサヴァーさんというフィルターの役割を(ジークが意識することのないまま)果たしていたのかもしれない。

122話以降では、ジークが、よりグリシャにこころを開く展開が待っているのではないか、という気になってきた。


こうやって想ったことを書きのこしておきます。


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