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第二種電気工事士を一週間の詰め込みで一発合格した話(技能編 part1)

下期の学科試験を筆記で受験された方への結果通知はもうすぐですね。多くの人がCBTを利用していると思いますが、その方は試験時に結果がわかっているので合格された方は技能の準備中かと思います。
2023年は12月23日か24日が技能試験日なので、直前の詰め込みを意図的に臨む方以外は、準備を始めるのに丁度良い頃かと思います。

練習期間


なんで、また1週間の詰め込みにしたのか?

無事に筆記合格したものの直前の詰め込みは疲れるので、実技は余裕持ってと思っていたものの、本職 (IT) の方で、急遽対応しない案件があって時間が取れず、結局直前の詰め込みとなりました。

練習で使う電線や器具類について


最初に用意したキット

自分が購入したのは

本家(?)HOZANのキットや、この電工石火シリーズのキットは、価格が結構変動すると聞いていたので、2023年の試験内容が確定した時に、2022年版を購入しました。これ書いている時点で50929円となってますが、自分が買った時は34,980円でした。

3回練習分を買ったのは、足りないと思った時に追加で買うと高くつくからです。それに実技は少しでも実践で多くやった方がいいので、3回分お勧めです。(注: 全ての部品が3回分入っているわけではありません)

同時に購入したもの

合格クリップはほとんど使いませんでした。練習の後半で少し使ってみたんですが、これを使うことによるメリットがあまり感じられなかったのと作業時間の増加が無駄だと思い使うのをやめました。慣れれば便利かもしれませんが、試験のような時間に制約がある状態では、マスキングテープや養生テープ使った方がいい気がします。

圧着工具は大きい方を

もし、工具だけを購入される場合、スリーブ用の圧着工具はP-738ではなくP-77が含まれるものをお勧めします。実際に「中」のスリーブを使うとわかりますが、かなりの握力を必要とするので、女性だと両手で握る必要あるかと思います。少しでもテコの原理を活用するため、柄が大きい方をお勧めします。

あと、強く勧めたいのは差込型コネクタです。キットに含まれる差込型コネクタは若干の余裕はあるものの、基本的にケーブルを抜いて再利用するのが前提です。しかし、ケーブルを抜くのが大変なのです。グリグリ左右に回しながら抜くしかないのですが、結構な力を使います。
自分がもう一度技能練習するならば再利用しません。そのために、50個入りを3つ (2極、3極、4極) 買います。追加の2500円程度 (741円x3) 強なら喜んで払います。それぐらい面倒です!
ニチフ端子工業ニチフ 差込形コネクタ クイックロック 50個入

追加で購入した工具

試験中の作業効率を少しでも上げたい思いで、試験2日前にVVFストリッパーと、丸口ペンチを追加で購入しました。

VVFストリッパーは、正直無くても良かったです。試験対策だけで考えるとコストパフォーマンス悪いです。
外装を剥く時には、素早く握る必要があるのですが、握る速度が遅いと中途半端に剥がれてやり直しです。あと、握り切った時の手の状態を考えずに慌てて握ると、手のひらを微妙に挟んでしまいます。血が出るほどではないですが、ストレスになりますね。
丸口ペンチは「のの字曲げ」の精度を上げるのに役立ったのでお勧めです。ストリッパーでも、ほぼ失敗はなかったのですが、これを使えば失敗しない安心感があります。

技能練習の進め方


1週間 (6日間) をどう使ったか

  • 学科では、複線図とリングスリーブのマークとサイズの組み合わせを捨てていたので、技能練習を始める前にそれを覚えるのに1日半使いました。
    どちらもHOZANのYoutubeで覚えました。そして、各候補問題の複線図を5分で書けるようになるまで、候補問題13問を3回ほど繰り返しました。
    リングスリーブに関しては
    第二種電気工事士試験 リングスリーブ 圧着マークの覚え方
    がとてもわかりやすかったです。これでパターンを覚えて、複線図書く時にサイズとマークを書いていけば忘れません。

そのYoutubeからのスクリーンショット
  • 複線図がかけるようになったところで、実際に候補問題を1問ずつ時間を考えずにやりましたが、13問やるのに2日かかりました。そもそもキットに含まれる複数のケーブルの見分けるのも時間かかるし、組み立てた部品を外すのも、初体験で手探り状態でした。差込型コネクターからケーブル抜く方法も、シーリングと同じような何か簡単な方法があるんじゃないかと、ネットで情報を探したりしてました。

  • 今度は試験時間と同じ40分を目標に、各候補問題13問をやるのに1日半かかりました。13問を1回やっていると、加工自体に悩む事は無いものの、ジャンクションボックスに通すの忘れたり、スリーブのマークを間違えたり、スイッチの渡し線の方向や長さを間違った等のやり直して時間がかかり、40分で終わらなかったものが4問ありました。

  • 再度13問やる時間は残っていなかったので、40分で終わらなかった4問のやり直しをしました。しかし、1問だけ40分超えてしまったので、それを再度やり直しました。これに半日強使いました。

練習時に記録していた時間
  • 翌日の試験に向けての最終確認で、HOZANの小冊子(試験対策本)で、施工寸法や欠陥についての確認を行いました。ここで、自分が大きな勘違いをしていた事に気づきました。それは、引掛シーリングに取り付けるケーブルの外装を切る長さです。自分はコンセントやスイッチ類と同じつもりで外装を剥いていました。慌てて、ここだけ実際のケーブルとシーリングで再確認し、横から見ても芯線が見えない(露出しない)長さになるようにしました。
    ※ 電気技術者試験センターが公開している「電気工事士技能試験の概要と注意すべきポイント」の「技能試験における欠陥の判断基準」には「8-10.引掛シーリングローゼットへの結線で,絶縁被覆が台座の下端から5mm 以上露出したもの」と書かれています。

再度練習して剥く長さを確認
横から見ても芯線は見えない

色々掴んだコツなど


繰り返し技能練習する中や、ネットで見つけた情報で、実際に役立ったコツなどを紹介します。

ケーブルを切る長さは「ほぼ」でOK

自分は性格的に、150mmと書かれていれば、1mmもずれないようにしたくなるんですが、実は施工寸法が短いのは50%まで許容されています。ピッタリ測っている時間がもったいないので、ざっくりでいきましょう。
これは、芯線傷つけちゃったとか、リングスリーブ失敗した時なども、その部分をバッサリ切断して、再度やり直す余裕があるってことです。
※ 欠陥の判断基準には「2-2.寸法(器具にあっては中心からの寸法)が,配線図に示された寸法の 50%以下のもの」と書かれています。

電工ナイフの代わりにニッパを使いましょう

VVRの外装剥くのに電工ナイフを使う必要はありません。試験中に怪我でもしたら大変ですし、試験場に向かう際に職務質問でケチつけられたら試験に間に合いません。電工ナイフの代わりにニッパを用意しましょう。ゴムブッシングに切れ目入れる時だけでなく、はみ出た芯線切る時にも役立ちます。

合格ゲージは外れないようにガムテープ留め

最初の頃は外れなかったので、他の器具や工具に当たって外れるを繰り返しているうちに緩くなってしまいました。使おうとした時に外れてしまっているのは効率悪いので、ガムテープで留めてしまいました。
※ 養生テープやマスキングテープだとすぐに剥がれてしまいます。

芯線被膜を剥く長さは、少しだけ短く

自分はHOZANの施工寸法一覧に書かれている長さ (B) より、少しだけ短く切ったものがあります。

  • リングスリーブ 20mm → 15〜17mm
    20mmだと、はみ出た分を切らないと施工不良と判断される可能性があります。しかし、芯線が3〜4本あったり、2mmだったりすると、切る事自体が結構手間なので、切らずにすむようにしました。上端も下端も芯線がチョット露出する位です。芯線が上端に達していなくても上から見えればOK。下端は10mm以上露出すると施工不良となりますが、その状態だと上から見えないはずなので、その状態にはなりません。ただ、圧着しようとした瞬間に芯線が逃げたりする事はあるでしょうから、施工不良になりそうな場合は、露出している芯線をバッサリ切りましょう。その場合は外装を追加で剥くのも忘れずに!
    ※ 欠陥の判断基準の「6-2.心線の端末処理が適切でないもの」を見てください。

  • スイッチ、コンセント、差込型コネクター 12mm → 10〜11mm
    これはスイッチのメーカーで規定値が違う事、12mmのものをなくして10mmにまとめる、そして差込型コネクターで心線露出にならない事を避けるためです。練習時も試験時も10mmにした事での接続不良はありませんでしたが、気になる方はご自身の器具で確認してください。
    ※ 欠陥の判断基準の「7-2.コネクタの下端部分を真横から目視して心線が見えるもの」と「8 -> (2)ねじなし端子の器具への結線部分」を見てください。

ランプレセプタクルは全てが少しだけ短く

ランプレセプタクルは、ちょっと面倒です。メーカーによって必要な長さが違うし、長すぎると閉まらなくなるか、外装が下端をはみ出て施工不良になります。なので、全てがちょっと短めが良いです。
芯線は18mm位、外装は4cm程度です。ねじ取り付け部に届かない状態であれば、ニッパで外装を少しだけ切りましょう。
ここは「のの字曲げ」もあって、意外と時間をとります。練習でしっかり確認しましょう。
※ 欠陥の判断基準の「8 -> (1)ねじ締め端子の器具への結線部分」を見てください。

ゴムブッシングに向きは無い

どちらを表側に向けるのかがわからず、これで施工不良になったら間抜けだと思い、散々探したのですが、結論は「向きはない」です。
※ 欠陥の判断基準の「12-4.ゴムブッシングの使用が適切でないもの」を見てください。

極性がある器具へケーブルの取り付ける際の向き

ランプレセプタクルなど、極性を注意する場合は、自分から見て白のケーブルが左手側に来るようにしました。それに合わせて器具を置くようになり、ミスをおこしにくくなりますし、「のの字曲げ」した後に ”あっ、向きが逆だ。ケーブル捻らないと」なんて事もなくなります。

渡し線の長さに注意

コンセントを複数、またはスイッチやランプと組み合わせる場合などに渡し線が必要になりますが、自分は短く切ってしまう事が多かったです。切った後に、上下端で遠かったとか、隣だけど極性の為に斜めに渡さす必要があるなど、想定より長さが必要だったのです。ケーブルの長さに余裕があると言っても、短いものしか残らなかった場合は手の打ちようがないので注意しましょう。


ちょっと長くなってしまったので、試験本番時の注意点などを後で書きます。

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