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平穏

5.20(金)


この週は多忙を極めていたこともあり、いつもにも増して彼に会いたい気持ちが高まっていた。
何をしたいわけではない。
ただ同じ時間を過ごすことだけでも癒しになるから。
 
「打ち合わせで何時に帰れるかわからないけど会いたい」と伝えたら、
「実家で晩飯食ってから行くわー」とのこと。ありがたい。
 
彼はその日パーマをあてたらしく、クルンクルンの頭で登場した。
やだ…知らない人みたいでドキドキする。
*ちなみに関西人はパーマを“あてる”って表現する。
彼のLINEで久しぶりにその字面を見たのでおもしろくなってしまった。
 
ストレスが溜まると、とにかく何かを買いたい衝動に駆られる私。
水曜に、打ち合わせの合間を縫ってアネモネでカチューシャとピアスを買った。
マイブームの緑を選び、「かわいいやろ!」とテンション高く見せるも「グレーにしか見えへん」と彼は言う。
え…緑っぽさ出していきたいんだけども…渋めやからやんな、照明の具合やんな、と自分を納得させた。
 
 

5.21(土)


彼がスーツ一式を買い揃えねばならないことから買い物デイに。
いつもならとりあえず梅田となるところだけど、今回はランチ優先で決めた。
私が「マジスパでスープカレー食べたい」と呟いていたサブリミナル効果なのか、彼もその気になったので難波へ。
 
自分にとってのベストな辛さが未だに覚えられない。涅槃?悶絶?数値化されていないせいか歳のせいか。
涅槃からは具材も多くなるらしいのだけど、私たちにとってはそれでも辛い。
「辛いけどあと引くおいしさよなー」と言いながらも、彼は顔を真っ赤にして汗をかきながら食べていた。そして今度から一つ下の悶絶にしよう、と決めた。
きっとこれも忘れてしまうので、備忘としても書いておく。

私が食べたのはシーフードの悶絶


 
いざ買い物。
スーツをきちんと着て仕事へ行く人と付き合った経験があまりなく、選ぶ基準も流行りもマナーもわからない私。彼もそんな感じ。
それでもその日の夜、彼から「ろっかがいてくれてほんま助かった。俺一人ではよう選ばんし」と感謝の言葉をいただいた。
 
私はニトリで油はね防止ネットを買った。生活感すごい。
でも炒め物よくするからあった方が便利だと思うんだ。
 
面倒になったので晩ごはんはナポリタンに。
キャンベルのクラムチャウダーも合わせればもう完璧。
最近は一緒に料理をすることが本当に多く、役割分担も明確になってきた。
彼には材料を切ったり調理をしたりとメインの工程をお願いし、私は汚れたものを洗ったり彼が使いやすいよう調味料や皿を準備するアシスト的な感じ。
彼は目分量で味付けをしているし、何なら味見もしないのだけど、毎回驚くほどおいしい。塩加減や味の濃さなどが本当に絶妙で心底感心する。
 
食後は二人でベッドに寝ころびながらIPPONグランプリを視聴。
私の背後に彼がいて後ろから包み込まれているような体制だったので、彼の顔は見えない。お互い好き勝手なことを言い合っていたが、突然静かになった。
 
寝たな。
 
「お風呂沸かしたら入る?」「…うん…(スヤァ)」というやり取りののち、無理やり起こして一緒に入浴。
千原ジュニアが優勝したことだけ伝えておいた。


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