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数学夏祭りに参加7

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ちなみに今回の問7、問題に不備があり(三角形の問題なのに、そんな三角形はない!ということになってしまった)、流れてしまいました。
とりあえず第2問に絡めて、幾何の話でもします。


幾何、つまり図形の問題である。


幾何に使える戦法はいくつかある。

・座標を使う
ある種反則だ。x軸y軸を描いてそこに図形を乗せてしまう。直線には直線の公式を使えば、交わる点の場所なども、図形で考えることなく、方程式の計算で解けてしまう。
計算量が多くなるし、美しい解答とは言えない。


・ベクトルを使う
分点を扱うときに便利だ。

・図形は図形として解く
幾何学を解く醍醐味を味わえる。
大昔の高校生は、そういう解きかたをしていたようである。ベクトルなどは習わなかったそうだ。
「補助線」というものが大きくものを言うこともある。そこに描かれていない余計な線を引くことで、「おおっ、これは美しい!」と感動することもしばしばある。


幾何学には「ピタゴラスの定理」をはじめとするたくさんの有名定理があり、それらを利用して問題を解くことになる。ところがこれらの定理は、大学受験の盲点になっていて、中学生のときにはできたのに、そこそこ偏差値の高い学生がそれらをすっかり忘れている、なんてものがある。
日能研の電車広告の問題が、現役の大学受験生にもしばしば難しく感じられるのは、この手の盲点に引っかかるからではないだろうか。

図形で思い出すのは『算額』である。日本の数学者は、問題を板に記載し神社に奉納するという習慣があった。そこに数多くの幾何の問題が残っているのだが、これらを座標やベクトルを使わずに解こうとすると、結構苦労する。


その手の問題を、「パズルにすぎない」と言う数学者もいた。たしかに、数学の深みは、解くことを競うところにあるわけではない。問題を解くよりも、作ることのほうが尊いことさえあり、数学の地平を耕すような問題は、受験問題やパズルを解くことよりもはるかに尊いものとされる。

そうはいっても、本当にできる人というのは、多少のパズルならば解いてしまう。トリッキーな頭の体操も、たまには悪くない。というか、それで開ける地平もあるのだろう。

いや、パズルであろうとなかろうと、ぜんぜん解けないんで、どっちであるかさえも判んなかったりするんですけどね。。



#数学夏祭り





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