見出し画像

代官山から池尻大橋まで歩く道


住んでる町から急行で10分で行ける二子玉川の蔦谷書店が大好きで、休みの日、何にも予定がない日は、9割くらい夕方から閉店まで本を読む。
本に囲まれた空間は本当に落ち着くし、自分と向き合える気がするし、なんだか、守られている気がする。
嫌なことがあった時も、楽しいことがあった時も、特になにもない時も、仕事終わりも、時間があれば、二子玉で降りて、蔦谷に向かう。
本を読んでいる時は、その世界の人たちの生活を客観的に覗いている気持ちになる。1人でいるけど、1人じゃない気分でいられる。
最近は、田園都市線で二子玉を過ぎ、池尻大橋で降りて、そこから目黒川沿いを歩き、代官山の蔦谷書店まで歩くのがマイブーム。
代官山の蔦屋書店はすごく洒落ていて、どこの蔦屋よりも最先端の雑誌や本が置いてある気がして、好きなのだけれど、本を読むにはいつもなんだか落ち着かなくて、あまり足を運ぶことがなくなっていたが、池尻大橋から中目黒に向かう目黒川沿いを歩くのがすごく好きで、たまに散歩がてら代官山の蔦屋書店に行くようになった。
夜中まで空いている代官山の蔦屋書店で、お気に入りの本を22時まで読んでいた。
面白い本を読むと、終わるのが寂しくなって、読むのを途中でやめてしまう。だから、読みかけの方が私はすごく多い。
寂しくなるんだと思う。1人でいる夜の蔦屋書店は落ち着くし好きな時間だけど、ちょっと寂しくてセンチメンタルな気持ちになって、そんな時にお気に入りの本の中で会える主人公たちに、親近感というか、勝手に友達になった気分でいる。物語を終えてしまうと、もうあえなくなる気がして、寂しいのだ。
大好きなスタバの抹茶フラペチーノをお供に、大好きな物語を読んで、気分転換にファッション雑誌を読んで、そろそろ帰るかとなったら、読んだ物語に合う音楽か、夜の代官山から池尻大橋までの道のりに合う音楽をかけて、センチメンタルな、けどちょっと清々しい気持ちも一緒に、ゆっくり歩いて帰る。
このささやかだけど、お気に入りの時間を、誰かと共有したい、一緒に浸りながら歩きたい。池尻大橋までの中目黒沿いを歩きながら、やっぱりちょっと寂しいなーと、誰かを望む帰り道。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?