4/23 『法廷遊戯』感想 ※ネタバレ含む

アマプラのオススメに表示されたので軽い気持ちで視聴したのだが、
非常に面白かったし、好みの映画だった。
この映画の良かった点を忘れないように書き記しておこうと思う。

あらすじ

同じロースクールに通う久我清義(渾名:セイギ)、織本美鈴、結城馨(カオル)。同級生たちの間で裁判を模した遊び『無辜ゲーム』が流行っており、清義たちも参加していた。ロースクール卒業後、清義は希望通りに弁護士の道へ進み、順風満帆の日々を送っていたある日、馨から突如『無辜ゲーム』へ誘うメールが届く。会場へ赴くと、そこには命を落とした馨と血まみれの美鈴の姿が。美鈴は殺人の容疑者として逮捕・収監され、清義は美鈴の弁護を担当することとなる…

登場人物

  • 久我 清義:永瀬 廉

  • 織本 美鈴:杉咲 花

  • 結城 馨:北村 匠海

良かった点

まず、キャスティングが素晴らしい。メインキャストも勿論、取り巻く助演の方々も名演ばかりで物語に引き込まれた。たまにやり過ぎでは?という舞台チックで過剰な演技をする役者も見られたが、割りと平坦に進むパートが多い中で良いアクセントになっていたので、そういう計らいがあったのかなとも感じる。

脚本もとても良い。冒頭で散りばめられた事件や謎が、どう紐解かれていくのか、終始気にかけながら見ることが出来た。
ラストシーンでセイギと馨の友情が垣間見えるシーンを持ってきている点が、馨の復讐心だけではない、信頼や友愛などの特別な感情を感じさせてくれる作りになっていて、余韻に浸ることが出来た。

セイギ、美鈴、馨、それぞれが信じる道を進み、違ってしまった未来。美鈴が馨を殺さない選択をしたのであれば、どうなっていたのだろう。その場合、どういう"同害報復"を与えられるのが適切だと、馨は考えていたのだろうか。色々と考えさせられる点が多い、示唆に富んだストーリーとなっている。

一番好きな登場人物は馨。理知的で独創的で、克己心を持っている。尊敬していた父の尊厳と命を奪う原因となった相手に対して、あれ程までに寛容な罰を求めることが出来る人物なんて、そうそう見られるものじゃないと思う。過去、馨の一家が湖畔でキャンプをしていた際に、馨の父が湖で見せてくれた胸を打つ情景には、失われてしまった掛けがえのない団欒を感じさせられ、こみ上げるものがあった。

気になった点

まず、主人公の久我清義役である永瀬廉さんの演技について、少々役者不足感があり、感情表現が足りないと思える点が多かった。存じ上げなかったのだが、King & Princeのメンバーらしく、アイドル畑の方のようなので致し方ないのかなとも思う。
ただ、セイギは恐らく元々感情の起伏が乏しいキャラクターなので、逆にハマっているように見えなくも無いところが救いである。

そして、杉咲 花さんの怪演。凄かった。が、あまり好みではなかった。何故そう思うのか、少し考えてみたが、「セイギを盲目的に愛する女性」だと感じられないままにあの演技を見たからなのかもしれない。突然、水をぶっかけられたので、吃驚してしまったので受け入れづらかったのだろうか。「本当にこの娘はそれほどまでにセイギを?」という疑問視に邪魔をされて、感情移入できなかったような気がする。経緯・背景だけ見れば、納得なのだが。

総評

満足度:85点

最近見た邦画の中では、かなり好きな方。ミステリー好きにはオススメできる作品に思う。
マダミスを書くようになってから意識してミステリーものを見るようにしているけど、やっぱりプロの脚本はよく出来ているなぁと感動する。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?