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医学書と白衣が捨てられなかったワケ

2023年度末で、医学部卒業から7年間続けた病院勤務を辞めました。

前職では、大病院で専門的な治療に関わっていたので、
大量の医学書や、白衣・スクラブを持っていました。

今後も医師としての勤務はしますが、前職の医学書や白衣の一部は不要になったので、先日、思い切って断捨離をしました。

要らなくなったものを手放すだけじゃん、なんて思っていましたが、
7年間の思い入れがある分、手放す覚悟ができるまでに意外と時間もかかり、メンタル的にもどっと疲れました。

もう要らないことは頭では分かっているのに、
物によっては放置しすぎてホコリまでかぶっているのに(笑)、

「いつか、使う時が来るかもしれないし」

「また勉強し直そうと思う時がくるかもしれないし」

「この白衣、たしか1着6000円くらいしたはず」

なーんて思ってしまって。


もう前職に戻ることもないでしょうし、
たとえ戻ったとしても、また買いそろえればいいだけなんですが、

(数年もすれば医療知識はアップデートされて、どっちにしろ本は買い直すはず)

どうにも、断捨離が進まない。。。

医学書をパラパラとめくると、
真面目にマーカーが引かれて、書き込みがあって、付箋だらけで、

当時の頑張っていたころの自分が思い出されて、なつかしくなりました。

どの白衣やスクラブにも、
これを着て、あんな処置をして、
患者さんとはこんなエピソードがあって・・・

見ただけで、あのときの思い出が蘇ってきます。


こんなに膨大な時間も労力も使って頑張った証を手放すの?!

もう退職して、使うこともないと分かっていても、
もったいない。と思ってしまって。

手放すことを躊躇してしまいました。

結局、1日だけでは断捨離ができませんでした。

その後、数日かけて、やっと、手放すことができました。


「何で、もう使わないのに、こんなに手放せないんだろう?」

その数日の間に考えていました。

自分の中で出た結論は、『今の自分に自信がないから』。


今の自分には自信がないけど、

・私は過去、こんなに医学書を読んで努力していました!

・7年間、毎日この白衣やスクラブを使っていました!

見れば分かる過去にすがることで、
「過去の自分はベストを尽くしてきました」感を感じたいのかも。

いつでも、戻ろうと思えば前職に戻ることができる用意はある。
そんな可能性を残しておいて、心に保険をかけておきたかったのかも。


そういう理由で、医学書も白衣も手放せないなら、

自分の自信のなさから逃げているだけだし、

私の過去にすがる癖も変われないよね。。。


使わないものを手放すのは、これからの自分のためだ。

今の気持ちと向き合って、手放す決断をしないと、
転職をしたって、いつまでも自分は変われない。

そう思えると、断捨離を前向きに考えられるようになりました。


いざ断捨離を実行すると、また、いろんな気持ちが出てきて、
途中で捨てたくなくなったりもしましたが、
そのたびにこのことを思い出して、

白衣さん、
今まで一緒に働いてくれてありがとう。

医学書さん、
私に知識を教えてくれてありがとう。

感謝の気持ちをこめて、
大量の医学書や白衣たちと、さよならしました。
三段ボックス1つが、からっぽになりました。

次はどんな出会いがあるかな?
楽しみにしながら生活してみようと思います。

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