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30代実家ぐらし、働かず家にいる男の日記(あぎるnote)

著者は1985年生まれの男性。 ひとりで過ごすことを好む。 内向型人間。HSP。エニアグラムタイプ4。 宗教・哲学(生き方)、文学、美術、ジェンダー、語学 などに関心がある。 … もっと読む
月に4記事以上投稿しています。1記事の文字数は1000~1500字ぐらい。社会に適応できない人間の… もっと詳しく
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記事一覧

春爛漫の静岡旅行 2024年4月【2】

本来は4月9日に出発する予定だった。青春18きっぷが2日分残っていて、期限は10日までだから、どうしても9日に出かけなければならなかった。 しかしその日は体調が悪く、また大雨だった。あきらめて、翌日に家を出た。朝から快晴。天気に恵まれた。 朝6時04分、西武新宿線・新所沢(埼玉県)を出発。所沢で有料特急に乗り換え。満席なのではないかと心配したが、ガラガラだった。6時42分、高田馬場駅着。 ここからJR。つまり青春18きっぷの旅が始まる。窓口に行ってスタンプを押してもらわ

恋と、性と、メルヘン 2024年4月【1】

あぎる(筆者)「類は友を呼ぶ」とはよく言ったもので、今日はここに、私の分身のような人々が集まりました。どうも夢見る人たちばかりです。話題はいつの間にやら、恋や性に移っていきました。 A氏中世のヨーロッパなんかを想像してください。私は貧しい木こりです。どういうわけか今日はお城から偉い人が来るようなんです。私は華やかなのが苦手ですから、遠くからそれを眺めています。 従者が馬車の扉を開けます。すると中から、真っ白なドレスを着た女性が出てきました。きっとお姫様です。遠くてお顔まで

私は物書きを志望しない 2024年3月【6】

お金を持っている人はよく、お金なんて大した価値がないと言う。彼らはお金の虚しさを語る。かつてお金に困って追い詰められたが、すんでのところで助かったという経験を話す。 彼らは「お金は必要な時に向こうから来る」と結論する。私にはどれもこれも結果論に思える。お金持ちの話を聞けば聞くほど、お金持ちになれるかどうかは運であるという思いが強まる。 そもそも私には関心がないのだ。お金を得るために何とかしようとする気力が起きない。いつも何かを書いているので、よく文章で身を立てたらどうかと

もう高校生ではないという幸せ 2024年3月【5】

「秋津の乗り換え」と言えば悪名高い。それは東京都東村山市にある。西武池袋線・秋津駅とJR武蔵野線・新秋津駅との間の乗り換えのことだ。 両駅は約400m離れている。歩いて5分ほどの距離だ。朝夕のラッシュ時には人があふれかえる。道は決して広くない。車は通るし、クランクもある。はっきり言って危ない。 2001年4月、私は高校に入学した。自宅は西武線沿いで、学校は東武東上線沿い。「秋津の乗り換え」をせねばならなくなった。 若くて体力もあったから、乗り換え自体は苦ではなかった。た

国立西洋美術館と空想エッセイ《3》 2024年3月【4】

今回もまた、絵画を観て心に浮かんだことを書いていく。 【前回記事】 *** ノースリーブを着た女性に、私は心を奪われる。あらわな肩と二の腕。腕を上げれば脇がのぞく。 脇という部位は常時見えているわけではない。腕の上げ下げによって見え隠れする。そこに私の心は惑わされる。彼女たちは日常的な動作をしているだけだというのに。 女性の左肩に茶色の線が見える。何だかブラジャーの紐みたいだ。拡大してみる。 茶色の線は脇から始まり、弧を描いて背中に到達する。影だろうか。しかし普通

国立西洋美術館と空想エッセイ《2》 2024年3月【3】

前回に引き続き、美術鑑賞から始まる空想のお話。 *** 絵の表面がテカテカしていて綺麗だ。板に描かれているらしい。これまで観てきた絵はキャンバス、つまり布だった。1520年代に制作されたという。500年前に描かれた絵がこんなに綺麗な状態であることが私には信じられない。 日本では戦国時代にあたる。1521年に武田信玄が生まれた。1523年には毛利元就が26歳(数え年)で家督を継いだ。信長・秀吉・家康が生まれるのは1530~40年代。 プリーゴ(1492-1527)はフィ

国立西洋美術館と空想エッセイ 2024年3月【2】

3月1日、国立西洋美術館の常設展を鑑賞。約2ヶ月ぶり。 年間パスポートを購入した。値段は1300円。前年度は1100円だった。200円値上がりしてしまったが、まだまだ安い。これで2025年3月末まで常設展(一般500円)が見放題。いつでも西洋美術に浸ることができる。 *** では早速、夢の世界へ飛んでいこう。 なお、この記事は作品の紹介ではない。作品を観て私が思い浮かべたことを書く。主体は作品ではなく私。レビューではなくエッセイ。それを了承の上、読み進めてほしい。

五美大展と空想エッセイ 2024年3月【1】

2月29日、国立新美術館(港区)で五美大展を観てきた。5つの美大の卒業制作の展示だ。この記事では、気に入った作品をいくつか取り上げる。 ただし作品の紹介ではない。作品を観て私が思い浮かべたことを書く。主体は作品ではなく私。レビューではなくエッセイ。それを了承の上、読み進めてもらいたい。 林美桜「白昼夢」。なんていい表情なのだろう。彼女たちの内面を想像したくなる。ずっと見つめていたいし、ずっと見つめられていたい。お互いがお互いの目を見つめて、お互いの心を探り合うのだ。言葉は

また「不適応者の居場所」に参加した 2024年2月【4】

久しぶりに「不適応者の居場所」に参加した。基本的に毎月参加したいのだが、睡眠のリズムが合わずに断念することが多い。今月は久しぶりに時間が合った。 【前回参加時の記事】 今回の会場は室内。場所は荻窪。自宅最寄りの新所沢駅で西武新宿線に乗る。井荻駅で下車して、バスで荻窪駅に向かう予定だった。しかし電車が思いのほか混雑していたため、JR中央線経由に変更。 なぜ混んでいたかというと、直前に人身事故が起きたから。座席は確保できたものの、満員電車になってしまって息苦しい。東村山駅で

深夜2時のマクドナルドの詩 2024年2月【3】

朝起きて夜眠る。そういう生活を続けられない。たとえば朝7時に起きたとする。その日は夜12時に眠ることができる。でも次の日に7時に起きることができない。目覚めたら10時だったりする。 そんなの日の夜は、午前3時まで眠れない。そして起きるのが昼になる。昼に起きたら寝るのは朝。こうして毎日、寝起きの時間が後ろにずれていく。20日ぐらいで一周する。月の満ち欠けよりは少し早い。 夜型の期間はあまり外出しない。電車は止まっているし、図書館もお店も閉まっているから。そんな中、開いている

東京美術館めぐり 2024年2月【2】

前号2月8日台東区・東京都美術館で「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」という特別展を鑑賞した。 料金は一般2200円。私にとっては大金だ。無職でお金がないので、普段は常設展や公募展しか行かない。今回は値段に見合う感動があると踏んで奮発した。 展示作品は68点。1時間ぐらいで観終えた。 展示室の最初のほうはだいぶ混雑していた。行列に並んで牛歩戦術のように鑑賞するか、人垣越しに遠くから眺めるかの二択。 私は自分のペースで観たいので後者を選んだ。3回ほど戻って

ひきこもり問題の解決策 2024年2月【1】

私はもう6年ぐらい無職で、親に養われて暮らしている。私は「ひきこもり」なのだろうか。 多くの時間を自宅や近所で過ごしているが、Zoomで趣味の勉強会に参加したりもする。街歩きや博物館・美術館めぐりも好きで、外にいる時間も長い。先日は公募展の受付の人と長々とおしゃべりした。好きなことならコミュニケーションも苦ではない。 私がどんな話をする人が知りたい方はこちらへどうぞ。 YouTubeチャンネル「あぎるラジオ」 ひきこもりではない気もするが、ひきこもりのような気もする。

アクティブニート美術館めぐり 理想の女性を探し求める 2024年1月【4】

【1月5日】 国立西洋美術館(台東区)の常設展を鑑賞。昨年9月以来、4ヶ月ぶり。今回はグイド・レーニ「ルクレティア」(制作年、1636~1638年頃)が心に残った。この表情、この乳房、この白い肌。美しい。心惹かれる。 それからマリー=ガブリエル・カペ「自画像」(制作年、 1783年頃)。なんと自信に満ち溢れた表情。快活で饒舌な人だったのではないか。胸にも目が行く。心惹かれる。 西洋のドレスは胸が大きくあいている。谷間まで見せても下品ではない。このあたりが不思議だと常々思う

「働く」って何なんだろう 2024年1月【3】

初めての就労経験は高校1年の夏。コンビニの店員をやった。すぐに接客に向いていないとわかった。ゴミ出しや飲料の補充など、客と関わらない仕事の際には落ち着くことができた。1ヶ月ぐらいで退職した。 数ヶ月後、郵便局で年賀状の仕分けをやった。少しでも手が止まると「手が止まってますよ」と指摘してくる局員がいた。彼は私が残業をせずに帰ろうとすると「昨日も残業しませんでしたよね」と言ってきた。ウンザリした。 翌年の年末年始は年賀状の配達をした。人に会わなくていいので楽だと感じた。ただ悪