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杏・京・キヨエ(1)〜Any Where out of the World——佐原ひかり『ペーパー・リリイ』

電子書籍化されるのを待っていた、佐原ひかりの長編2作目『ペーパー・リリイ』。
8/8から一週間の話だというので、できれば8月中に読みたかったのがギリ間に合って、一気読みした!
うん、夏の話だった。

「野中杏、17歳、詐欺師のこども。38歳被害者キヨエと、幻の百合を探す旅に出る。『ブラザーズ・ブラジャー』の新鋭が贈る新世代ロードノベル! 愛、罪、恩から、私たちは自由になる。『ブラザーズ・ブラジャー』で最注目の新鋭が贈る
爆走青春ロードノベル!」
(河出書房新社公式サイトの内容紹介より)

ネタバレせずに感想を書くのが難しい作品なのだが、事前情報として、映画『ペーパームーン』的な詐欺師が絡むロードムービーの要素がある(著者は『菊次郎の夏』もお好き)とは聞いていた。
でも私が思い出したのは、別の詐欺師の映画だった。

スティーヴ・マーチン&マイケル・ケイン出演の『ペテン師とサギ師  だまされてリビエラ』(1988)。


私は大好きな作品なのだが、公開当時まだ生まれていなかった若い著者は、果たしてご存じだろうか?
読後は、本文中に描かれていない京介やキヨエの来し方行く末をあれこれと考えている。

Any Where out of the World
N'IMPORTE OÙ HORS DU MONDE

ボードレール 富永太郎訳

とりあえず、8月中にひとこと書いておきたかったので、今日はここまで。


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