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歯医者 -恐怖は銃を向けられてる時-

【この記事は1500文字もあります。最後まで読んで頂けたら嬉しいです。】


10年ぶり以上に、歯医者にいった。

高校時代も、大学時代も行ってなかったし、お笑いやってる時も行ってない。

お笑いやってる時とかいけるお金さえまったくなかった。

ご飯食べて彼女とどっか行くだけでパンクしてたのに。最近ようやくほんとに少しだけ収入が安定して病院に行くことにした。

矢野・兵動の兵藤さんがラジオで「収入増えてもお金って全く増えへんって事」って事を言ってたけど、まっくもってそのとおりじゃぁ。

身だしなみ整えて、食費にお金かかるようになって、外食も増えて、絶対使わへん家具購入して、、

こんなんしてると増えませんで。


まぁいっか、と思って、10年ぶり以上の歯医者。

虫歯に侵食されまくって、食べ物を歯が砕いてくれる機械と思ってた口じゃなく、食べ物を砕くことによって歯を悪くしている機械と思ってた口が、まさかの虫歯が3本しか無かった。

そして、2本が前歯の上の歯。一番見られたらあかんところバイキンが侵食してた。

いいよ。全然。目立ちたがり屋で頑張ってマイクの取り合いをしてたんでしょうね。

治療終わったあとやからこんな呑気な事言えるけど、ほんまは無いほうがええよ。


去年年末から、前歯は気になってて、「次の休み行こう」「今日は体がだるいから行くのやめよう」の繰り返し。というのも、おとんから「前歯に何か付いてるで?」って虫歯を青のりか何かに間違えられて「歯だけは綺麗にしとけ」って言われた。

海外に留学予定で、海外行った人が何処に行ったとか、感想とかまとめた本を購入してんけど、とある人が「海外に行く前に虫歯は直しておくべき」って書いてたから、ちょうどいいや。



治療終わって帰るときは、安堵の気持ちでいっぱいや。今日お昼すぎに起きて"一日終わった"って思ってたけど、この安堵の気持ちがあればどんな一日でも最高になれるんちゃうんかっておもた。

病院にいって一番ドキドキするときって、検査されてる時。

「それでは一度歯を見てみますね」って一言から始まる3分ぐいらの無音の中、頭の上で囁かれる

「ほぉー」

「あぁあ」

「。。。。。」

この時間がまじで恐い。恐怖。恐ろしい。

恐怖ってその瞬間じゃなくて、それまでに至る過程。

「お前かむかつくわ!」っていって鉄砲で俺を向けてるときが一番怖くて、打たれたときは全然怖くない。むしろ結末を迎えて気持ちよくなってる所もある。



いつ行ったって?って思い出すと、小学校の時。

子供やから口を閉じる可能性があるから、ゴム製のハサミみたいなのを口に入れられ、強制的に開かされた。

BGMには心地が良くなる何かの曲。壁紙は幼稚なものやったと思う。

口を洗う銀のコップには左側にあって、毎度毎度口を洗って水を吐く瞬間に何か大きな細菌みたいなものが見えないかな?って思いで、吐き出す水を凝視してた。のを覚えてる。

今回歯医者いって、そのゴム製の口を開くやつ入れてくれへんのかぁって思ってしまった。感触や気持ちを思い出したかった笑。

もう二度とあのゴム製のハサミは口に入らないと思うと泣ける。

おかげさまで、前歯二本は輝きを取り戻してはないけど、黒いのはなくなった。

おとんに言われてから笑うの少し笑うの気になってたってところは正直なところ。


こんな虫歯ごときで笑顔が失われるなんて、なんて些細でしょうもないことだよ。食べないと人は死ぬし、元気もでない。だから食べるのに。食べたら眠くなって歯を磨かないで寝ちゃう。すると歯が黒ずんで笑顔が消えて、元気のない顔に見える。そこには死神が笑顔を狩ったあとで、次は何を狩ってやろうか品定めしてる。

生きるためと思ったことが、死に向かってたなんて。不条理で屁理屈を言いたくなる。

不思議だ。


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