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木の匂いがすると、うれしそうに母が言った

のこぎり屋根の窓から外を眺める、
このアングルがとてもすきです。

久しぶりに実家に帰ったら、母が。
「なんか、木の匂いがする!懐かしい匂い」と。
目を細めながら、うれしそうに言いました。

わたしの祖父母は、もともとのこぎり屋根の工場で、来る日もくる日も木綿を織っていた織元でした。
わたしが子どもの頃にはもう廃業していたのだけど、工場の雰囲気が子どもながらにとてもすきで、織元として働いていた祖父母のことがだいすきでした。

母の言った「懐かしい匂い」、はのこぎり屋根の工場の匂いであり、織元だった両親をなつかしく思ってのことなんだろうな、と思いました。

今こうして地元に戻り、のこぎり屋根の建物で元気に働けることが何よりもうれしく、ありがたいことなのです。
時代を超えて、この町の歴史に触れられるような気がするからかもしれません。

町の記憶として、この場所を大事にしながら、続けていくことが、ささやかな目標です。さー、がんばろ。

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