2002年11月30日、札幌

「まーあのー、本日皆様、我々ナンバーガールのこの最後のライブ、に、来て頂きまして誠にありがとうございます」

 観客、拍手や歓声。
 向井、一服。

「そして、それはまたこの北の地、札幌にて、このような我々ナンバーガールの最後のステージを行えることをわたくし大変幸せに思っております」

 観客、拍手や歓声。

「札幌と言えば、わたくしが大変昔から尊敬しておりますbloodthirsty butchers、そしてeastern youth、fOUL、THA BLUE HERB、そして惜しくも、このまたあのー、解散してしまったんですけど、COWPERS」

 観客、歓声。
 向井、灰皿に灰を落とす。

「その他、いろんな、あのー、私が影響を受け、たバンドが、ここ札幌には多くいらっしゃいますね。
歴史というのは大変素晴らしいもので、終わる歴史もあれば、続いて行く歴史がありますね。そういった札幌のわたくしが影響を受けておるバンドの人たちは、ずーっとこう歴史が続いて行ってるわけですね。その分、重さを、この作品に表して、いって、おる、おるわけですね。そういう表現、歴史から発生する表現をされている方々です。
わたくしも、あー……」

 向井、一服のあと煙草を消す。

「そういった、自分の、その心の奥底から湧き出る、自分の歴史、自分の思想、色んなものを全部ひっくるめてこういったロックンロールに表したいと思って、そしてそういった先人たちこの札幌の素晴らしいバンドたちのようになれればいいなと思ってやって参りました」

 向井、灰皿をアンプの上に置く。

「まあ少なからず、少しだけはあのー、近づけたんではないかと、わたくし誇りに思っております」

 観客、大きな拍手と歓声。

「といった、あのー、まあ1995年夏からの、我々の地力を信じてやってきた、このナンバーガールの歴史を、今ここに終了する」

 向井、何かを噛みしめるような間。

「福岡市博多区から参りましたナンバーガールです。ドラムス、アヒト・イナザワ」

 アヒト、ドラムフィルイン~曲「OMOIDE IN MY HEAD」