Ayako Shimada

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Ayako Shimada

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マガジン

  • 茶湯からの、便り

    茶を習いながら、感じたことを言葉に。

  • Book

    たくさん本を読むようになって3年くらい たまに感想を長く書きます

  • Self Reflection

    自分自身について。

  • Wedding

    ハワイで行った私たち夫婦の結婚式の詳細をお伝えします

最近の記事

さざんか、さざんか、咲いた道。久しぶりの茶の時間のあとで

音が、よく聞こえる 親しい仲間を呼ぶように囀る鳥 風にそよぎ擦れる葉 からからと地面を転がる枯葉 岩が見える 土が見える 五感が戻ってきたようなそんな感覚 ただ、意識的に見つめようと開こうとしているだけなのかもしれない でもどこか 体の詰まりが取れて すーっとしたようなそんな気がする すっきりとしていて 入ってきていいよ と体が言っているようだ あっというまに師走 もうすぐサンタクロースも街にやってきて 犬がかけまわり、猫はこたつで丸くなる さざんかの花が咲い

    • 湿気と茶の再開

      久しぶりのお茶 新しい先生はやわらかでおだやか 湿気が強い 茶杓からなかなか落ちてくれない抹茶をながめながら梅雨が近づいていることをおもう 今朝は強い雨が降っていた 雨音でラジオの音が聞こえないような雨は久しぶりだ ざーっと降って降り飽きたのか 稽古をおえたら雨はすっかり止み どんよりまだ暗い空の下 空気は暑く水っぽく重くなっていた 時計から離れ 電波から離れ ただただ茶を一杯入れるためにゆっくりと時間を使うこのことがやっぱり私は好きだ 庭に咲いていたというぽっと小さ

      • 淡いピンク色のコートを嬉々として羽織るわたし。

        ずっと ずっとずっと ピンク色が嫌いだった 特に白の多い、淡いピンク色は大の苦手 それは、"女の子" の色だから。 私は ”女の子” が嫌いで 自分が "女の子" の色を纏うなんて、まっぴらごめんだったのだ 小学生の頃から好きな色は水色 途中一時だけ好きになったのは紫色 自分で洋服を選べるようになってからも ピンクの服は、一度も買ったことがない Liz Lisaなんてもってのほかで、(特定の名前出してごめんなさい…)おえーと言いながら109の店の前を通り過ぎていたのを

        • What do I want to do? How do I want to be?

          良い音に、耳を澄ませて 香りに、鼻を澄ませて 繊細な味に、舌を澄ませて 手足の感覚に、体を澄ませて 未知との出会いに、心を透ませて 感動の瞬に、鼓動を揺らして 生きてる、と感じたい 頭ではなくて 心で、身体で いま、生きてる、幸せだ、と感じたい あのいま通り過ぎた人みたいな格好がしたい ラフなお団子頭ちょっきり前髪に茶色い眼鏡 白の少し文字が書いてあるロンティーに白のワイドパンツ お腹はin 黒のすこしいかつめのブーツに小さなオレンジのカバン 綺麗な首筋 歩く延長のように

        さざんか、さざんか、咲いた道。久しぶりの茶の時間のあとで

        マガジン

        • 茶湯からの、便り
          21本
        • Book
          1本
        • Self Reflection
          0本
        • Wedding
          2本

        記事

          くたくたた

          くたくただ なんでこんなにくたくたなのだろう くたくた くたくた くたくた なんだかおかしくなってきた ふふふ 食った食った くたくたのほうれん草を食った食った ごまとかつおぶしと醤油をちょっとたらして くったくった なんだか楽しくなってきた 頭の中にしかない言葉を文字にした途端 言葉がもつ音や別の意味、見た目 いろんな情報がとっとっとっと増えて 感情や想いが少し離れていく 今日は半月 マスクをずらして歩く 中華の匂いがした ことしはもっと色んな香りをかぎ

          くたくたた

          夏よ、夏らしくあれ

          暑い とにもかくにも暑い おーしーんつくつくうぃーうぃーうぃーうー みーんみんみんみんみんみーん けたたましく、蝉が鳴いている 8月も26日 あっという間に夏が過ぎようとしている 大きな雲とももうすぐしばしの別れか 朝晩には鈴虫も鳴き始めた 昔のように稽古の後に感覚が開く感じが無くなった 茶室が少し忙しなく 時がうまく離れてくれない 自分の心も忙しなく なかなか落ち着いてくれない 8月はお箱のお稽古だった それも今日でおしまい なんとか夏らしいことがしたくて 西瓜を割り

          夏よ、夏らしくあれ

          滝と天狗とふらふら瓢箪

          蝉が鳴き始めた 今日、鳴き始めた 雲がもくもくと 空のぱかーん!と青くなって 夏が来たことを体感する 稽古場からでた空気はぬるく 風にはまだ少しだけ涼しさが残る 最近少し稽古で見える世界が減っている 事実のほうが頭に入る なぜだろう 今日のお稽古で使った水差しの蓋は 葉っぱだった 背が高い人の大きな手ぐらいの大きさ 昔の人はこの葉を短冊の代わりにして 炭で願い事を書いたという 葉の名前は何度も唱えたのに忘れてしまった 器は平茶碗 竹の模様が描かれていた 色はなんと言っ

          滝と天狗とふらふら瓢箪

          茶室ですごすあいだ

          電気 車 コンクリートの道路 ジーパン iphone プラスチックケース Tシャツ 時計 いま目に見える近代的なかれら この200年で わたしたちは色んなものを手に入れた その色々なものが無い茶室で 過ごす間が尊い 時間というより、あいだというかんじ 時という概念が消えて そこにただ自分という人間を置いている という感覚 竹 木 石 土 草 茶 花 1文字の彼らしか そこにはいない どうしたら着物はもっと普段着として残ったのだろうね という話を先生とする 浴衣

          茶室ですごすあいだ

          たぬきと龍

          頭に言葉が浮かばない 体がすーっとしている 気持ちいい 鳥が鳴いた 今日の湯は熱かった もうもうとあがる煙 赤く燃える炭が分福茶釜の隙間から見える 釜の両端にはしゃーと怖い顔をした龍 だけど形はたぬきの腹のようで 可笑しいんだか怖いんだか ぼーっとゆっくり湯をすくっていたら 手を火傷しそうになった 背丈の高いがっしりとした男の方のお手前を拝見した しなやかで品のあるお手前だった 茶室には四角が多いなとふと想う 畳、襖、床の間、掛け軸 四角の中に点々と丸が存在する 四角の

          たぬきと龍

          立方体の紫陽花

          今日は30度まで気温が上がった ぬるい夜風がそよいで笹の葉を揺らす あっという間に夏がすぐそこまで近づいている まだ、蝉の鳴き声はせねど 紫陽花の綺麗な季節 色んな種類の紫陽花があることを 今年になって初めて知った お稽古でいただいたのは 紫色をした紫陽花のお干菓子 角砂糖のような大きさの 立方体の小さな塊 お砂糖がまぶされて揺らすときらきらひかる 口の中に入れると しゃりっとゆって 少しずつとけていく 紫陽花は四角じゃないはずなのに 花びら一つが菱形のようだからか

          立方体の紫陽花

          紫陽花のような夜

          ばさばさと降っていた雨が 霧のような細かな線になった 空は黒くなく 群青と薄紫が混じったような色をしてる 紫陽花のような夜 空気は澄んですっきりとしていて 雨で濡れた土と葉の匂いがする アスファルトは湿り 電灯の光にきらきらと揺れる 車のヘッドライトが眩しく目の前をすぎる 炉から上る湯気から温度が消える 暖かさや寒さではなく 出来立ての料理からあがる美味しい湯気や 龍が上に昇る姿のような湯気 温度が離れた湯気が頭に浮かぶ あたたかい というのと同時に 涼しい という

          紫陽花のような夜

          茶湯からの、便り 十四

          薫風自南来 3週間空いただけで めっぽう空気があたたかくなりました ぐーっと息を吸えば青々とした緑と むくむく元気な土の匂い 気づけばあっという間に5月の気持ちのいい季節がすぎ、梅雨がそこまで近づいてきた 今日も曇り ぽつぽつと雨が落ちている 今日は三友という名前のお稽古をした お花と、お香と、お茶 その3つを5人で行う それぞれ花を持ち寄り 床の間に飾られた真行草の花器に順々に活ける ゆっくりと炭であたたまった香を嗅ぐ そして茶を点て茶を飲む というなかなかに忙しい

          茶湯からの、便り 十四

          茶湯からの、便り 十三

          "山笑う" 今日、茶杓の銘に使おうとしていた言葉 冬枯れた山から緑が芽吹き始めた 春の山のさま。とのこと 丁度、今年初めて山梨の山の中で目にした光景だった 昔々の人が、同じような景色を見て あぁ、山が笑っている様だ とこの言葉を頭に浮かべたかと思うと 粋すぎるよなぁ日本人 他にも、調べていたら桜の異称として "夢見草" という言葉が出てきたり 木の切り株などから萌え出る芽のことを "蘖(ひこばえ)" と呼んでいたり 自然との五感的な距離を羨ましく思った まだまだ手順を間

          茶湯からの、便り 十三

          茶湯からの、便り 十二

          ん。蝉が鳴いている お稽古を終えて外に出て 薄手の羽織り一枚で心地よい天気になったなあと思っていると、ミーンとどこかから聞こえてきた なんて早いんだ まだだよ。友達は誰かいたかい?と心配になる 温まる地球の危機も同時に危惧する 今日の炉は 薄雲 という名で 湯をあたためる炭が見えない様に 釜の周りにUFOのように円盤上に板が張っていた あたたかくなってきた季節 炭が見えると季節を存分に感じられないからという心遣いなのだという お菓子は道明寺の桜餅 つぶつぶとした表面が桜を

          茶湯からの、便り 十二

          茶湯からの、便り 十一

          恵みの雨 と雨を嬉しく思えるようになったのはいつからだろう 草木がふわぁ気持ちがいい〜お水美味しい〜と 喜んで見えるようになり 雨水を含んだ苔が美しく見え 木や葉に留まる雫を宝物を発見したように見つめるようになったら 雨が楽しくなった 今日のお茶杓のごめいは何にしようかと思いながら 調べていると菜種梅雨という言葉に出会った 菜の花咲く季節に連日降り続く雨とのこと 連日の雨ではないから駄目か とおもいながらも 季節のほんのちょっとした変化を感じとり 言葉にした昔の日本人の豊か

          茶湯からの、便り 十一

          茶湯からの、便り 十

          梅が咲き 早咲きの桜が咲き 春一番の風が吹いて 空気が少し和らいできた 今日は吊り釜 天井から吊るされたお釜が ゆらゆらと静かに揺れる 炭で温められたお釜の蓋を開けると そこからぐらゆらと煙のような湯気がたつ 少し俯瞰したところから 美しくお茶を点てる姿を眺めながら ふと目に入るお茶の緑の鮮やかさに心を奪われる ぐっと濃い緑色なのに 人掬いの茶杓の先が明るく照ってみえる 茶によって緑の色が異なるのだろうな 比べて見てみたいなと色への欲が湧く 気温が少しずつ上がり、雪が溶

          茶湯からの、便り 十