安全の礎は日常の備えから:『災害時の必需品』5選

●はじめに

安心と安全のための最初の一歩は、日常の中での準備から。

災害という言葉は、私たちの日常に突如として現れ、生活のリズムを狂わせる存在として頭に浮かびます。

しかし、実際のところ、その瞬間までの準備と対策が生命や財産を守る重要な要素となります。

考えてみてください。

電気が突然消え、水道が使えなくなった時、身の回りにはどれだけの備えがありますか?

また、家族が別々の場所にいる時、どのように連絡を取り合う計画を立てていますか?

日常生活の中での少しの手間と時間を、このような備えに投資することで、未来の不安やリスクは大きく減少します。

家族の笑顔を保つため、大切なものを守るため、今、災害時の備えを考え、行動に移しましょう。

それが、私たちの未来を守る最初の一歩となるのです。





①『食料・水』

  • 保存のきく食品(非常食):カンパン、レトルト食品、インスタントラーメン、缶詰など。最低3日分、できれば1週間分の食料を用意するのが理想的です。

  • 水:人は3日以上水なしでは生きていけません。1日に必要な水はおおよそ2〜3リットルですので、少なくとも3日分の水は保存しておくべきです。


  1. 保存のきく食品(非常食):

    • カンパン: 長期保存が可能で、手軽に摂取できる食品。水分を多く必要としません。

    • レトルト食品: ご飯やカレー、シチューなどがあり、開封すればそのまま食べられます。温めることでより美味しく食べられるので、保存用の簡易ストーブや火起こし具も一緒に用意すると良い。

    • インスタントラーメン: 水と熱があれば簡単に調理できます。保存期間も長いのが特徴。

    • 缶詰: さまざまな種類のものがあり、長期保存が可能。魚や肉、野菜、果物、スープなどを保存しておくと、バランスの良い食事が摂取できます。

  2. :

    • 人の体は約60%が水分であり、水は体温の調整や代謝、排泄活動などの生命活動に不可欠です。

    • 災害時には給水が途絶えることも考えられるため、飲料用の水を十分に確保しておくことが必要です。

    • 1人あたり1日に2〜3リットルの水が必要です。そのため、1人で3日分を用意すると6〜9リットル、家族4人なら24〜36リットルの水を保存しておく必要があります。

    • 保存用の水は、専用の保存水やペットボトル水が適しています。また、長期保存の際には定期的に交換するか、保存期間や品質をチェックすることが大切です。

    • 飲料用以外にも、調理や洗顔、手洗いなどのための水も必要ですので、その分も考慮して水を確保しておくと良いでしょう。

非常食や水の保存場所は冷暗所が理想的で、定期的に内容物の点検や更新を行う習慣を持つことが大切です。



②『携帯可能なラジオと予備の電池』


電力が供給されない場合でも、外部の情報を得るために手回し式や太陽光で充電できるラジオが役立ちます。
予備の電池も一緒に用意しておくと安心です。

  1. 携帯可能なラジオ:

    • 災害時には、テレビやインターネットなどの通常の情報源が利用できないことがあります。このような場合に、ラジオは非常に有用な情報源となります。

    • 手回し式ラジオ: 電源がない状況でも、手でクランクを回すことで内蔵の発電機を動かし、電気を生成して動作します。バッテリーがなくても使用できるため、非常時には大変役立ちます。

    • 太陽光式ラジオ: 太陽の光を利用して電気を発電し、その電気でラジオを動作させることができます。晴天の日には太陽光を直接受けて充電することができますが、曇天や夜間では使用できない場合がありますので、注意が必要です。

    • 多くの緊急用ラジオは、複数の電源方式(手回し、太陽光、電池)を組み合わせたハイブリッドタイプがあります。これにより、さまざまな状況下での使用が可能になっています。

  2. 予備の電池:

    • 電池式のラジオや、ハイブリッド式ラジオの電池モードを使用する場合には、予備の電池が必要です。

    • 通常、緊急用ラジオは単三または単四のアルカリ電池を使用しますが、購入時や定期的にチェックして、必要なタイプと数量の電池を用意しておくことが重要です。

    • また、電池は長期間保存していると漏れや性能低下のリスクがあります。そのため、定期的な交換や確認を行い、新しいものに更新することが推奨されます。

災害時には迅速な情報収集が生命を救う場合があります。そのため、ラジオは適切な場所に保管し、使用方法を事前に確認しておくことが大切です。



③『懐中電灯と予備の電池』


電力が供給されない場面でも明るさを確保するためには必要です。
防水タイプや手回し式のもの、さらには太陽光で充電できるものもありますので、それらの機能を持つものを選ぶと良いでしょう。

  1. 懐中電灯:

    • 災害時、特に夜間や停電時には、安全確保のための明るさは非常に重要です。懐中電灯は移動時や作業時の光源として役立ちます。

    • LEDタイプ: 現代の懐中電灯は多くがLEDを使用しています。LEDは発光効率が高く、電池の消費が少ないため、長時間使用することができます。

    • 防水タイプ: 災害時、特に洪水や豪雨の際には水との接触が避けられないことも。防水仕様の懐中電灯はこのような状況でも使用可能です。

    • 手回し式: 電池が必要なく、クランクを回すことで発電して光を得られるタイプの懐中電灯。緊急時に非常に役立ちます。

    • 太陽光充電式: 太陽の光を利用して内蔵バッテリーを充電し、それを電源として使用するタイプの懐中電灯。日中に充電して、夜間や停電時に利用します。

  2. 予備の電池:

    • 懐中電灯の種類やブランドによって、使用する電池のタイプやサイズが異なることがあります。そのため、使用する懐中電灯の仕様に合わせた電池を予備として用意することが重要です。

    • 電池も保存期間があるため、定期的に期限を確認し、古いものから使用するか、期限が切れそうなものは新しいものと交換することが推奨されます。

    • 冷暗所での保存が望ましい。また、電池の漏れを避けるため、原則として懐中電灯本体に長期間電池を入れたままにしないよう注意しましょう。

緊急時にすぐにアクセスできる場所に、懐中電灯と予備の電池を一緒に保管しておくことをおすすめします。



④『応急処置セット』


怪我をした場合の応急処置用品をまとめたセットです。
絆創膏、ガーゼ、消毒液、包帯、無菌手袋、使い捨てマスク、救急毛布などが含まれています。
また、病歴やアレルギー情報を記載したメモや必要な薬も一緒に保管しておくと良いでしょう。

  1. 絆創膏:

    • さまざまな大きさや形の切り傷や擦り傷を覆い、感染を防ぐ基本的なアイテム。また、防水タイプのものや、特に敏感な肌用のものなど、様々な種類があります。

  2. ガーゼ:

    • 傷口を清潔に保ち、血液や体液の吸収に使用します。必要に応じて、大きさを変えて数種類用意すると良いでしょう。

  3. 消毒液:

    • 傷口の感染を防ぐためのもの。ヨード、エタノール、クロルヘキシジングルコン酸塩などの成分が使用されているものがあります。

  4. 包帯:

    • ガーゼや傷口を固定したり、捻挫や骨折の部位を固定するために使用します。伸縮性のあるものや、固定力の強いものなど、いくつかのタイプを用意すると良いでしょう。

  5. 無菌手袋:

    • 感染のリスクを低減するため、手袋を使用して応急処置を行います。使い捨てのビニールやラテックス製のものが一般的です。

  6. 使い捨てマスク:

    • CPR(心肺蘇生)を行う際や、感染症の拡大を防ぐ目的で使用します。

  7. 救急毛布:

    • 体温を保持し、低体温症を予防するための薄くて軽いアルミホイル状の毛布。非常にコンパクトに収納できるため、緊急用バッグに常備しておくと良いでしょう。

  8. 病歴やアレルギー情報のメモ:

    • 病院や救急隊員に対して、重要な医療情報を伝えるためのもの。自身の病歴、アレルギー、現在服用中の薬、緊急時に連絡すべき家族や友人の情報などを記載しておきます。

  9. 必要な薬:

    • 常用している薬や、アレルギー反応を抑える抗ヒスタミン薬、痛み止め、胃腸薬など、緊急時に必要となる可能性のある薬を用意しておくと良いでしょう。

これらのアイテムを、防水性のある袋やケースにまとめて保管しておくことで、緊急時に迅速に対応することができます。
また、期限のある薬や消耗品については、定期的に点検や補充を行うことが重要です。



⑤『重要書類と現金』


戸籍謄本、住民票の写し、健康保険証、キャッシュカード、パスポートなどの重要書類は防水袋に入れて保存しておきましょう。
また、電子決済が使用できない場合も考慮して、小額の現金も準備しておくことが重要です。

  1. 重要書類:

    • 戸籍謄本・住民票の写し: これらは身元を証明する重要な書類です。災害時に避難所での身元確認や、後の支援を受ける際に必要となることが多いです。

    • 健康保険証: 災害時に怪我をした際や、病気になった時の医療の受け入れをスムーズにするために必要です。

    • キャッシュカード: 電気や通信網が復旧した際に、金融機関からの引き出しを行うために必要です。

    • パスポート: 国際的な身分証明書として機能し、海外への避難やサポートを受ける際に役立ちます。

    • 運転免許証: 身分証明書としての機能に加え、車を運転する際にも必要です。

    • その他の書類: 土地や家屋の登記簿謄本、生命保険や火災保険の契約書など、復興や補償を受ける際に必要となる書類も考慮して保管しておくと良いでしょう。

  2. 現金:

    • 大規模な災害時には、ATMの機能停止や電子決済の利用が困難になることが考えられます。このような状況に備えて、現金をある程度準備しておくことは非常に重要です。

    • 額面の異なる紙幣や硬貨をいくつか用意しておくと、小額の支払いもスムーズに行えます。

    • 適切な額は個人の生活習慣や地域の事情によるため、各自で判断することが望ましいですが、最低限として数日分の生活費を考慮して準備すると良いでしょう。

これらの書類や現金は、盗難や水濡れから守るために、防水・防火性の高いケースや袋に入れて安全な場所に保管しておくことをおすすめします。
また、定期的に内容を確認し、更新や補充が必要な項目については手を加えることが重要です。



●さいごに

私たちの日常は、突然の大雨や地震、さらには停電や交通の混乱といった予測不可能な出来事に常にさらされています。

これらの事象は、事前に正確に予測することは難しいですが、その影響を最小限にするための備えは可能です。


不確実性があると感じる瞬間こそ、備えという確実な行動が最も価値を発揮します。

例えば、家に非常食や保存水を常備しておくこと、家族との非常時の連絡方法を確認しておくこと、そして避難場所を事前に把握しておくこと。

これらはすぐに始められる具体的な行動です。

これからの未来、突然の洪水や大地震が起こるかもしれません。

しかし、事前の準備は、そのような困難な状況でも私たちの身を守り、大切な人々との絆を断たせない最後の砦となります。

命の価値は計り知れないもの。

それを再認識する今、日常の中での小さな努力、例えば防災グッズのチェックや非常用バックパックの準備、地域の避難訓練に参加するなど、その一つ一つが大きな安心に繋がることを実感しましょう。

備えのスタートは今日から、そして毎日の生活の中で確実に行えるのです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?