見出し画像

秘密の沖縄旅行記

2020年11月に沖縄を旅行した。ご存知のとおりその頃はコロナ禍のど真ん中でありながらも、なんとなくこういう対策をしておけばいろいろやっても大丈夫なのではないかというのが見えてきて、っていうか何もしないと経済が死にますよみたいな感じでいろいろ動き出して、GoToトラベルが実施されていた。とはいえ、おおっぴらに「旅行してきますわ!イエーイ沖縄〜!メンソーレ!」とは言えない雰囲気だったので、一人でこっそり行ってきた。SNSに記録を残しておきたかったけどなにせ極秘なので、新たなアカウントを開設し、この時期に旅行をしてても怒らなそうな友人にだけ教えると「おじさん一人旅のSNSなんか誰が見るんだよ。」と言われたりもしたが、気にせず投稿し続けた。その写真を使ってそろそろ旅行記を書いてみようと思う。いいよね、そろそろ。これ以上寝かせておいたら細かいことを忘れちゃうし。

ちなみに、南国の潮風と美しい白砂を浴びまくったからか、家に帰り着いた直後にスマホが完全にぶち壊れたので、いまやその旅の写真はSNS上にしかない。バカにされてもめげずに写真を投稿しておいてよかった。

出発前夜、近所で沖縄物産展を発見。妹の希望していたお土産、ちんすこうが手に入ってしまう。

前置きが長くなったが、そんなわけで二年半も前のことなので、不正確な部分というか、思い出が美化されている部分があるかもしれないが、あまり細かいことは気にせず読んでいただきたい。

那覇空港

沖縄にはいつか行ってみたいと思っていたので、GoToトラベルの力で3泊4日22000円(飛行機代込み)という信じられない値段が表示されたのを見た瞬間に予約した。11月の沖縄ってどうなの?とは思ったのだが、そんな疑問を抱いた時にはすでに予約完了のメールが届いていた。

数日後、那覇空港に降り立つ。暑い。繰り返すが11月のことである。なんとなく想像していた沖縄よりだいぶ南国なんだな、と肌で感じながらホテルを目指す。もっとも激安なプランなのでビジネスホテルとカプセルホテルの中間みたいなところだ。聞いた話だと「サーフィンさえできればそれでいい」といったタイプの旅行客が寝るためだけに泊まるようなところらしい。とりあえずベッドに横になりこれから何をするか考える。

何をするかって、食べることくらいしかない。もう夕方だし。と、友人から聞いていた沖縄にしかないハンバーガーチェーン店を検索してみると、15分も歩けば行けるところにあるようだった。ちょうどいい散歩になりそうだ。シャツと短パンに着替えて出発、サンダルも持ってくればよかった(翌日に購入)。

ガソリンスタンドの中にその店はあった

ここアメリカ?いや我々のような戦争を知らない世代の人間は忘れかけているがここは50年くらい前、私の生まれる5年前まではアメリカだったのだ。

とりあえずハンバーガーを食べる

美味い。パンと肉が美味い。写真を見るとなにか揚げ物がトッピングされていたのだが、それがなんだったのかは忘れてしまった。オニオンリングだったような気がする。トッピングは忘れたが、ここがかつてアメリカだったことを思い出せたので、旅行としては非常に意義のある時間だった。

それから20分くらい散歩したところで、面構えの良い店を発見。

看板だけはやけに新しいがそれ以外のビジュアル100点

まだ腹が減っていないどころか満腹に近い状態なのだが、食べるしかあるまい。旅行だし。

お値段なんと600円(当時)

学食もしくは立ち食い蕎麦の作り方で提供されるのだが、そういうレベルではない味がする。とにかく汁が美味い、肉も美味い、麺がこれらにあっている。しかも24時間営業とのこと。こんなのが家の近くにあったら最高なのに。

満腹感と満足感を抱えてホテルに戻って眠る。

……寒い。11月なのに半裸で寝ているからだ。いや違うここは沖縄。昼は暑かった。もしかしてさっきまでの旅行は夢?そんなわけはない。と、深夜に覚醒する。部屋を確認すると、エアコンから強烈な冷風が吹いていた。エアコンなんかつけたっけなあ。てかリモコンどこだよ。リモコンの位置も知らないんだからつけてないよなあ。隣の部屋の人のリモコンで反応しちゃったんだろうか、などと考えながら、エアコンをオフにしてまた眠りについた。

輝くパチンコ店。沖スロが本当にたくさんあった。


2日目。昼は人気のステーキ屋さんに行くと決めていたので、なんとなくそっちのほうに向かいつつ海を見たりすることに。

なんかかっこいい神社
海も空も青い

癒やされていく。ほぼなんでもある街からちょっと歩くだけで綺麗な海があって、11月でも半袖で過ごせるし、そりゃ移住したくなるよなあ。

人気のステーキ店は行列覚悟との噂だったが、すんなり入店できた。

サーロインステーキ

この赤身を噛み砕く感じ、最高だ。思わずおかわりしそうになったが我慢。これもまた、かつてアメリカだったゆえの味だろう。

なんかゼルダの伝説っぽい光景

午後は、首里城周辺へ。首里城はこの数年前に燃えてしまったので修復工事中だった。それを眺めてから近くにある玉陵へ。たまうどぅん、と読むらしいということがそこらじゅうに書いてあるのだが、どう発音するのかはわからなかった。まあそれはともかく、こちらは昔の王族のお墓とのことで、琉球王国について様々なことが展示されているらしい。
入場料の説明の看板だったか貼り紙だったかの横に「お墓参りの方は入場料はいりません」といったような内容のことが明記されていた。これはつまり、琉球王国の王族の子孫の人が墓参りにくることがあるということなのだろうか、と考えながら入場料を支払って奥へ進んでいくと、どう考えてもお参りをしている人がいた。もちろんプライベートなことだろうからガン見したりはしなかったが、私が普段しているお墓参りよりも儀式めいた仕草とお供物で、お墓(王様のなのでもちろん超でかい)に向かって祈りを捧げていた。50年前までアメリカだったここは、150年前までは琉球王国だったのだ。琉球王国→日本→アメリカ→日本、と、変わってきても、琉球の王様の子孫が暮らしているのだ。

神妙な心持ちになって、玉陵をあとにする。いろいろなことを考えながら歩いていて、無意識のうちにスパムおにぎりをテイクアウトしていた。いや、まだ腹の中にステーキがいるから。夜食にしよう。

夜はなんと部屋飲みすることにした、一人なのに。というのも、コンビニでいろいろな泡盛をほどよい量で売っていて、これは飲み比べをするのに最高だと思ったからだ。あとそのための買い物をしたりするので何度か部屋を出入りしていて、カードキーを所定の位置に置くと部屋の電灯が点くと同時にエアコンが自動的に風量強の冷房でオンになる超沖縄仕様の部屋であることがわかった。そりゃ夜中に寒くて目が覚めるわけだ。

こんなのをとりあえず3つほど購入

エアコンを調節してから、沖縄のローカル番組を眺めつつ飲み始める。これはこれでオツなのだが、だんだん喋りたくなってきた。この2日間、飲食店での注文以外で声を発していないからだ。暇そうな後輩に連絡してオンライン飲みをすることにした。この後輩は私が沖縄にいることをまだ知らない。この飲み会は盛り上がるぞ!とLINEのビデオ通話を開始したが「マジっすか、いいですねえ」くらいのリアクションがあったのみで、あとはいつもと同じような会話が繰り広げられたのだった。楽しくはあったのだが、俺は何をやっているんだ、という思いを抱えながら眠りに就くことになってしまった。

つまみはタコス屋さんでテイクアウトしてきた

3日目。昨日の夜の反省から、沖縄らしいことをするぞと意気込みながら出発。「沖縄の他の島とか行くとまたいい感じだよ」と古い友人からアドバイスをもらっていたのを思い出したので、港へ行ってみる。思っていたより船の運賃も高くないし、1時間ほどでいけるところがあったので、乗る。どんな島につくのかよくわかんないけど。

これだよこれ

船に乗っただけで最高。他の乗客も少なかったので、静かにぼんやり海を眺めていたら、あっという間に島に到着した。

船を降りたところで、原付バイク(自転車もあった)のレンタルの呼び込みをしている人がいて、一瞬ときめいたのだが、まだこの時点で島のサイズ及びなにがあるのかを全く把握していなかったのでなんとなく断って、案内所のようなお土産屋のようなところへ行って、地図を見て、砂浜を目指して歩き始めて5分で原付を借りなかったことを後悔することになった。

ちょっとした山
遠くに海が
そして海

いやいや、歩いてよかったよ!砂漠でオアシスを見付けたときのようなこの感動!もちろん砂漠なんか行ったことないから同じかどうかわからないけども!砂漠でオアシスは命に関わってくるからもっと重いだろうけど!とにかく原付をレンタルしなかった俺、ナイス!

なんか岩場
やっぱり水が綺麗
海の色よ

興奮してガンガン歩いた、来たら帰らなければいけないということも忘れて。旅行中でテンションが高いとはいえ、身体はちゃんとおじさんなので、だんだんつらくなってくる。でももう歩いて帰るしかない。本島へ戻る船のチケットをすでに買ってしまっているので時間制限もある。そしてまた原付をレンタルしなかった自分を呪い始めた頃になんとか港に帰り着いたのだった。
次に行くことがあったら、バイクか自転車かどっちかをレンタルすると思う。どっちがいいかは迷うところ。

おでん

さすがに疲れたのでホテルで少し身体を休めて、夜は、もう最初から決めていた店で。何年も前にネットで紹介されているのを見てからずっと来たかった店だ。ここも最高だった。料理もよかったし、店主のおねえさんも優しかった、そのうちまた行きたかったのだけど、もうこの店はない。行っておいて本当によかったと思う。

最終日朝の沖縄そば

最終日。とりあえず、例の24時間営業の沖縄そばを食べてから空港へ行くことにする。二日酔いの時が一番美味いなこの汁。

とにかく、11月の沖縄は素晴らしかった。船で行った島で、喉の乾きが限界をむかえたときに素敵な旅館を発見して、そこの売店で飲み物を買った。店員さんに「あんまり人がいないのは、コロナの影響ですか?」と聞いてみたら「11月はいつもこんなもんさね」とのことだった。また来よう。できれば島の素敵な旅館に泊まりたい。


#わたしの旅行記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?