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圧倒的に理解しやすくメッセージ性の高いOPムービー「幻想水滸伝2」

ゲームキャストDiscordサーバーでユーザーが開催したゲーム紹介ビブリオバトル(5分でプレゼン)の下書きを、公開用に再編集したものです。

この文章は、初プレイ当時中学1年生だった自分の心に鮮明に焼き付いた記憶を元に書かれた幻想水滸伝2OPムービーを見たときの衝撃についての記録であり、ゲーム内のネタバレについては恐らく触れておりません。
業界に疎い一般人の感想文ですので、映像などに対しての専門的な文章はありません。
元ネタの水滸伝についても実は全く知らないです。

しかしながら、まだこの作品に触れていない方は幻想水滸伝 I&II HDリマスター~門の紋章戦争・デュナン統一戦争~が発売される予定ですので、楽しみにしている方はご注意ください。

テーマ「人生を変えたゲーム」

1.イントロダクション

みなさんは、いつからゲームが好きになかったか、明確に覚えていますか?

今回紹介するゲームはコナミから1998年に発売された幻想水滸伝2です。
中学1年生になるまで与えられたRPGしか経験していなかった。アニメやゲームは自分にとって子供の暇つぶしでしかなかった。そんな自分が中1で初めて買ったゲームが幻想水滸伝2だったんです。

加筆:当時は社会現象という理由でポケモンやたまごっちを与えられたので、欲しい物を貰えたことはロックマンダッシュ(PSソフト)を買ってもらった小6まで一度もなかったのも原因かもしれないです。これまでのRPG経験は、元祖西遊記スーパーモンキー大冒険→ポケモン緑赤青黄でした。ストーリーが重要なRPGをほぼ知らずに育ったんですよね。

2.OPムービーについて

公式に幻想水滸伝2単体のOPやPVがありませんでしたので、今回はこちらを引用させていただいております。

紋章

ゆっくりと2人の青年と2種類の紋章が映って、これは2人の人生が交錯する話なんだなって、とてもわかりやすい表現ですよね。

加筆:一番最初にこの表現を持ってくる事によって、ストーリーの中心人物が確約されます。注目すべき関係性や核心についてこの短いシーンだけで引き込まれていきます。
そして紋章。この二人が関わることになるであろう何らかの紋章(家紋なの?魔法なの?)が重要であることがわかります。

曲調が変わる。1
燃え盛る村と兵士が後ろ走り抜けて戦闘の最中であることがわかります。

お姫様

地味な服装のお姫様が映ると何か引っかかる。お姫様ってもっときらびやかなイメージがあるんです。

違和感、そういう言葉でしかこの女性に対して思い浮かばなかった。シンデレラやヒラヒラピンクなお洋服について目視していたけど、少なくとも当時の自分の価値観とこのお姫様は全く結びつかなかった。
儚げで、でも遠くというより何かを確実にその眼差しに捉えている表情もなんだか不思議だった。

そして…将軍っぽいな、軍師っぽいな、他の人達は好戦的に見えるな…、ここまでは冷静だったんです。 

悪鬼

夕日がどす黒く感じる骸の山の上で、悪鬼のような男が振り返る。
目が、合う。
漫画とかもほとんど読んだことなくて、悪の親玉だとか、絶望的なシチュエーションを知らなかったので、本当に本能で怖かった。
ここで俺は口が開きっぱなしになりました。

加筆:当時の自分は戦隊モノ、少女向けアニメ、児童向けアニメ(クレしんやアンパンマン)みたいに悪役がポップにかかれていて、性格の不一致から敵対していると言っても過言ではないようなキャラしか知らなかった。
沢山の人の人生を終わらせる事に快感すら覚えているようなこの表情は、一時的なトラウマを植え付けたとも言えた。

(朽ち果てた村のムービーシーン)

曲調が変わる。2
生き生きと濡れた双葉が、新しい希望なんて絶対そこにあるんだって、思わせてくれるんです。
俺はこのシーンで涙がボロボロ出ちゃったんですよ。
まだ遊んでないのに。
曲調が変わる。3

BGMもその双葉に合わせて、重苦しい戦争のイメージから一転、人々の営みが暖かく冒険心に溢れたワクワク感溢れるものに変わります。


団結

みんなの表情からは個々が抱える悩みなんて感じさせない。人間関係や復興する為の団結力を感じさせる。


風景

目まぐるしく変わるキャラクターは勿論ですが、背景に着目するとどんどんと風景が変わってるんです。
ということは、大国との争いに沢山の地域が巻き込まれる、主人公を中心にした物語ではなく、彼ら1人1人が関わっていく激動の歴史の中心を生きるゲームであることがわかる。

曲調が変わる。3
巨悪に立ち向かうようなカットで描かれるラストではなく、この草原を駆け抜けていく光が、このストーリーは戦いの為ではなく未来を切り開くという圧倒的な希望でOP終わるんです。

加筆:このシーンの最後で主人公1人(自分)がアップになって終わる。
自分の立ち位置の重大性はめまいがする。

3.結論と感謝(1分)

号泣したまま3回OPが流れてやっとプレイできたんです。
スタートボタン押す時に思ったんですよね。
"俺は一生ゲームと関わっていく"って。"この魅力から逃れられない"って感じたんですよ。

加筆:この太文字部分は、まさにそのまま神棚に飾っているかのように、写真よりも鮮明に心にずっっっっっっっと残っています。
でも、この感動はそのまま絶望でもありました。
逃られない。未だにこれ以上ピッタリな表現が見つからない。
抗うことの許されなかったインパクトは23年後の今の自分を作っている重要な要素であり、人生のターニングポイントだった。

ゲームが好きになってたんです。まだ何もしてないのに。
今まで見た映画やアニメ、音楽も、仕草や文脈、背景や音の一つ一つが何もかもが鮮やかになっていたんです。

加筆:この時、俺は声を出して泣き、画面が全く見れなくなりました。
少し落ち着いて、部屋の一番遠い場所にある本棚を少し見つめていました。
今まで自分は何を読んでいたんだろう?
今までの自分の視界が灰色であったかのように『もう一度ちゃんと読めば、絶対面白いんだ』と気付かされる程でした。


もし出会わなければ、俺も子供っぽい趣味だとか卒業という表現に納得していたかもしれないなんて、想像してしまいます。

さて、幻想水滸伝1・2のリマスターが予定されています。
よろしく!


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